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「春から夏へ」
季節は常に 移ろいて
春から夏も
駆け足で
端午の節句
過ぎたなら
暦で立夏 最早初夏
五月の空に 風薫り
青葉若葉の
芽吹く頃
木立を撫でる
涼風に
木の葉が揺れて ソヨソヨと
清々しきは 野も山も
川も海もが
キラキラと
春の日名残る
五月雨は
降りつ止みつを 繰り返し
#詩紺碧
28
「常夏の人」
僕の知らない遠い島
ブーゲンビリアが
咲くという
寒さ知らない
常夏の
遥か南に在るという
君が生まれて今も住む
風光明媚な
青い島
珊瑚の海の
人魚姫
もしや君かと思いきや
白い砂浜海見つめ
ハイビスカスも
咲くという
リボン代わりに
付けたなら
お似合いだろう君の髪
#詩紺碧
29
「恋の行方」
いつか誰かが言っていた
恋は魔物で
厄介と
楽しさなんて
脆いもの
時に苦しみあるんだと
現を抜かした恋ならば
何も言うまい
語るまい
どうせ聞く耳
持たぬだろ
蚊帳の外から眺めよう
もしも失恋したとても
愚痴を溢して
嘆くなよ
切れた縁だと
諦めて
笑顔で消しなその炎
#詩紺碧
30
「君よ」
遠くの君に逢えたなら
抱いて上げよう
この胸に
きっと君の
ことだから
瞳潤ませ泣くだろう
忘れはしない君のこと
指切り拳万の
細い指
胸寄せ合った
時めきを
何で忘すれるこの僕が
二人に翼があったなら
一緒に空を
翔びながら
僕の住んでる
都会まで
来てはみないか今直ぐに
#詩紺碧
31
「村のアイドル」
何年経っても忘れない
三つ編み長い
可愛い子
君はアイドル
輝いた
僕らのあこがれ村娘
時にアイドル歌ってた
小高い丘の
一里塚
梢が風に
サワサワと
リズムを奏で聞こえてた
僕が旅立つその日には
見送りくれた
アイドルの
潤んだ瞳
しょんぼりと
陽炎揺れて恋揺れて
#詩紺碧
32
「恋の欠片」
いつか壊れた恋だけど
欠片がひとつ
残ってた
繋いだその手
温もりが
欠片の中に残ってた
欠片はぽつり呟いた
ほかの欠片に
会いたいと
そうかと僕は
目を閉じた
僕も逢いたいあの人に
二人の恋が戻らなきゃ
罪ない欠片が
可哀想
僕らに撚りが
戻ったら
欠片と僕に燃ゆる夏
#詩紺碧
33
「果てなき青春」
青春とはと問うならば
心に若さ
ある限り
幾年その身
重ねるも
青春なりと答うなり
めざす航海幾海里
青春名乗る
者ならば
血潮は滾り
湧きいでて
舵取り怒涛越えらるや
愛や恋やの青春は
一喜一憂の
夢語り
望み叶わず
潰えても
燃ゆる気迫は永遠なるや
#詩紺碧
34
「素敵な女性たち」
君は可憐な山の人
残雪脇の
イワカガミ
僕のピッケル
見つめては
ヒラヒラ蝶に揶揄われ
君は麗し海の人
しあわせ運ぶ
サクラ貝
渚でポッリ
僕を待つ
コロコロ波と遊びつつ
君は淑やか里の人
都会を知らぬ
ユリの花
僕の帰りを
ジッと待つ
ユラユラ風の便り待ち
#詩紺碧