701
702
グレトナは元々、親の同意なく結婚するには男女21歳以上でなくてはならぬと言うイギリス法を厭って、15歳以上なら誰でも結婚できるとするスコットランド法の下に避難する駆け落ちカップルの聖地として有名な長閑な農村地帯だったけど、拡大する砲弾需要に必須の無煙火薬コルダイトの最大の工場が建設。
704
何せこの自転車、ブレーキがない。
サドルの位置から分かる通り重心はかなり前にある。しかも現代の自転車よりかなりスピードが出る代物なので、ブレーキなんてかけたらつんのめって自転車ごと回転する。ブレーキが無意味なのでつけてない。
もちろん足も地面に届かない。
705
エリザベス女王はシーズンになると廷臣団を引き連れて家臣達の領地を旅行して回った。
もてなす側にとってこれは試練でもあり、またチャンスでもある。良い印象を残せれば立身出世に繋がるし、悪い印象を与えればもういいわと遠ざけられる。そんな訳で身分の高い家臣は戦々恐々とした。
706
おはよう。今朝のTIPS。
日本人にとって大阪万博は体験したことが無いわたし達でも伝説的なイベントになった。
イギリス人にとっても第一回ロンドン万博は伝説的なイベントとなったけど、それを支えたのが廉価な入場料と鉄道だった。
707
サイプレス・ヒルズの大虐殺と称された恥ずべきこの事件はカナダ政府が知るより先にアメリカ政府が知った。
「カナダは統治能力があるのか?」
アメリカはやる気がないなら無法状態の西部を併合するぞとプレッシャーを掛ける。慌てたカナダは機動力に優れた騎馬警官隊を設立し、治安回復に努める。
708
710
調査委員会はブレイドウッドの献策を受け入れていたならば、今回の火災は未然に防げた可能性があると結論。民衆は掌を返し、果敢に消火に挑み、2人の殉職者を出したブレイドウッド達消防ポンプ隊は英雄となる。火災の際の指揮系統も移譲された。
「消火は日頃の積み重ねです。どうか防災にご協力を」
711
「閉鎖空間における煙は非常に危険だ。場合によっては一呼吸で死に至る。もし取り巻かれたら姿勢を低くして、なるべく低いところの空気を吸え。
1人で飛び込むな。常に2人以上で行動しろ。鎮火したと思って迂闊に近づくな。火種を得るや燃え盛る事もある。
炎は適切に戦えば怖くない」
712
彼らは社会的身分によって軍隊の階級が割り当てられており、サンドリンガムズの中隊長はサンドリンガム・ハウスの管理人。以下、ファーストフットマンやコーチマン、ガーデナーが下士官で、それ以下の使用人は兵士、と言う具合に使用人のヒエラルキーがそのまま軍隊に適応された。
713
こうして即成訓練を受けた後、サンドリンガムズはトルコ方面に派遣された。
たちまち地獄の熱射と凍える夜の寒さ、赤痢、風土病、飢え、乾きが戦に不慣れな彼らを襲う。
作戦は根本から出鱈目で、イギリス軍はトルコを甘く見て杜撰な作戦を立てていた。
714
そんな中、ノーフォーク連隊に突撃命令が下る。その先鋒であった第五大隊にサンドリンガムズは属し、共に突撃した。
前日に偵察がなされており、丘の向こうには敵はいない筈だった。しかし素人なのはサンドリンガムズに限らず、偵察隊は巧妙に隠された敵の陣地を見つけられなかった。
715
716
717
ワースはジャンパーを辞めた。どのみち戦争にも終わりが見えてきた頃
名前と顔のない男ワースは裏社会を生きるのに有利だけど、裏を返すとマトモな道は歩めない。彼はニューヨークでスリを始める。ワースはやがて自分でスリをやるより、スリを教えたり、多数のスリを指揮する方が割りに合う事に気づく
718
流石のエクリプスもそこまでは離せまい、と大勢が賭けに乗った。
「馬鹿かアイツ、初走ならともかく、これはヒートレースで、しかも4マイル走だぞ?」
当時の競馬のルールは今と違う。短い休憩で何度も走り、連続して一位になった馬が優勝するルール。
719
ただの都市から大都市に脱皮し、火災と無縁でなくなった街を密かに守り続けた英雄は、今も組織や体制を通じて世界中の人達を炎から守っている。
720
「俺はここの生まれだ。ここで死ぬ方がよっぽどいい。みんな、そうしようぜ!」
こうしてエヤム村は前例がない、自主隔離体制に入った事を周囲の村や領主に通告し、誰も入らないように境界線の石を並べ、彼らは村の中で孤独にペストと闘い始めた。
721
やがて入浴と洗濯は習慣をこえて娯楽となり、イギリスは徐々にコレラを克服し、やがてパスツールが遂に正体を探り当てる。
キティは不潔との戦争における英雄となった。ヴィクトリア女王より称賛のメッセージが込められた銀のティーポットが授けられるけど、彼女は最期まで貧しい洗濯屋に過ぎなかった
722
査問に呼び出されるブレイドウッドだけど、調査の結果、責任がないことが明らかになる。
「市当局はブレイドウッド氏に事を任せるより民間保険会社を頼みとし、ブレイドウッド氏には必要な権限も与えられず、また、氏がたびたび行っていた献策は握りつぶされ、装備はお座なりなものだった……」
723
また、紅茶ブームが始まるとコーヒーの人気も衰え、熱狂的だったコーヒーブームも18世紀終わり頃にはすっかりと収束する。
再度、カフェが開かれるけど、それは女性でも安心して訪れることのできる優雅な雰囲気のお店で、かつてのわい雑なコーヒーハウスとは似ても似つかなかった。
724