宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」で、ジョバンニがアルバイトした印刷所の場所と考えられるのが、賢治が暮らした岩手県花巻市の花巻駅近くの一角。かつては実際に印刷所があり「春と修羅」はそこで印刷された。現在は、花巻近辺で知らない人はいない団子店になっている。岩手特有の「お茶もち」が名物。
岩手県の南部は、モチ入りのアンパンが商品化されるほど「餅食文化」が根づいている。特に一関市は、「餅御膳」というフォーマルな食習慣があり、かつては年50回も食べたという。これを現代風にしたものを市内の道の駅やレストランで食べられる。味付けで変幻自在な、弾力性のある伝統食。
トルコのアナトリア高原にある、古代ヒッタイト帝国の都ハットゥシャの遺跡は、本当に気持ちのよい場所。春や初夏はさわやかな風が吹き抜け、草原に寝転びたくなる。数千年の時を経て今も鎮座する緑色の立方体石も謎めいて美しい。
柿は、日本の秋の果物というイメージが強いが、中東の各地でも結構見かけた。チュニジアの市場の値札には、KAKIと書かれていた。
イランで冬至の前夜は、ザクロやスイカを食べる日。「シャベ・ヤルダー」という祝祭の日で、家族と過ごす伝統がある。一説によると、赤い果実は太陽の象徴。1年で最も、昼間の時間が短く、太陽が最も弱ったように感じられる日に、イラン人は太陽の化身を食べて、世界の光と熱の復活を祈るのだろうか。
名古屋駅から、JR関西本線の永和という駅で降りて住宅街を歩くと現れる派手な建物。トルコ伝統菓子の専門店「ベイザデ」。たっぷりシロップに使ったバクラヴァ などがならんでいた。ピスタチオ、くるみ、チーズなど、味の特徴が少し違う種類がそろっているので、パクパク食べても飽きない、と思う。
中東の市場の一角に、だいたい売られている石鹸。伝統的なオリーブ石鹸が幅をきかせているが、トルコあたりでは、パパイヤ、ミント、ザクロなど、ジュースかアイスクリームか、というような食物配合のものを見かけたりもする。ちょっとした土産物にもなりそう。
チャイというと、ミルク入り紅茶をイメージする人も多いかも知れないが、イランでは、紅茶葉のみか、ミントと一緒に煮出した濃い琥珀色の透明な飲料。硬い角砂糖ガンドを口の中でとかしたり、サフラン入り黄金色の糖結晶棒ナバドをお好みで入れたりして甘さを味わう。伝統の形式は揺らがない。
もし、大使館や大使公邸に行くことがあったら、棚や壁にさりげなく飾っている、その国の工芸品をじっくり見てみて。写真は、イラン大使公邸にあったイランの細密エナメル細工。ペルシャの美意識が凝縮されている。ルーマニア大使館にあった刺繍たっぷりの民族衣装。飛行機に乗らずに海外を旅した気分。
イスタンブールから日本初出店の #バクラヴァ 店「 #ナーディル・ギュル が開店に合わせ、百貨店「松屋銀座」の地下1階でバクラヴァ作りのデモンストレーション。麺棒で生地を伸ばす技術が半端じゃない。皿洗いの下積みから27年のマスターシェフ・アイハンさんの手業に、この菓子の歴史を強く感じた。
うわさに聞いていた岩手県北上市のロシア料理店「トロイカ」のチーズケーキを食べてみた。濃厚なチーズは、自社で手作りしているそう。酪農王国岩手ならではの名物洋菓子。甘さは控えめ、食べごたえあり。レストランではビーフストロガノフやピロシキ、ペリメニなどもあるそう。そっちも食べたい。
観光ビザ発給が始まったサウジアラビアでお土産を買うとしたら。黒ハチミツ(ブラックシードハニー)がいいのでは、と思う。蜂蜜に、黒クミンという植物の種のエキスを混ぜたものらしい。アラビア半島では、「死以外の病を治癒する」と言われている。値段も日本で買うはちみつよりも安いくらい。
イランを旅行した人なら、あの味が忘れられないかも。バルバリという長いナン。表面はカリっとして、中はもっちり。長さは大柄な猫の身長ぐらいある。はるばる茨城まで買いに行ってきた。「アリーズケバブ」というイラン料理店。テヘランの下町のパン屋のように、朝、イラン人が買いに来るのだろうか。
アフリカの本場の料理が食べられる店が日本に増えてきた。首都圏で西アフリカ・ナイジェリア料理を食べ歩くためのガイドがこれ。野菜の種をすりつぶしたものを使った肉シチュー「エグシ」など、ちょっと味か想像できないものが並ぶ。次は中部アフリカ・カメルーン編だそう。 note.com/ethnicneighbor…
#バクラヴァ の魅力はさまざまあるけれど、形状をめでる楽しさも捨てがたい。ニンジン形、ムール貝形といわれるものもあるほか、三角形、俵形、円柱形など、バリエーションがとても多い。形や大きさが違えば、味わいも違ってくるのだろう。イスタンブールの旧市街をぶらぶら歩きながら撮った写真。
最近、日本でかなり入手しやすくなったバクラヴァ 。これから暑くなってきたら、アイスクリームをのせて食べるのもあり。夏は半端ない気温になるトルコ東南部ディヤルバクルのカフェ「ハッジ・レバント」で食べたのは、のびるアイスのドンドルマがどーんとのっかっていた。夏も熱い紅茶と。
シリアの菓子には、和菓子にも通じる端正さがある。それは首都ダマスカスの旧市街、カフェのたたずまいにも共通する何か。シリアの人々が安寧を取り戻し、旅行者にとっても再び訪れることができる街に戻ってほしい。 twitter.com/thesyrianblog/…
バクラヴァなどのアラブ菓子、ギンギンに甘いとよく言われるが、控えめのものもある。レバノンの老舗「ドゥウェイヒー」の詰め合わせ。地中海岸の宗派のるつぼの国で、キリスト教マロン派の一族が製造。コロナ前、首都ベイルートの国際空港のパスポートコントロールのすぐ前で、山積みで売っていた。
日本の伝統的食文化の餅食が、mochi ice creamというスタイルで全世界に広まっているようだ。アメリカ、アジア、欧州で、さまざまな「餅アイス」が発売されているようす。緑茶、マンゴー、キャラメル味なども。世界全体で見ればローカルな食べ物が、グローバル食へと変化していく興味深いプロセス。 twitter.com/japanvxsuals/s…
東京・京橋の裏路地で見つけたクロアチア料理店「ドブロ」。アドリア海をはさみ対岸のイタリアっぽいリゾットが付け合せ。焼きサバにケイパー入りの甘いたれをつけたメインディッシュは、なんとなくだけどトルコ風。メニューには肉をキャベツで巻いて煮たサルマも。オスマン帝国の残り香が漂う。
形や色、いろいろな種類のバクラヴァ、値段は1キロあたりで表示されている場合が多いが、小箱に入れて一個単位でも売ってくれる。自分の好きな詰め合わせを作ることが可能。トルコ・イスタンブール旧市街の伝統菓子店にて。
中東で、日本の漬物のような役割を演じているともいえるオリーブの実。漬け具合や品種、国による作り方の違いで、かなり味や食感に幅が出る。トルコ・イスタンブールの市場にあったマーブルチョコのようなミックスオリーブは、色々なタイプを試すことができるし、見た目にも美しい。
トルコ東南部にあるガジアンテップ城の地震前と地震後。長い歴史で、幾多の戦乱を潜り抜けてきたが、強烈な揺れによって一瞬で崩れてしまった。 twitter.com/oaanmoen/statu…
岩手で羊を特産にしようという動きがある。県産羊肉のタタキを寿司ネタにするシェフがいたり、県産羊毛で立派なカーディガンを編む手作り毛織物ホームスパンの作家がいたり。山また山の地形で、昔「日本のチベット」と言われた岩手県。羊つながりでいっそ「日本のクルディスタン」として売り出したら?
エジプトでは、真っ赤な完熟ナツメヤシの実(デーツ)が店頭に並ぶのを見て、秋を感じた。乾燥したものとは違う、シャリシャリした独特の食感とみずみずしい甘さ。あえて例えるなら、生柿と干柿の関係。