現代文は、気持ちや感受性の問題じゃなくて、「これをこう書くとこういう効果があってこういう表現としてこのような内容を表しています」という文の死体解剖だからね。文系科目の皮を被った科学分野ですよあれ(ゆえに得意だった)
さて、札幌駅のホームというのは実に寒い。冬ならそれはもう本当に本当に寒い。なんでこんなに寒いのかと腹が立つほどに寒い。北の都の真ん中で、風が吹き抜けて行く構造なのでより寒いのは仕方ないのだご、それにしたって寒い。しかし、この札幌駅のホームが私は好きなのだ。
クマ除けスプレーは「(襲ってくる)クマ(の手前数mで噴射して腕1本クマに持っていかれる代わりに命は助かる、不慮の事故)除けスプレー」だよ。でも持っとくと少しは気が紛れるので大事です。1本1万くらいするけど。
静岡県伊豆半島のある小さな入り江に泊まった時のこと。海に面した宿の窓から、海が青く光っているのが見えた気がして波打ち際へ降りてみると、確かに海中が青く光り輝いている。ずっと同じ場所が光っているわけではなく、ゆっくりと動いている。それは不思議な光景だった(続) 364/365 #斜陽暦
東海道新幹線に乗ったと思ったら東北新幹線だった説(川の名前も「庄内」って書いてるしこれは東北なんだ…東海じゃないんだ…東海地方でこんな雪が降るわけが…ああ゛)
ある古い木造旅館に泊まった時の話だけど、女将さんに「鳥居が立ってる山道を車で進んで何キロか登って下さい。一軒だけですからすぐわかりますよ」と言われたものの本当に合ってるのか不安になりながら進んだ先に、本当に一軒ぽつんと旅館が見えた時の昂揚感は忘れられない。だから旅はやめられない。
小川の上に床がある世界。
・湯里の廃神社 東北地方、奥羽山脈麓の温泉が湧く沢沿い。紅葉が進む秋の寒村の片隅に、廃墟になった神社が残っている。「温泉神社」という扁額がかけられた拝殿こそ古びた社という雰囲気だが、扉を開けると壁は崩れ、奥の本殿は完全に崩壊している。どうしてこうなってしまったのだろう(続)
この病院は、北海道東部のある山間の炭鉱街で1960年代末に建てられた。当時流行だった曲線を多用する現代建築デザインをメインに、円形スロープを持つ中央建屋、その両翼に病棟を配する造りになっている。しかし竣工とほぼ同時にこの街を支えた炭鉱は閉山。以来50年間放置され、一帯は森へ還っている。
北海道の開拓集落に残る廃校。天井が抜け、机の上に森が生まれつつある。 299/365 #斜陽暦
広島県三次市~島根県境付近には、こういう土蔵の扉に鳥居や角のある門のような意匠をあしらったものがいつくも存在する。鬼や妖の類を封じたものに見えてかなり好きなんよこれ。
(新幹線の中で営業職サラリーマンの会話を聞きながらこんなこと考えている道民はたぶん幸福)
ちなみに科博にいたこの白粉で化粧した江戸時代お姉さんは、実際に江戸期のお墓から出土した女の人の頭骨から復元したらしいです。実際いるわ、こういう人。笑うとめっちゃ楽しそうな表情になるタイプの人。
古い廃医院にはオゾン発生装置なんてものが残ってて、消毒用オゾンの自給に使ってたのかなあと思ってたら大正~昭和初期のごくわずかな間にオゾンで結核の治療を試みていたことがあったそうで、その時期に購入してその後消毒用に再利用したっぽいのがフフ…ってなった。なによりこのフォルムが…良い。
なんだこの業が深い言い伝えが残ってそうな地名…。
三重県名物 鐘叩き踏切
1万円を消費する時間や得る満足感を10とすると、1万円を稼ぐための時間や疲労感が1000くらいになるのどう考えてもおかしい気がする。1日の労働時間が最大8時間のはずがいつの間にか最低8時間にすり替わってたり、5日働いて2日休むのがさも当然みたいな顔してるのと同じくらいおかしい気がする。
「めちゃくちゃデカい杉だなあ」と思ったらめちゃくちゃ尖った岩だった…。てっぺんに生えた毛みたいな枝が「枝」じゃなくて「樹」であることに気づいた瞬間、ホラー作品みたいな感じになった。ヒェ…。
「…蔵の中に誰かいる?」と思って近づくと、お地蔵さんだった。家併設のお地蔵さん専用の蔵で、お供え物の水とお茶も新しい。地元の人に大切にされている神様や仏様を見ると、なんだか見ているこちらが嬉しくなってなあ…。 287/365 #斜陽暦
とある雪の山村。一際大きな屋根の家に惹かれて訪ねると、小柄なおばあさんがお茶に招いてくれた。大正3年築の家は1棟なのに14畳くらいの部屋が10以上ある。「2階も見てくなんしょ」と座敷の扉が開かれると洋館のような立派な階段が現れるなんて誰が想像できる…(扉開いた瞬間脳に火花散ったぞ)
北海道の夏はお盆が終わりとともに去る。とりわけ今年の夏は涼しい。お盆明けの今頃になるとストーブのCMが流れ始め、陽が暮れると暑さが消える。昼の暑さも芯が抜けたような幻のように力がなくなり、だんだん蝉ではなく夜の虫が鳴き始める。気づくと秋になっていて…もう冬がすぐそこにいる。
民俗学が好きだと、特定の地域にしかない、あるいはその地域に集中してる珍しい苗字を見たときに「あー◯◯県に来たんだなあ」という謎の感慨を抱きがち。あー青森県に来たんだなあ。