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瀬戸内海に広島湾や灘などの穏やかで泥が堆積する地域と、高速潮流で砂地となる瀬戸(海峡)が繰り返す理由。繰り返しですが、フィリピン海プレート45度カックン方向転換で中央構造線が発現して不動のユーラシアプレート側にシワが生じた。直下型地震と恩恵は表裏一体。#美食地質学 #広島 #郷土料理
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広島が牡蠣養殖に適する最大の理由は、花崗岩質土壌の中国山地の森の恵み(リンや窒素カリなど)が太田川によって運ばれ植物プランクトンが湧き、これを濾し取って牡蠣が育つから。その際ノロウィルスも濃集すると中毒症状を起こすため潮流の遅い海域の牡蠣は生食禁止。#美食地質学 #広島 #郷土料理
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日本の伝統的発酵調味料である味噌。九州では大豆と麦麹(麦+黄麹)、塩を原料とする麦味噌が主流。麹の使用割合が高いので甘めで砂糖使用の醤油と合わせて九州甘口食文化を形成。九州は概して米栽培に適していないが、麦は水はけの良い火山性土壌でも育つ。#美食地質学 #郷土料理 #九州
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神奈川の火山といえば箱根。約65万年前から活動を続ける活火山で、有名なカルデラは約20万年前から造られた。この活動的な火山は、約6万年前に巨大噴火を起こして、火砕流は横浜市まで到達、現在の東京にも20センチ近い厚さの軽石を降らせ、「東京軽石」と呼ばれる。#美食地質学 #郷土料理 #神奈川
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富山湾には日本海拡大に伴う「断裂」が入り込むので、栄養分豊富な深層水が流れ込み、背後の立山連峰から続く斜面で急速に上昇。また真水の立山湧水も上昇を加速。この上昇流に乗って、海面まで上昇して産卵するホタルイカのメスを捕獲する。だから富山湾物は他地域より圧倒的に立派。#美食地質学
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新しいマグマ溜りが固まった地球上最も若く「熱い花崗岩」。周囲の岩石より軽く浮き上がる。カルデラ形成と眼帯上昇に伴う断層が強い東西圧縮を受けて「逆断層」へと成長し、これに沿って火山全体が大回転。北アルプスは、マグマ活動と東西圧縮の合わせ技で日本の屋根に。#美食地質学 #郷土料理 #長野
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江戸に新鮮野菜を供給するために将軍綱吉は頑張った。京都西陣の八百屋の娘だったと言われる母親桂昌院(お玉さん)の影響もあり、野菜栽培を奨励する。ただ耕作不適地の台地は避け、低地や谷沿いで栽培。これが #江戸野菜 の原型。ただソバは火山性土壌でも育つ。#美食地質学 #関東ローム
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日本列島で過去12万年間に11回の超巨大噴火が発生。北海道と九州に集中する。発生確率は低いが破局的な被害をもたらす可能性がある。現状のままでは最悪の場合、日本という国家、日本人という民族は壊滅的打撃を受ける。超巨大噴火を自然災害として認識して、対応を考えることが必要。#美食地質学
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海の幸に関係深い「潮の満ち干」。この問題は結構難しく、ノーベル賞受賞者も間違った。一般的理解は(a)や(b)。気象庁の見解は(c)。いずれも「満月新月の南中時が引潮」を説明できない。正解は(d)。月の引力、月・地球回転の遠心力、それに海水の強制振動の合わせ技。詳しくはまたいずれ。#美食地質学
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日本一の酒どころ灘五郷。「男酒」と呼ばれる力強さはお江戸の老舗蕎麦屋御用達。その秘密は酵母を活性化させ発酵を進める中硬水の「宮水」。六甲山系花崗岩地帯からの鉄分を含まない伏流水が、Ca, Mgが主成分の貝殻を多く含む地層を通って湧き出す。軟水の国にあって特徴的な酒造水に。#美食地質学
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和歌山人が湯浅から伝えたと言われる銚子醤油。野田と共に関東濃口醤油の主産地。関東平野をゆっくり流れる利根川水系の水はCa, Mgを溶かし込んだ硬水系。酵母による発酵を促進し濃厚な色と香りを育む。昆布ではなく鰹など節出汁と濃口醤油(+みりん)で江戸の絶品蕎麦つゆを生み出した。#美食地質学
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駿河湾は水深が2500mを超え、日本でダントツに深い湾。湾底〜伊豆半島は松本〜北アルプスよりも急勾配の地形を作る。深海(>200m)が陸のすぐ近くまで広がるので、深海魚類がすぐ獲れる。この湾が日本一深い理由は、トラフ(海溝)が入り込み、ほぼ富士山の下を抜けて相模湾へ抜けるから。#美食地質学
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先日富山公開講座で話したこと。県酒造組合が「水が良くすっきりとした飲み応えのあるお酒」と称する地酒は、水硬度の違いでその味も多様。軟水が多いと言われるが水系により異なり、氷見や五箇山には硬水特有の芳醇な酒も。このような多様性を楽しめるのが地酒の魅力。#美食地質学 #日本酒 #富山
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広島湾がアナゴ名産地となる最大の理由は海底が泥質で、穴を掘るアナゴが暮らしやすいから。泥質堆積物が多い理由は潮流が遅いから。一方海峡(瀬戸)は潮流が速く砂質の海底となり、タイ、フグ、サワラなどの産卵地となる。これほど多様かつ美味なる魚介を育む瀬戸内海。#美食地質学 #広島 #郷土料理
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日本一広大な関東平野を悠々と流れる利根川水系、土中のミネラル分(Ca,Mg)を溶かし込む。この中硬水は昆布出汁を取るには不向きだが、酵母を活性化し力強い濃口醤油を生んだ。軟水関西では薄口醤油。私見だが関東醤油文化の最高傑作は、味わい深い蕎麦つゆと内湾東京湾穴子煮のツメ添え。#美食地質学
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瀬戸内海の栄養塩濃度低下と漁獲量減少の見事な相関。また魚は餌の減少で痩せ細った。水はキレイになったが貧栄養化が進み「豊かな海」ではなくなった。兵庫県では下水処理場排水基準を緩和し、ため池からの放水などの試みを始めた。そして昨夏、蛸がちょっと戻ってきた。これぞSDGs!#美食地質学
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現代醤油発祥地、和歌山県湯浅。鎌倉時代に覚心が宋から金山寺味噌と溜醤油を由良興国寺へ持ち帰る。近隣の湯浅の方が水質が良く醤油製造が盛んに。醤油には鉄分を嫌う麹菌の活躍が必須。由良は付加体混在岩で鉄分多い玄武岩も点在。一方湯浅は砂泥互層が後背地。地質が湯浅醤油を育んだ。#美食地質学