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「あの夏」
もしも僕が鳥ならば
過ぎた夏の日
追いかけて
南に向かい
飛ぶでしょう
海原見下ろしただ一路
はるか南の砂浜で
あの夏の日を
見つけたら
直ぐに思い出
探すでしょう
あの日の君とあの海の
やがて夏が暖流と
ともに日本に
向かうなら
僕も一緒に
帰ります
思い出連れて君連れて
#詩紺碧
28
「夢を見た」
夢を見ました 君の夢
可愛い笑顔の
夢を見た
くれない春の
陽のような
ほのぼの君の 夢を見た
夢を見ました 旅の夢
優しい君と
旅をして
春の日差しの
長閑さに
君と同じと 知った夢
夢を見ました 嫁ぐ夢
綺麗な君の
嫁ぐ夢
潤ませ
僕を見て
花嫁衣裳で 行った夢
#詩紺碧
29
「望郷」
都会の街に 憧れて
上京しては
みたけれど
喧騒渦巻く
人の波
右住左住の 日々ばかり
ビルの谷間に 囲まれて
この身を削り
幾年か
望みは叶わず
街角で
故郷をしのび 空あおぐ
華やぐ心は すでになく
望郷の念は
募るのみ
遠い故郷の
父母の
老いは如何にと 泪する
#詩紺碧
30
「人生街道」
苦しいだとか辛いとか
不平不満や
愚痴ばかり
言っていないで
腹据えて
元気に歩こう前向いて
生きてる限り人間の
歩む道には
苦難あり
平々凡々
いいけれど
苦難に勝てば輝くさ
性根を据えて歩くなら
たとへ躓き
転んでも
立ち上がれるさ
君ならば
人生街道なんの其の
#詩紺碧
31
「お月様」
広い夜空のお月様
独りぽっちで
淋しかろ
泣いたあの子も
今夜から
独りぽっちさ 恋失くし
あの子の家の屋根の上
冬の十五夜
お月様
あの子を明かりを
注いだら
似た者同士と 包みなよ
やがて薄れるお月様
独りのあの子を
思うなら
月の女神や
かぐや姫
合わせて夢を 語りなよ
#詩紺碧
32
「妖精」
頃は錦秋の 山の里
黄金のリボンの
女の子
木の葉を眺め
微笑んで
なぜに独りで 森の中
木の葉が風に 揺れる時
真っ赤なモミジの
樹の下で
あの子が踊る
ヒラヒラと
木の葉が風に 舞う様に
やがて枯れ木の 森の中
カサコソ落ち葉と
戯れる
夢か現か
幻か
もしやあの子は 妖精か
#詩紺碧
33
「春の夢」
夢を見ました 春の夢
桜の花の
木の下に
少女の儘で
変わらない
お下げの髪の君が居た
僕に気付いて
駆けて来る
桜の花びら 身に纏い
すでに薄れて いた筈の
里の景色や
お下げまで
昔の儘でよみがえり
帰っておいで と
ささやいた
長閑な春の
夢を見た
可愛い君の 夢を見た
#詩紺碧
34
「星空に泪」
私永遠に 生きたいと
言ってた君は
なぜ死んだ
美人薄命と
言うけれど
数奇な運命 君までも
あの日嵐が 来なければ
あの日あの道
避けてれば
今頃君は
しあわせに
星空眺めて 僕のそば
儘にならない 運命に
翻弄されて
星となり
見つめているのか
僕のこと
瞬きながら 何年も
#詩紺碧