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山行き弁当
大谷家の男衆は山に泊まりこむことはしないが、よほどの雪や雨でないかぎり、秋から続く焚き木樵り、炭木の切り倒しや炭焼きなどに、毎日弁当持ちで山へ入る。
『聞き書 奈良の食事』 十津川郷の食より
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夏の夕食
ごはんはひえ飯だが、こしもの塩煮を常におき、ごはんの食い助けにする。汁は昼の残りもの、お菜には、大豆とさんしょ(さんしょう)を煮る。さんしょ独特の味わいが豆とあいくさになり、食欲をそそる。
『聞き書 岐阜の食事』 奧揖斐(徳山)の食より
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田植えの晩のごちそう
六月は田植えが大仕事である。馬使い、鍬じろ、綱引き、苗運び、植え手、茶わかしと、手伝いの人を二〇人も雇い、それぞれ仕事を分担する。
『聞き書 宮崎の食事』 米良山地の食より
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どじょう汁
田植えも終わり、汗で顔が光るころになると、綾歌郡羽床村あたりでは、そこここで、うどんとどじょうを入れたどじょう汁づくりがはじまる。どじょうは産卵期前の六月から七月にかけてが一年中で一番おいしい。
『聞き書 香川の食事』 さぬき平野の食より
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田植えの午前の小昼
忙しい時期であるだけに、村でいっせいに休む日の「ふれ」がまわる。からす祭り、たなおろし休み、田打ち休み、田植え休みである。
『聞き書 岩手の食事』 県央の食より
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わにの刺身
わには食膳によく出る。桜色をしたわにの刺身は、村祭り、正月、普請、祝言などの祝い膳にはなくてはならないもので、ふだんにも食べる。この地方では一番親しみのある刺身である。一般にふかとかさめと呼ばれるものを、ここではわにと呼ぶ。『聞き書 広島の食事』備北山地の食より
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冬の山弁当
男は二食弁当(二食分、約三合のごはんが入る弁当箱)を持つ。炭焼き窯のふちにのせておくと、温かいごはんが食べられる。ごはんを残しておき、おなかがすいたときにおやつがわりにすることもある。
『聞き書 大阪の食事』 南河内山村の食より
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かしわもち
米粉を湯でこねてせいろで蒸す。蒸しあがったら、臼に入れて搗き、一口くらいにちぎって丸く平たくのばし、あんを入れ、かしわの葉で包んでもう一度蒸す。米粉によもぎを入れたものもつくる。
『聞き書 兵庫の食事』 丹波の食より
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正月三が日の雑煮
雑煮は、元日は澄まし汁仕立てで、するめ、はまぐり、皮くじら(くじらの皮つきの脂身)、ごぼう、白板(かまぼこ)、大根、にんじん、ねぶか(ねぎ)が入り、もちは別のなべでゆでて入れる。
『聞き書 兵庫の食事』 播磨山地の食より
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畑仕事の弁当と茶樽
三月に入ると寒さもゆるみ、野良仕事が活発になる。彼岸を前後に、とうもろこしの種播きが行なわれる。
とう菜(水菜)摘みもはじまり、四斗樽に踏みこみながら、盛んに塩漬をする。
『聞き書 静岡の食事』 富士山麓の食より
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焼きもちの腰巻き弁当
朝、いろりの縁にもちを立てかけておくと、むっくりと焼けるので、とち、よもぎ、きびなどの入ったもちを並べかけて焼く。この焼きもちに黒砂糖や味噌を挟み、一尺くらいに切ったこんぶで包む。
『聞き書 滋賀の食事』 鯖街道朽木谷の食より
knowchi.jp/archives/3659
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いももち
秋の一番おいしい間食。もち米五合にさつまいもは大一個。
もち米はせいろで四〇分くらい蒸す。さつまいもは一口大に切り、皮をむき、ゆでておく。もち米とせいろで一緒に蒸すこともある。
『聞き書 三重の食事』 紀伊山間の食より
knowchi.jp/archives/3544
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山行き弁当
山へ行くときは、めんつ(曲げもの)、柳ごおりなどの弁当箱に麦飯と漬物くらいを入れていく。行商人が持ってくる干しめのは(干しわかめ)を少し持っていくこともある。
『聞き書 島根の食事』 江の川流域の食より
knowchi.jp/archives/3937
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農家の自家増殖、原則禁止に意義あり!
これまで雑誌で取り上げてきたシリーズを読む事ができます。
#種苗法 について興味を持った方はぜひお読み下さい。 ruralnet.or.jp/s_igi/
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春の夕食
農作業が終わるとへとへとに疲れ、野良からの帰りには両足がふるえる。夕食のしたくはおっくうである。朝と同じに、ごはんと味噌汁を炊く。おかずにはあまり手間をかけず、買ったものが多くなる。
『聞き書 茨城の食事』 県央畑作地帯の食より
knowchi.jp/archives/3879
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夏のようめし
ようめしは米の飯、味噌汁、塩さばを焼いたもの、つくだ煮、どぶ漬のきゅうり、トマトなどであるが、ときには冷やむぎをつくる。
『聞き書 山梨の食事』 笛吹川上流の食より
knowchi.jp/archives/3989
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田植えのたばこ
五月よいこで初田植えの日には、おふかしをつくってお田の神さまにお神酒とともにお供えする。田の水口にもお神酒をたらして拝む。
『聞き書 宮城の食事』 仙北・大崎耕土の食より
knowchi.jp/archives/3984
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春の昼
暖かくなってくると、天気さえよければ男はほとんど畑に出ている。力仕事をする男たちのために、昼は必ず何か煮ものをする。じゃがいもの味噌炒めも昼のおかずによくつくる。
『聞き書 埼玉の食事』 大里・児玉の食より
knowchi.jp/archives/4012
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春の朝飯
「仕事が食べる」といわれるように、からだを使う男たちは五合飯を食べる。三升釜いっぱいに炊く麦飯にあわ、ひえを入れて変化をつける。
『聞き書 神奈川の食事』 足柄山間の食より
knowchi.jp/archives/3866
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山仕事の弁当
山仕事のお弁当には、麦飯を炊いてめんつ(曲げものの弁当箱)かやなぎごり(柳で編んだ弁当入れ)に二食分入れて持って行く。麦飯をめんつのふたのほうにも詰め、両方からぎゅっと押しこむ。
『聞き書 徳島の食事』 祖谷山の食より
knowchi.jp/archives/3870
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冬の昼の山弁当
水樽、おひつ、おかず(梅干し、らっきょう漬、塩さばの焼き魚、たくあん、味噌漬)をしょって行く。
『聞き書 神奈川の食事』 小田原(片浦)海岸の食より
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冬の朝食
朝は年中おかい(茶がゆ)を炊く。耳(つば)のある大釜に茶袋に入れた粉茶を炊きだし、洗った米を入れて炊く。茶は上等でないほうが色がよく、かゆはさらさらしているのがおいしい。
『聞き書 大阪の食事』 大阪町場の食より
knowchi.jp/archives/3758
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冬の昼飯
ごはんを炊くのは昼だけで、麦だけのごはんである。昭和になり、呼子町の精米所でしゃぎ麦(押し麦)ができるようになったので、麦搗きもしなくていいようになり、炊くのも楽になった。
『聞き書 佐賀の食事』 玄界灘沿岸の食より
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