「なつぞら」第1話、駆け上がる2人と牛や空襲のアニメーションは普段は流れません。ビデオ録画された方はなるべく消さないで時折見返していただけたら嬉しいです。opをドラマではタイトルバックと呼ぶのもこの仕事で知りました。長いバージョンはまた来週の月曜に流れます。両方楽しんでくださいね。
すごくすごく大切なお話。ご本人にとっては苦い思い出なはず。胸が痛くなるくらい切ない。でもそういう無言の、取り返せない厳しさが現場にはあるという事を伝えてもらえる良いエピソード。誰かのせいにせずに仕事をする事の重さに身が引き締まります。遠藤さん、教えてくださって感謝いたします。 twitter.com/T35endou/statu…
アニメ私塾、室井康雄さんの最新刊はなぞりながら描き方を攻略するドリル本。最速本より前段階の人におすすめしたい本かな、と感じました。お習字で御手本をなぞる練習法がありますが、そのお絵描き版。自分の描くキャラが何かどこか変と思ったらこの本のアドバイスが響きます。宝島社から1500円+税。
賛同してくださる方だけでも、この瞬間にも痛みと戦っている負傷者の方々に「治りますように」という祈りを送りませんか。身体も心も傷ついた仲間を少しでもいたわりたい。怒りや憎しみのマイナスな気持ちをプラスな気持ちに転化させたい。助かった命を愛おしみたい。自己満足かもしれないけれど。
知る限りのジブリ作品ではタイムシートはベタ打ちが主流でした。基本は紙でパラパラして動きを確認する前提で作業するから最初から乱れ打ちはしない事が暗黙のルールでマナーなのです。物足りない時の応急処置で監督が乱れ打ちの指示を出していたものでした。ベタ打ちのシートは見易く美しいです。
「なつぞら」第一回目をご覧いただきありがとうございます。関わってくださった全てのスタッフの皆様、そしてスタッフリストのツイートを引き受けてくださった叶精二さんに心から感謝を捧げます。刈谷仁美の仕事をより魅力的に出来たのはスタッフ全員の力があってこそ。今後とも応援お願い致します。
なつぞら放映もあと少しで終わりますが最終話までおつきあいいただけたら嬉しいです。俳優さんが全て撮影アップしてもドラマ制作の現場ではまだまだ作業が残っていて実はスピンオフ作品にも違うアニメーションが少し出てきます。本編が終わっても、まだお楽しみが残っている事をお伝えしておきますね。
アニメーション作品はトップクリエイターがいれば成立しているように見えますが違います。ユニットまたはチームなのです。完全な人などいません。プロデューサーであれ監督であれ、お互いに欠けている部分を補い合っているのです。そして輝く人の後ろには必ずそれを支えるスタッフが隠れているのです。
朝日が昇るのに、なぜ影が長くなるのか?山に囲まれた地域では山間の奧から太陽が昇って来るので、太陽が見える瞬間、日差しが麓まで差し込んでいき、影が長く伸びる現象が起きます。過去のアニメーションでも用いられている表現で、その後太陽は上昇していくので影は次第に短くなっていくそうです。
明日はもう少し長いバージョンが流れます。才田俊次さんは暴れる牛と野犬。佐藤好春さんは牛をなだめるソラやビリビリのレイ。柴田由香さんは冒頭の馬車や雲雀。丹羽弘美さんはソラの手を振り払うレイ。石田祐康さんは明日までのお楽しみにとっておきましょう。明日の視聴もよろしくお願いいたします。
消費者にならない。これから作品を生み出そうとしている方は、誰かまたは何かの大ファンであることを一旦卒業しましょう。消費者にならないというのは、お買い物だけのことではありません。今まで好きだったものたちを礎にしながらも、今度は自分が新たに創り出す段階に来たのです。
動画時代を無駄と切り捨てる事には疑問を感じています。動画として原画をトレスしながら原画の描き方、タイムシートの作り方のセオリーを学ぶ、大切な時間だから。原画になったらルールを自分で創作していいと勘違いしてはいけない。原画集を眺めるだけでは得られない何かが動画時代に培われるのです。
予告です。「三代目カポネ」の企画書がなつぞらに登場しました。今後チラチラ見える大切な小道具の一部はわたしのテレコムアニメーションフィルム時代の後輩に当たる方々に特別にお願いしました。後輩と言っても、お二人ともスゴイ、スバラシイ方々です。今から予想してみてください、お見逃しなくね。
自尊心と戦えるかどうか。自分の力不足に気づいた時に足元がグラグラします。苦しい、逃げたい。楽して真の成功はありません。出来ていない事に向き合うのです。他人に嫉妬して苦しいのは皆同じ。出来ない事を愚直にひとつずつ練習して乗り越えるのです。自虐的ですが、続けられたらきっと成功します。
早逝されたアニメーション監督の今敏さんの絵コンテが復刊ドットコムから複数出版されています。遥かな高みに思うかもしれませんが、目標は高いに越したことはありません。併録されたスタッフインタビューも必見。演出や絵コンテの勉強のための教科書にもなると思います。
望遠レンズの圧縮効果と広角レンズの遠近感、伝えたいことが伝わる使い方 itmedia.co.jp/news/articles/… このカットは望遠だね、広角だねと話題を振られた時のために今から予習を。作例がありとてもわかりやすい解説です。一眼レフと生身の人間の見え方は違うという事は念頭に入れて使い分けしてください。
タイトルバックのコンテで迷いの森に入った刈谷仁美と私に、制作統括の磯プロデューサーから「アニメーションだからこそ出来る表現で描いてほしい」とアドバイスをいただきました。実写映像は色々制限があり手間や予算がかかり過ぎて不可能だけれどアニメーションなら出来る事。4月1日、見てください!
誰かに教えてもらえるのをいつも待っていませんか。他者からの教えは「気づき」で深く学ぶのは自分でするものです。自分で調べて実践して失敗もしてから成功、までがワンセット。手軽なマニュアルを求めていると浅く終わります。きっかけをもらえたら自分で色々試す、それを苦にしない人が成功します。
水に関わる用語。立波、立浪(たちなみ、たつなみ)、波頭(なみがしら)水しぶき、水玉(水の粒)、水のひも、泡、吃水線(船の水面との境目の線)。水のエフェクト作画の時に波の部分名称を知っておくと便利です。人により細かな解釈はありますが、どれを指しているか伝われば良いのです。 twitter.com/808Towns/statu…
制作の方へ。沢山描きこみがある動画や仕上げにはプレミアをつけてもらえませんか。外で切る食事の領収書を何回か減らしてはどうでしょう。固定給や拘束料をもらえる立場になって、大切なことを忘れてしまっていませんか。制作管理とは何か、改めて考えてほしいのです。
今回、ドラマの仕事に関わらせていただいて思う事。ジャンル問わず色々な事に興味を持ってください。それまで無駄知識に思えた事も意外と役に立ちます。変わった依頼が来た時には思い切った発想力が必要です。自分の中に妄想の泉を隠しておきましょう。点と線が繋がる事がこれまで何度もありました。
平面に絵を描く意識ではなく、空間に存在するイメージを切り取る感覚で絵を描く。だから光や影、反射、空気感、温度、奥行きが感じられる絵になる。頭の中では3Dで考えて、描くのは2Dに落とし込む感じ。落とし込む時のフィルターが自分の感性、特に大事な部分。どんな風に感じられるか、見せたいか。
実写で酪農を扱うのは役所などに手続きや申請が都度必要で、牛や馬が頻繁に出るドラマの撮影スタッフはさぞかし大変だった事と思います。アニメで動物を描くことは実写よりは融通が効くとは言え、ソラの最終話は納品がギリギリになりもっと手を入れたい思いがありつつも時間切れ。これもお仕事の宿命。
アニメーターは好き放題に絵を描いたり動かす仕事ではありません。必ずオーダーに沿って場面を作りキャラクターに演技をさせる仕事です。描く事で照明や小道具大道具の仕事も兼ねます。演出の意図をクリアした上で作品のバランスを考えながらオリジナリティを加味するのが真っ当なプロの心得です。
背景原図は原画担当のアニメーターが描くものです。原図とはキャラクターが動き回る舞台装置だから同じ人が描くのが最良です。背景原図を描けない人は原画には成れません。おっ!と眼を引く魅力的な背景原図を描いてその上に素敵なキャラクターを乗せてみましょう。是非、今日から挑戦してください。