1
2
学校帰り。尾丸と一緒に入ったラーメン屋。
彼女は髪をかきあげながら麺を鷲掴んだ。
「いただきます。」
その仕草はまるで、人口知能が描いた絵みたいで…。
(そっか…オレ…尾丸のこと…、)
胸が高鳴った。
セミの声が聞こえる。夏はまだ始まったばかりだ。
#絵まる
#存在しないポルカとの記憶
3
「GI編でツェズゲラがね!」
楽しそうに語る尾丸。ふと彼女の髪についたガチアサリに気づいた。
今日もマンメンミだな、と伸ばした手が不意に触れてしまった。
「あ…。」
尾丸は驚き、そして顔を伏せた。
頬が赤く染まったのはインクのせいだろうか、それとも…。
#絵まる
#存在しないポルカとの記憶
4
「おあおる(OHAPOL)~!」
背中を叩かれ振り向くと、はんぺんを咥えた尾丸がいた。
挨拶を返し何はんぺんなのか問う。
尾丸は必死に咀嚼し飲み込んだ後、
「わかんない!多分普通の!」
と破顔した。
その眩しさに心のはんぺんがぷるりと揺れた気がした。
#絵まる
#存在しないポルカとの記憶
5
どこか落ち着く畳の香りがする一室。
尾丸が楽しい着物を着て座っている。
「じゃあゲーミングリュウグウノツカイ華道するから見ててね。」
彼女は美しい所作でゲーミングリュウグウノツカイを活け始めた。
普段と違う尾丸のお淑やかな姿に、しばらく見惚れていた。
#絵まる
#存在しないポルカとの記憶
6
沖合、尾丸は泳ぐセフィロスのように海の上に座っている。
「もぉ~!早くこっちおいでよ~!」
夏の日差しが彼女の水着姿を眩しく照らした。
夏はまだ始まったばかりだ。
#絵まる
#存在しないポルカとの記憶
7
「…召し上がれ。」
ポルカの作ったマヨネーズ汁を飲む。
美味しい…が、妙な違和感を感じる。
マヨネーズは飲み物である。
常識だ。何も間違ってない。
だが、なにか奇妙だ。
「お味噌があれば…。」
彼女は小さく呟いた。
”味噌”?
”ミソ”って一体なんだろう。
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#存在しないポルカとの記憶
8
尾丸と談笑する放課後。つい内腿に目が行く。
「ポルカのこと、そういう目で見てるんだ?」
「こ…これは…。」
「って誤解されるよ?ここまでがワンセンテンスだ。宜しいか?」
彼女は悪戯っぽく笑う。
外で井筒さんが火を吹いている。今年の夏は暑くなりそうだ。
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#存在しないポルカとの記憶