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第11回『許されざる嘘』
兄の義円を唆して死地へと追いやり、信じて託された文を破り捨てる義経。
伊藤祐親親子を自害に偽装する梶原景時、しらを切り通す頼朝。
三谷幸喜氏の脚本は、しばしばサブタイトルに二つの意味を重ねてくる。地獄が重なっていく。
#鎌倉殿の13人
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わざわざ出迎えに出て、多くの民が見守る中で妻子との再会を果たす頼朝。良かったねえ…と笑顔になる一同。
すべて頼朝の目論見通りだ。
高貴な身でも妻子を思う気持ちは変わらぬ。そういう姿が民衆の目にどう映るのか計算済。だから一段と声を張って呼ぶ。
「待っておったぞ!政子!」
#鎌倉殿の13人
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遅参した上総介を一喝する頼朝。
これも史実と伝えられる。
その2万もの軍勢は喉から手が出るほど欲しいにもかかわらず、ましてや一線交えるなど以ての外。
頭領の器か否か、芝居で推し量る上総介。
その芝居をさらなる大芝居で受けて立つ頼朝。
#鎌倉殿の13人
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髻(もとどり)の中から取り出されたのは、頼朝が3歳の頃、乳母が清水寺に参籠して授かったという観音様。
三谷幸喜氏が「吾妻鏡が原作だと思っている」と言うように、吾妻鏡には頼朝が洞窟に観音像を置いていったことが記されています。
この像は後に彼の手に戻り、彼を守り続けました。
#鎌倉殿の13人
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そりゃ男が悪か!女子には何の非もなか!
女子が靴下ば履くのではなく、男が目隠しばしたらどぎゃんですか!
増野さん。四三さん。
こうして女性の進出は進んだのかもしれない。
でも、違うものが見える。
痴漢や性犯罪で何故か女性が悪者にされる今のこの国に、クドカンが、吼えている。
#いだてん
257
熊か猿か分からぬ得体の知れぬ生き物の生死を確かめるため、3段落ちのように、持ち上げることもままならぬ程でっかい石をぶん投げようとするちょっと天然の亀姫さま。
確かに最初からありました、その石。
#どうする家康
258
今回も様々な見所がある中で、静かに目を引いたのが、伊藤祐親を演じる浅野和之さんのそれは美しい居住まいでした。
老練の俳優陣は、静の芝居にこそ、その老練さが顕れると感じます。
#鎌倉殿の13人
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鎌倉殿は間違えておられます。
これは恋の歌ではないのですか?
「このようなことをなさるのは間違いです」
ようやく想いを告げた人からの拒絶。
「渡す歌を間違えたようだ」
そうごまかして、心が割れて砕け散る実朝。
泰時が単なる朴念仁かといえば、彼もまた慣れぬ酒をあおるのだ。
#鎌倉殿の13人
260
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兄が命を狙ったのではなかった。
ならば自分が兵を挙げたのは何だったのか。
その刹那、義経は眠る子を飛び越えて、妻の胸に刀を突き立てる。
里は逃げない。避けようともしない。
一瞬で怒りを行動に移す義経。
一転謝罪を繰り返し泣く義経。
どちらも直情の人、義経そのものだ。
#鎌倉殿の13人
262
「石頭の風神雷神のようなお方かと」
栄一が赤裸々に思ったことを口に出す。
何ということを!って呆れ顔の黒川様と、うんうん頷きながら聞いているやらかし猪飼様。
黒川様においおい…って横を向かれて初めてハッ‼︎として栄一を諌め始めるけど、あなた絶対栄一に禿同してましたよね。
#青天を衝け
263
「一度でいいから、腹を割って心ゆくまで、語り合ってみとうござった」
過去形で語る浅井長政。
もうそんな日は来ないことを知っているのですね。
もう自分の進む道を決めてしまっているのですね。
#どうする家康
264
静岡の地で21人もの子どもをもうけた慶喜。しかしそれは全て側室との間に生まれた子でした。
確かに美賀君は自分で産むとは仰っていませんし、側室の子も正室の子として育てる風習がありますが、なぜここにこうした描写が挟まれるのか、寂しい晩年を過ごした彼女の悲しいシーンです。
#青天を衝け
265
「三淵の奸計」というタイトルのため三淵様が幼な子の阿君丸を手にかけた大悪党のように見えますが、光秀に上洛困難と義景に上申するよう言い含めたのも、全てを知って義昭の文を受け取ったのも、侍女に命じて毒見を妨げたのもきっと、山崎吉家ですよね。明智家へのフォローも抜かりなく。
#麒麟がくる
266
「奥方様!ここは危のうございます!」
前様に会わせろと騒ぐ乱入者に、この人こそが超重要人物であるとバラしてしまう我らが猪飼さま。
#青天を衝け
267
あのまま死んでいてほしかったと皆が思う頼家も、居てもらっては困ると言われた一幡も、比企尼の呪いを受けた善哉も、道具が心を持ってしまった善児も、全てが「災いの種」。
しかし最早『全部義時のせい』
#鎌倉殿の13人
268
日本のために尽くせ。
私のことは忘れよ。
栄一の心に燃える炎に気づいた慶喜が、静かに引導を渡す。
その決別を象徴するかのように、二人を結びつけた平岡円四郎がくれた武士としての名前を返して、主従は静かに別れていく。己の心のままに生きよ、それが最後の命。
#青天を衝け
269
もう元気な実次さんに会えないので、これを貼れと言われた気がしました。
#いだてん
270
「参加することに意義?ないよ〜!」
うわあ言っちゃった!
驚く視聴者を置いてシーンは続く。
「選手に全部背負わせるからプレッシャーに押し潰されて実力が発揮できんのだよ!違う?」
思わず見上げる四三。
相変わらず気合で押し切ろうとする嘉納。
田畑は一歩も二歩も先を行く劇薬だ。
#いだてん
271
「円四郎は私の身代わりとなったのだ」
「攘夷か…まこと呪いの言葉に成り果てた」
慶喜が不意に退室したのは、こぼれそうな涙を見せまいとしたのだろうか。
円四郎の元に駆けつける慶喜。この立ち上がる慶喜。いつも真っ直ぐな姿勢が崩れ、よろめいている。彼の心が、杖を無くしている。
#青天を衝け
272
田舎者で教養もない四三を一切見下すところがなく、大森氏の咳を煩がらず逆に気遣い、素直に負けを認めることができ、四三の熊本弁に合わせてくれて、TNGポーズまで決めてくれる気さくな三島弥彦。
滅茶苦茶いい男やん…家族のためにもオリンピックで活躍してほしいのに…😭
#いだてん
273
「若く見えるが、実はあなたとそう変わらない」
建保五年の満年齢は八田知家 75歳、三善康信 77歳。
でもどう見ても”アラ喜寿”じゃない肉体美。
トークショーで、市原隼人さんと山本耕史さんは地方ロケでもトレーニング場所を探すと言ってたな…って、平六お前も張り合うんかーーーい!
#鎌倉殿の13人
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初陣のくせに偉そうな小僧が、はらはらと泣く。
仰ぐに足る主君を護って死ぬ夢を語って。
「お芝居じゃなくなったなって思えるぐらい、殿と対話できた気がした。これが“家康と忠勝”なのかもしれないって。僕はそこで役の感覚を掴んだ」
山田裕貴さんが本多平八郎忠勝になった瞬間だ。
#どうする家康
275
僕「も」逃げたい
篤二の台詞に、私の肝が一瞬で冷えた。
言うな。
頼むからそれ以上言うな。
その生き方に憧れると言った青年。
聞く慶喜は、眉ひとつ動かさない。
日本全て捨てて逃げた
それなのに今も平然と
逃げたという誹りを受け止め続けた最後の将軍。
まだ誰も彼の心を知らぬ。
#青天を衝け