1
2
「空想妄想の恋」
逢えない恋と知りながら
何でするのか
お二人は
空想妄想
飛び出さず
成せばその恋有りなのか
空想妄想の恋ならば
霞の中の
結びつき
僅かな文字に
込める愛
波動が脈うつ恋なるや
愛だ恋だはいつの世も
順風満帆
もの成らず
空想妄想
また然り
右往左往はするなかれ
#詞紺碧
3
「春のように」
冷えた心に春が来て
桜の花も
咲きました
ネガティブ何か
もう捨てて
踊って魅せます春の舞
花を揺らしてそよぐ風
心の傷を
撫でながら
長閑な温もり
呉れたから
私なります春のよう
桜はやがて散るけれど
私の心は
散らないで
爛漫春に
輝いて
咲いていますよいつの日も
#詞紺碧
4
5
「渋柿の味」
おかっぱ頭の 女の子
思い出します
深い秋
もぎ取り落とした
渋柿を
知らずに齧り 泣いた顔
やがては移ろう 山里は
今が錦秋の
真っ最中
今年も小鳥が
渋柿を
啄み鳴いて いるような
秋は足早に 駆け抜けて
間もなく山野は
辛子色
泣き虫おかっぱ
故郷へ
甘柿食べに 帰らぬか
#詞紺碧
6
「悔い」
いつか僕を見たならば
声を掛けて
くれないか
もうあの頃に
戻れぬが
忘れて何か居ないから
あの頃僕は無知だった
世間知らずが
強がって
意地を通して
別れたが
失くして知った大切さ
知らぬ仲ではない二人
時にお茶でも
飲まないか
君が許して
くれるなら
笑って話そう過去の事
#詞紺碧
7
「日記帳・花栞」
秋日が注ぐ 縁側で
少女の頃の
日記帳
開いて中を
見たところ
花栞ひとつ 残ってた
お別れあの日 その中で
乱れた文字と
泪あと
花の栞は
知らぬ気に
何も語らずに 眠ってた
秋も深まり ホロホロと
木の葉は散って
終うけど
閉じる日記の
ひと頁
栞は無口で 何時までも
#詞紺碧