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3月のにっぽんのいろは「花咲く季節」を感じさせてくれる優しい色がたくさん。
薄桜(うすざくら)、空色(そらいろ)、菜の花色(なのはないろ)、若緑(わかみどり)。
日常で見られる、日本の伝統色をお楽しみください。
▼3月のいろ #にっぽんのいろ
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二藍(ふたあい)|#にっぽんのいろ
青い「蓼藍(たであい)」と、中国伝来の赤い「呉藍(くれあい)」の二つの「藍」を掛け合わせています。
若いほど紅を、年を重ねるほど藍を強め、年齢によって着る色を変えていたそう。
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鴇色(ときいろ)|#にっぽんのいろ
優しく淡いピンク色は、絶滅が危ぶまれている貴重な鳥「トキ(鴇)」に由来します。
トキが飛ぶ際に見える風切羽や尾羽の美しい色合いが表されています。
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抹茶色(まっちゃいろ)|#にっぽんのいろ
良質な茶葉の新芽を摘んで蒸した後、乾燥させて臼で引き、粉末にしたものを抹茶と言います。
鈍くも存在感のある高貴な輝きを放つ色。
粋な色が、今も昔も人々の心を癒してきました。
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練色(ねりいろ)|#にっぽんのいろ
絹糸のような、黄みがかった優しい色合い。
名前の「練」は、蚕の繭を煮て取り出した生糸を練って柔らかくした「練糸(ねりいと)」を指します。練ることで独特の艶としなやかさが誕生します。
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草色(くさいろ)|#にっぽんのいろ
草葉を表す調和の取れた色は、緑色を代表するだけでなく、他の色との組み合わせも抜群。
草餅や蓬餅(よもぎもち)など、春の味を思い出すような優しく豊かな色合いです。
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緑色(みどりいろ)|#にっぽんのいろ
『日本書紀』にも登場するほど古い色名。
かつては緑を含めた寒色系の色をすべて「あお」と呼んでいました。初夏の若葉のような明るい色から、生い茂る古草のような暗い色まで幅広い色みを指します。
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黄柳(きやなぎ)|#にっぽんのいろ
春の初め、葉を伸ばす前に付ける柳の花の色に由来すると言われています。
色名に「柳」を冠する色は平安時代から数多くあり、織物や染物などに用いられてきました。
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莟紅梅(つぼみこうばい)|#にっぽんのいろ
梅が開花する前の莟の色に由来しています。
莟の色は花の色よりも一層濃く、一際鮮やかな強い紅赤色をしています。莟の色にも美しい色を見出す、奥ゆかしい感性を感じますね。
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桑色(くわいろ)|#にっぽんのいろ
桑の葉は、生糸を作る蚕(かいこ)の餌になり、古くから日本人にとって身近な植物でした。
その桑の樹皮や根を用いて染めた色が桑色です。浅い色から濃い色まで色みには幅があります。
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鬱金色(うこんいろ)|#にっぽんのいろ
ショウガ科の多年草「鬱金」で染めています。鮮やかさと力強さを兼ね備えた色。
鬱金は英語で「ターメリック」と呼ばれ、日本には奈良時代に伝わりました。今では漢方や香辛料としてお馴染みです。
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猩々緋(しょうじょうひ)|#にっぽんのいろ
「猩々」は、サルに似た中国の空想上の生き物のことを指します。その猩々の血で染めたものを猩々緋とする伝承が今に伝わります。
戦国武将は陣羽織に仕立てて戦場で愛用したそうです。
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山葵色(わさびいろ)|#にっぽんのいろ
山葵は日本原産の植物で、古代は薬に、室町時代は薬味として使われました。
その山葵をすりおろしたような豊かな色合いには、ツンとした清涼感があふれているようです。
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今様色(いまよういろ)|#にっぽんのいろ
「今様」は「今、流行りの」という意味。
「今」は平安時代を指し、紅花で染めた明るい色調が当時の貴族の間で人気を集めました。色味は諸説ありますが、心を晴れやかにしてくれる色ですね。
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浅緑(あさみどり)|#にっぽんのいろ
春に芽吹く、若葉を思わせるような淡い緑色です。
若々しさだけでなく、少しくすみのある印象が特徴的で、風に揺れる柳の葉のようでもあります。
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樺色(かばいろ)|#にっぽんのいろ
「樺」は山桜の一種「樺桜」の樹皮を指します。湿地に生えるガマ科の単子葉植物「蒲(かば・がま)」の穂の色に近いため「蒲色(かばいろ)」と表記されることも。
二つの植物に由来する、珍しい色です。
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薄香(うすこう)|#にっぽんのいろ
淡く渋い橙色は、良い香りのある木「香木(こうぼく)」の一種「丁子(ちょうじ)」で染めています。
染めた後も、良い香りが残ることから、色合いだけでなく香りも想像して楽しめますね。
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新橋色(しんばしいろ)|#にっぽんのいろ
色名の由来は、東京新橋の芸者が好んだことからと言われています。
独特の艶っぽさから、美人画に使われるなど、明治時代末期から大正時代に流行しました。
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小町鼠(こまちねず)|#にっぽんのいろ
鼠色が流行した江戸時代、印象のはっきりしなかった「薄鼠色」に「小町」という人物名を付けて、若者向けの色として売り出しました。
流行を作り出した江戸の人の粋を感じます。
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萌黄色(もえぎいろ)|#にっぽんのいろ
若草の色にも例えられ、「若さ」を象徴する色でもあります。
戦国時代の若武者は、この色の直垂(ひたたれ)を身に着けていたそうで、生命力と力強さがあふれています。
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玉子色(たまごいろ)|#にっぽんのいろ
庶民の間で卵を食べる習慣が定着した、江戸時代から使われるようになりました。
色味は生卵の黄身、ゆで卵の黄身、殻の色など諸説ありますが、今では食卓に欠かせない美味しい色ですね。
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鶯色(うぐいすいろ)|#にっぽんのいろ
春の訪れを告げる鶯。
「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれています。
その鶯の羽毛のような、ややくすんだ黄緑色。
鮮やかな黄緑色が使われがちですが、実際の鶯は茶色に近い色をしています。
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藍白(あいじろ)|#にっぽんのいろ
藍で染めた色の中でも、特に淡い色。
たった少しの藍が入ることで、白が白でなくなることから別名「白殺し」とも呼ばれる面白い色です。
実は東京スカイツリーの外観の色にも使われています。
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白梅色(しらうめいろ)|#にっぽんのいろ
ほんのり桃色に色づいた白梅のような色。
俳聖、与謝蕪村(よさぶそん)は辞世の句に白梅を詠んでいます。無垢を象徴する白に近く、神秘性を醸し出しているようです。
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臙脂色(えんじいろ)|#にっぽんのいろ
深く紫がかった濃い紅色。
煮えたぎるような情念を思わせる「モダンカラー」として流行しました。
与謝野晶子の『みだれ髪』では、情熱的な表現として用いられています。
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