巽好幸(@VolcanoMagma)さんの人気ツイート(新しい順)

1
和食の成立に背景には軟水がある。ではなぜ日本列島は軟水優位なのか?その原因は「造山運動」がある。山国島国の日本では、雨水は地盤中のCa,Mgを溶かし込む間も無く流れ下る。一方石灰質地盤が多く平らな大陸はミネラル分豊富な硬水系になる。次の問題は、なぜ日本列島で山が高くなるのか?
2
軟水は昆布の旨味成分グルタミン酸を効率的に抽出する。対して硬水は昆布のネバネバ成分とCaが反応して表面に膜を形成するため旨味を抽出しにくい。一方で硬水のCa,Mgは獣臭さ(タンパク質)と結合して灰汁を作るのでこれを丁寧に取り除けば澄んで旨味のあるスープに。軟水では臭みをとりきれない。
3
#能登半島#地震。被害が最小限となることを祈ります。 いくつかのマスコミで、一連の群発地震は沈み込むプレートからの流体(水)が原因と解説していますが、その可能性は極めて低いです:news.yahoo.co.jp/byline/tatsumi…
4
特に東京へ行く度に感じる「豊かさを謳歌している感」。近い将来に受ける試練をどのように想像しているのだろう。国や行政、マスコミの意識の低さ、他人事の危機感を生み出しているのは、私たち自身の美意識的無常感、刹那的享楽主義、そして脳天気性なのか。世界一の変動帯に暮らす意味を考えたい。
5
沈み込む2つのプレートから絞り出された水が、世界一の火山大国を造る。列島に広がる黒ボク火山性土壌は一見肥沃にだが作物に必須のリンを固定する耕作不適地で、貧リン環境でも育つソバしか育てられなかった。現在美食の代表格である蕎麦は、先人たちがこの火山大国で生き抜くための救耕作物だった。
6
そもそも、地球の中にはマグマがいっぱい詰まっていると思い込んでいませんか?よく地球内部が赤く塗られているからかもしれません。でも地球内部の外核を除く大部分は固体です。つまり、火山の元となるマグマは局所的に固体が融けて発生しているのです。ではなぜ、融けるのでしょうか?
7
糸魚川ヒスイが形成された時期(5.2億年前)は、アジア大陸の一部であった日本列島の下へ初めてプレートが沈み込みだした時にあたる。ヒスイの形成は日本の大地が「安定大陸」から、火山活動や地震活動が活発な「変動帯」と呼ばれる地帯へと豹変した記録なのである。これも国石選定理由の1つ。
8
長石が変成作用によって高温高圧下でヒスイ輝石に変化した(図の赤線)のであるならば、石英が一緒に出現するはずだが、実際には石英は存在しない。代わりに沸石が存在することから、椚座さんをはじめとする日本人研究者によって、プレートの脱水反応によって形成されたと考えられるようになった。
9
その後日本各地でヒスイ輝石の集合体(ヒスイ輝石岩)やヒスイ輝石が発見された。いずれも「変成帯」に属し、地下深くまで持ち込まれた岩石が、宝石の代表格ダイヤモンドのように、高温高圧にさらされてヒスイが形成されたと考えられるようになった。
10
昭和初期まで国内にヒスイ産地が知られていなかったため、勾玉などのヒスイは大陸から来たものと考えられていた。しかし、1938年に糸魚川在住の相馬御風たちが地元の小滝川で見つけた緑色の石がヒスイであることが、東北大学の河野義礼によって確認され、1200年の時を経て日本産ヒスイが蘇った。
11
ヒスイを貴重なものとして利用したものとしては、糸魚川市大角地遺跡で発見された約7000年前の石器(叩き石)が世界最古。その後勾玉としてムラの実力者の象徴として広まったが、奈良時代東大寺法華堂(三月堂)の不空羂索観音の宝冠を最後に忽然と消えた。その理由はまだよく分かっていないようだ。
12
日本の国石が「ヒスイ」ってご存知ですか?新潟県石もヒスイで、糸魚川が一大産地です。ヒスイと呼ばれるものにはヒスイ輝石、ネフライト(軟玉)、蛇紋石などがありますが、硬度と美しさという意味で宝石と呼べるものはヒスイ輝石を主成分とする「硬玉」です。ヒスイが国石となった背景をお話しします。
13
氷見のブリは能登半島と佐渡島が作る高まりが定置網のような役割を果たして、南下するブリを富山湾へ誘い込むのです。能登半島は日本海へと突き出し、佐渡島が佐渡堆と呼ばれるような隆起域となったために、ブリは富山湾へ入ってくるのです。ハタハタ、タラ、ブリはまさに変動帯日本列島の恵みです。
14
非火山地帯に #有馬温泉 が湧出するメカニズム。古く低温のフィリピン海プレートが沈み込む九州では100-150kmで搾り出された水が火山を形成。新しく高温プレートが入り込む地帯特に近畿では、プレート周辺の水の殆どが深さ60km辺りで搾り出されて有馬温泉を形成。そのため火山はほとんど形成されない。
15
#美食地質学 が新書として出版されました。日本特有の食材や料理、和食は日本列島からの恩恵に感謝し、あるいは試練と闘いながら、変動帯の民が作り上げてきたものです。だから、これらの変動現象や人々の営みに思いを馳せながらいただくと、より味わい深くなると思います。よろしければどうぞ。
16
#タッキー も共著者の論文で発表した #鬼界海底カルデラ の海底地形図。7300年前に関東まで火山灰を飛ばした #超巨大噴火 を起こした。二重の陥没地形(カルデラ)が存在し、その内側に巨大な溶岩ドームが存在する。黄色三角印がタッキー潜水地点。
17
火山探検家としての #タッキー の記事が公開されたようです。smart-flash.jp/entame/208333
18
去就が注目される #タッキー 。一緒にお仕事をした縁で、火山探検家 #滝沢秀明 についての取材が2件も。彼がダイビングで海底の岩石を採取して、その岩石が #鬼界海底カルデラ火山 について大きな発見につながりました。これからも大好きな火山と触れ合って、笑顔で過ごされることを祈っています!
19
江戸人口集中で上質醤油や酒などは関西からの「下りもの」が菱垣廻船で運搬。中硬水醸造の灘・伊丹の高アルコール男酒は腐敗しにくく隆盛。一方軟水龍野酒は衰退。そこで発酵を抑え、乾燥気候特産品の塩や小麦・大豆と酒醸造技術を用いて1666年円尾孫右衛門が #薄口醤油 を発案。#美食地質学 #龍野
20
日本海が #カニ の生息域であるのは、2500-1500万年前に大陸から分裂移動した日本列島が日本海の冷水を貯めるため。また大陸の破片である大和堆はベニズワイにちょうど良い深さに。これらの大陸片は古地磁気(岩石に残る過去の地球磁場の化石)を頼りに戻すとジグソーパズルが完成。#美食地質学
21
硬水vs軟水の代表格が #醤油。関東濃口は石灰岩由来のCa, Mg多い利根川水系の水。一方湯浅・小豆島は軟水でじっくり熟成。たつの薄口は軟水で発酵が遅いことを逆手にとって塩を加え発酵を止めて甘酒でまろやかに。地質由来の水の違いが関西昆布出汁淡口vs関東カツオ出汁濃口文化を育む。#美食地質学
22
#ちむどんどん もそろそろ終わり。琉球料理の本質はサンゴ礁の硬水に根ざす事。典型が生搾りの島豆腐や沖縄そば。そば出汁は硬水Ca,Mgが豚の生臭い成分(タンパク質)を灰汁として取り去るのでコクがあり旨い。この旨さは川崎や大阪大正区の水では出せない。奥の手はエビアン使用。#美食地質学 #沖縄
23
関東ローム層3部作完結編。関東ロームは火山灰でない。ツイートよりは字数の関係もあり少しはきちんと紹介できました。よろしければど〜ぞ。 news.yahoo.co.jp/byline/tatsumi…
24
先日富山公開講座で話したこと。県酒造組合が「水が良くすっきりとした飲み応えのあるお酒」と称する地酒は、水硬度の違いでその味も多様。軟水が多いと言われるが水系により異なり、氷見や五箇山には硬水特有の芳醇な酒も。このような多様性を楽しめるのが地酒の魅力。#美食地質学 #日本酒 #富山
25
みなさんの関心が高かった「蕎麦と火山」の関係。140字ではあまりに短いので、Yahoo個人ニュースに公開しました。よろしければご覧ください。#美食地質学 #蕎麦 #火山 #黒ボク土 news.yahoo.co.jp/byline/tatsumi…