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近年、実写版デビルマンを理解するにあたって重要な情報が発覚しました。それは 「実デビの元々の予算は3億であり、後に7億が追加で投入されて結果10億になった」 というものです。 #実デビ雑考
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なんか貧相な映像とやたら豪華なCGが混在している理由がこれで説明できますが、それよりも重要な推理が可能となります。 3億円は映画の予算としてはごく平均的な金額です。すなわち、 「少なくとも企画の発足時点では、東映からもさほど期待されてはいなかった」 という事になります。 #実デビ雑考
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製作費10億の大プロジェクトになぜ那須監督が抜擢されたのかは長年の謎でしたが、そもそも当初は普通の規模だったとなれば簡単に説明がつきます。 #実デビ雑考
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一部で語られていた「那須監督が持ち込んだ実写版セーラームーンの企画がバッティングによって不可能となった為、その代わりにデビルマンの企画が発足、監督となった」という説に対し、私は懐疑的な立場でしたが、こうなるとこの説も現実味を帯びてきます。 #実デビ雑考
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これは真偽不明の怪情報になりますが、本社試写室でテストフィルムの試写を観た東映のお偉いさんが唖然&激怒。「こんなもの上映したら東映の沽券に関る」とばかりにやり直しを命じ、上映延期となったそうです。 本当だとすれば、追加予算の大半はこのタイミングで投入されたのでしょう。 #実デビ雑考
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これらの経緯を以って作品自体の擁護をしたい訳ではありませんが、「何故ああなったのか」を理解する為の強力な補助線になると思います。 #実デビ雑考
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そして、予算3億という情報を踏まえると、脚本会議で七転八倒の末に出たという「原作通りのシナリオで作ればいい」アイデアに対しても、今までとは別の感想が浮かんできます。   できるわけがない。 #実デビ雑考
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Pや監督が特撮・CGに精通していてクレバーに予算をやり繰りできるタイプであればまだ可能性はあったかも知れませんが、残念ながら那須監督は“生身のアクションに拘り、コンテ通りを良しとせずひたすら体力勝負で理想のカットを撮る”という正反対のタイプでした。 #実デビ雑考
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ともあれ、那須監督はほぼ不可能と言っていい難題に立ち向かい、撮り切った。   結果、ダメだった。 #実デビ雑考