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「秋の里」 錦秋の里は 透き通り 日差しは白く 降り注ぐ 温もり遠き 父母よ クヌギに泪の 我が家跡 連なる山の 頂の 先は紺碧 秋の空 友らを思いて 名を呼べば 声の限りの 木霊かな 黄昏なれば 鳴く虫の 悲しさひびく 幾年か 思い出だけの 山里に ポツポツ灯る 軒明かり #詩紺碧
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「あの夏」 もしも僕が鳥ならば 過ぎた夏の日 追いかけて 南に向かい 飛ぶでしょう 海原見下ろしただ一路 はるか南の砂浜で あの夏の日を 見つけたら 直ぐに思い出 探すでしょう あの日の君とあの海の やがて夏が暖流と ともに日本に 向かうなら 僕も一緒に 帰ります 思い出連れて君連れて #詩紺碧
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「夢を見た」 夢を見ました 君の夢 可愛い笑顔の 夢を見た くれない春の 陽のような ほのぼの君の 夢を見た 夢を見ました 旅の夢 優しい君と 旅をして 春の日差しの 長閑さに 君と同じと 知った夢 夢を見ました 嫁ぐ夢 綺麗な君の 嫁ぐ夢 潤ませ 僕を見て 花嫁衣裳で 行った夢 #詩紺碧
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「望郷」 都会の街に 憧れて 上京しては みたけれど 喧騒渦巻く 人の波 右住左住の 日々ばかり ビルの谷間に 囲まれて この身を削り 幾年か 望みは叶わず 街角で 故郷をしのび 空あおぐ 華やぐ心は すでになく 望郷の念は 募るのみ 遠い故郷の 父母の 老いは如何にと 泪する #詩紺碧
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「人生街道」 苦しいだとか辛いとか 不平不満や 愚痴ばかり 言っていないで 腹据えて 元気に歩こう前向いて 生きてる限り人間の 歩む道には 苦難あり 平々凡々 いいけれど 苦難に勝てば輝くさ 性根を据えて歩くなら たとへ躓き 転んでも 立ち上がれるさ 君ならば 人生街道なんの其の #詩紺碧
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「お月様」 広い夜空のお月様 独りぽっちで 淋しかろ 泣いたあの子も 今夜から 独りぽっちさ 恋失くし あの子の家の屋根の上 冬の十五夜 お月様 あの子を明かりを 注いだら 似た者同士と 包みなよ やがて薄れるお月様 独りのあの子を 思うなら 月の女神や かぐや姫 合わせて夢を 語りなよ #詩紺碧
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「妖精」 頃は錦秋の 山の里 黄金のリボンの 女の子 木の葉を眺め 微笑んで なぜに独りで 森の中 木の葉が風に 揺れる時 真っ赤なモミジの 樹の下で あの子が踊る ヒラヒラと 木の葉が風に 舞う様に やがて枯れ木の 森の中 カサコソ落ち葉と 戯れる 夢か現か 幻か もしやあの子は 妖精か #詩紺碧
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「春の夢」 夢を見ました 春の夢 桜の花の 木の下に 少女の儘で 変わらない お下げの髪の君が居た 僕に気付いて 駆けて来る 桜の花びら 身に纏い すでに薄れて いた筈の 里の景色や お下げまで 昔の儘でよみがえり 帰っておいで と ささやいた 長閑な春の 夢を見た 可愛い君の 夢を見た #詩紺碧
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「星空に泪」 私永遠に 生きたいと 言ってた君は なぜ死んだ 美人薄命と 言うけれど 数奇な運命 君までも あの日嵐が 来なければ あの日あの道 避けてれば 今頃君は しあわせに 星空眺めて 僕のそば 儘にならない 運命に 翻弄されて 星となり 見つめているのか 僕のこと 瞬きながら 何年も #詩紺碧