山口県宇部市の砂浜には海から頭を出した2つの塔がある。かつて海底炭鉱として稼働した長生炭鉱の吸排気塔だ。昭和17年に大規模な落盤と海水流入事故が発生して坑内労働者183人が犠牲になり、水没した炭鉱は放棄された。回収する術もないため遺体は今でも海底で眠ったままだ。墓標…という言葉が湧く。
四国山地の真っ只中の山道を通っている時、視界が開けた道脇にお墓のような石碑が立っていた。読むとこうあった。 わが古郷のこの地は換金作物の葉たばこや養蚕業が盛んであったが世代の流れと共に余儀なく衰退せり ここにこの愛する土に別れを惜しむ 昭和五十年 勉記す 生家二○○米北上
・しょう失のダイジン屋敷 約4年前、山陰のある街の航空写真を眺めていた時のこと。赤い屋根瓦が並ぶ古い町並みに、明らかにそこに家があったであろう名残を見かけた。大きな門でまるごと囲った内側だけそっくりそのまま消えてしまい、門だけ残ってるような、まさに屋敷の抜け殻とでもいうような…(続)
現地へ行って心底理解したが十津川村は大規模豪雨で水害や土砂災害、陸路が絶たれて孤立が発生しやすい条件が揃った地形でな…。おまけに奈良県内で最も面積が大きい自治体かつ人口は3000人台という。明治大水害の際は「もとの村に戻すのに30年以上はかかる」とさえ言われたという。勘弁してくれ豪雨。
屋根が道路の分岐によくある青看板な納屋をみかけた。どういうことや…古くなって取り外されたものをもらって再利用してるとか?
・神になった蛾 長野県内のとある神社にはカイコが彫られた石碑が立っている。長野や群馬などかつて養蚕業が盛んだった地域では、蚕の繭や養蚕具を神として祀る風習があり、「蚕玉神」と字を彫った石碑や女神像を立てて蚕の生育を願った。その中でも蚕そのものの石像は非常に珍しい。 307/365 #斜陽暦
そして根室まで辿り着き、その足で本土最東端の納沙布岬まで行こうとするとこれがまた長く感じる。不思議なことに釧路根室間120㎞に比べればたった1/6の距離なのに異様に長く感じる。これが道東の恐ろしさ、そして最大の魅力なのだ。6月の北海道は爽やかな季節。さあ、最果てへ旅立ちませんか?
即売会で、売り子氏を道民本体だと思った人が「徳島県の山の中の○○ってとこ出身なんですけど来られたことありますか?」と話しかけて、???ってなってる売り子氏の後ろから「…たぶんご実家から200mくらい上に行ったカーブの所にボロい廃バスありますよね?」と言って本体がバレたことがある。
いろんな所に何体もいる。
「Rises Riot」とか米俵のモニュメントとかこんなん笑うやろ。でも実際問題、日本人がお米関連のことでブチギレるのは伝統芸能みたいなものではある。一揆!逃散!打ちこわし!
先日、岩手県内で宮沢賢治の『雨ニモマケズ』全文のマグカップ買ったんだけど…なんだろう、この呪物感。
女性によれば今このブニヨドに住んでいるのは自分たちの家だけで、周りの人に訊かれたこともないし由来なんて考えたこともなかったという。だが家の表札には「ブニヨド」の地名が書いていると言い、貴重に感じた。田舎によくいる地元の歴史に詳しいお年寄りにも頼ってみたがやはりわからないとのこと。
四国の廃校、本当にレベルが違うんですよね…。「なんでこんなところに作ったんだ。いや、そこだけしかもう建てられる土地がなかったんだな…」って廃校がけっこうある。個人的にはここが最強。
「すてたらい」ってそういう方言なのかなあと思ったけど、数秒後「…もしかして『すてたらいかん』か?」ってなった四国の山道。
荘園は当初朝廷やその任命官が管理したが、中央の権力が弱まわると、荘園にかかる租税を朝廷へ納めなくていい権利や、朝廷が派遣した今でいう警察兼税務調査官的な役人を荘園内へ立ち入らせない権利を得る者が現れた。これを「不輸不入権(ふゆふにゅうのけん)」と言う。
六角形の空間がある廃医院。玄関と診察室の間にあり、ここから「入口」「診察室」「處置室」「藥局」「非常口」「便所」すべてへつながっている。辺鄙な土地の、昭和一桁台の木造建築であるがかなり先進的で機能的なデザイン。 285/365 #斜陽暦
お祭りでよく見る岡本太郎みたいな模様入ってる水風船作ってた工場が2020年にコロナ倒産してたことを知った道民、朝から絶望の表情(銚子の犬吠埼隣の田園地帯でやってた小さな工場だったのだ…国内最後の手作りゴム風船工場だったのだ…)
もう始まってる!(新たな一日)
九州にある、壁に穴が開いたトンネル。トンネルの中から夜空と月が見える不思議な空間…。
とある海沿いの小学校区内、通学路の横断歩道前に何体も立っている"それ"はおそらく昔設置された旗持ち用人形の成れの果てなのだろう。長年潮風に晒され、錆びついた結果がこれだが、あえて子供が通る所に居て、しかも地元の子供は慣れて気にも留めず横を通り過ぎているのが「異物感」強めで良い。
家の呼鈴を押すと年配の女性が出てきた。「旅の人間ですが、つかのことをお訊きします。ブニヨドって何ですか?由来はありますか?」と単刀直入に問うがやはりというのか「わからない」と返された。家の奥から更にひと世代上のお年寄りも出てきたがそれでも「わからん。ブニヨドはブニヨドや」と言う。
九州、筑豊の炭鉱の町の商店街。入り口に「かつてはこれだけ人で溢れていたんですよ」な写真を飾って今の姿とリアルタイムで対比させるという精神攻撃を前に無事情緒が崩壊の巻。
関東地方の友人に「北海道の空は淡い色をしている。青空の青も淡い」と話したことがある。数年前その友人が北海道へ新婚旅行に来た際、「本当に空の色が淡い」と驚いたツイートをしていたのを今、久々に札幌の空を見上げて思い出している。写真だと伝わりにくいのだが、本当に北の空の色は淡いのだ。