むかしむかし、ある銀行の小さな支店で課長さんが部下ガチャを引きました。 「いい部下こいよ、つかえる部下こいよ」 彼が引いたのは有名な地元企業の創業家の嫡男でした。縁故採用は珍しくもなく、本人の能力を勘案してもノーマルレア。どうせいつか辞める、正直いらない子でした。 #陰湿金融文学
むかしむかし、ある支店に、本部の調査役から人生初の管理職になったばかりで、メンタルペニスがバキバキに勃起した課長がいました。あるとき課長のもとに、窓口という女の園で陰湿な指導を受け続け、使い古されたミニ四駆のギアみたいに感情がすり減ってしまった若者が着任しました。 #陰湿金融文学
むかしむかし、ある銀行支店に課長と支店長代理がいました。毎日、課長は支店長にしばかれて、支店長代理は課長にしばかれていました。なぜなら、その支店では新規先の開拓が全く出来ていないからです。 #陰湿金融文学
むかしむかし、ある信用金庫に新人職員が配属されました。 1年間窓口で預金・為替業務を担当した後に、2年目で営業担当になりました。就職説明会や新人研修では丁寧なOJT(On the Job Training)で徐々にお客さまの顔と仕事を覚えればいいと説明を受けていましたが、実際には引継ぎと #陰湿金融文学
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今回は初めて陰湿金融文学に挑戦してみました。 陰湿金融文学の趣旨とちょっと違うかもしれませんが、よろしくお願いします。 全20ページで少し長くなってしまったんですが、お時間のある方は是非読んでみて下さい。 #陰湿金融文学 #しんきんのえほん #信用金庫銀行 #銀行あるある
むかしむかしコロナ禍前のおはなしです。それは、役員を招いたクリスマスパーティのことでした。いつもはしかめっつらの役員もその日はご機嫌です。それもそのはず、クリスマスパーティとは名ばかり、本部部署による役員の接待パーティだからです。 #陰湿金融文学
えー、宴もたけなわではございますが、みなさん、ご注目いただけますでしょうか。できれば支店長もご参加のうえ、お言葉をいただきたかったのですが『転職してゆく裏切り者にオフィシャルな送別会など開かない』それが当行の掟ですので、同期の私から佐藤くんに送別の言葉を贈ります。 #陰湿金融文学
To:五反田支店/全員 From:佐藤貴之 Time:2022年12月14日 17:09 subject:退職の挨拶 お疲れ様です。法人営業課の佐藤です。 夕方のお忙しい中、申し訳ありません。一身上の都合により退職することになり、有給休暇取得の関係で本日が最終出社となりました。 #陰湿金融文学
ある銀行の事務部門によい再雇用おじさんとわるい再雇用おじさんがやってきました。よい再雇用おじさんは超富裕層向けプライベートバンカーとして、わるい再雇用おじさんは海外拠点の日系大企業担当として、それぞれ華々しい成果を上げてきました。みな二人の働きぶりに興味津々です。 #陰湿金融文学
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#陰湿金融文学 拝啓 内定〜入行直後の何もわかってない頭でっかちの甘ちゃん(私)へ これから綴ることはあまりにも恥ずかしくて目を背けたくなるでしょう。願わくば君に届き、この悲(喜)劇が回避できんことを。届かないとしても、同じ目に合う方が一人でも減ることを祈って、筆を執っています。
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誰も何の効果も実感していませんが、何せハーバード大学が提唱しているのです。きっと何かいいことがあるに違いありません。 今日も新卒採用に向けた会社説明会で男性行員も羨むキラキラキャリアの女性管理職(独身)が、女性活躍を謳っています。 おしまい🌸 #陰湿金融文学
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むかしむかし、ある銀行がありました。そこでは、働き方改革の一つとして、女性活躍推進が掲げられました。国ごとの産業構造の違いなどを考慮しているのかもわかりませんが、ハーバード大学が提唱し、日本政府が推進する「女性管理職3割」を銀行でも目指すことになりました。 #陰湿金融文学
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すぐに忘れてしまいました。そして、そのやりとりを聞いていた新しく着任した若手は(よし、ムリ!)と退職の意志を固めるのでした。 おしまい🌸 #陰湿金融文学
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むかしむかし、ある銀行本部に課長がいました。課長は銀行内で常に上位20%に入る成績優秀者です。銀行では、若者の退職が留まることを知らず、経営課題の一つとなっていました。 課長は、退職者を減らすためのプロジェクトチームに抜擢され、リーダー役をすることになりました。 #陰湿金融文学
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本部は、研修を増やしました(おかげで、支店の取引先訪問時間がさらに減りました)。 支店長は今年度の目標を達成することでいつも頭がいっぱいでした。 そして、これからの業績表彰パーティーでも、取引先のことも案件も知らない担当者が表彰され続けるのでした。 おしまい🌸 #陰湿金融文学
私は360°評価を許さない。この制度によって同期を一人失った。何も知らなかった私は部下が上司を評価できる民主的な制度だと思っていた。実態は上司への忖度ができない不届き者を炙り出すための悪魔のツールだった。銀行の360°評価とは現代における踏み絵であり魔女狩りである。 #陰湿金融文学