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こうしてジェソップらオリンピック号のクルー達はホワイトスター社から改善点の聞き取り調査を受ける。『オリンピック級』は一隻だけではない。あと二隻が建造されており、それらはオリンピック号の欠陥を修正された形で就役する予定だった。 その二番船の名を、タイタニックという。
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皮肉な事に軍艦から体当たりを受けても無事で航行したオリンピック号は当て擦り気味に『不沈船』と呼ばれる。ヤケクソ気味のホワイトスター社もそのコピーライトを活かした。軍艦相手の海事裁判で負けてる。せめて頑丈さをアピールせねば ホワイトスター社はオリンピック号が扱い難い船であると知った
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悪い事に軍艦には古式ゆかしい体当たり用の鋭い衝角が備わっていた。 「な、なにごとーっ!?」 寛いでいたところに凄まじい衝撃でジェソップは驚くも、直ぐに乗客の安否を確認するべく仕事モードに入る。 「ぎゃあ! 軍艦から体当たりを受けてる!? 沈没の恐れは……。ないみたいね」
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排水量45000トンの巨大船舶を扱った経験が当時の人類にはなく、ヨーロッパ最良と呼ばれた船長ですらトラブルを避ける事は出来なかった。 就役したその年、オリンピック号の引き起こす大波にアメリカ海軍の軍艦が巻き込まれ、操舵不能に陥り、横から突っ込む。
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見栄え良く、経験を積んだ客室乗務員であるジェソップは見事採用された。 「嘘みたい。移民で貧民の私がお城みたいな船で働けるなんて。シンデレラみたいね。ま、もてなす側だけど、さ」 こうして1911年からジェソップはオリンピック号で勤務し始めるものの、巨大船舶はトラブル尽くしだった。
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オリンピック号は大西洋交通の雄であるホワイトスター社がライバルであるキュナード社に対抗して建造した世界最大の船舶で、『速さ』でライバルに差をつけられたホワイトスター社が『快適性』と『規模』で盛り返そうと社運を賭けた超大型客船だった。 出来立ての豪華客船にジェソップは応募する。
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そしてマジェスティック号を放り出されたジェソップは、まるで自分のために誂えられたかのような職場が今、まさに進水するのを見た。 「お、大きい! マジェスティック号の五倍はある! まるで海上の街みたい……!」 ホワイトスターラインの新鋭船、オリンピック号だった。
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「じ、事実無根……。昔から女が船に乗ると不吉と言われてるのって、つまりこう言う意味……。仕事は気に入ってたのに……」 ジェソップはやむ無しと次の船を探す事にした。当時、大西洋は最も人の往来の激しい海で、数多の船会社が鎬を削っている。代わりの船などいくらでもあった。
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RMS(ロイヤルメールシップ。王立郵便船)マジェスティック号に2年間勤務したジェソップは何故若々しい女性が嫌厭されるのかを身をもって知った。男女トラブルに巻き込まれ、妻子持ちの男性と不倫関係にあると誤解されたのだった。 マジェスティック号の船長はこれを信じたのでジェソップは放り出される
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「若い方が体力がありそうなもんだけど、何でかしら? どうも身綺麗にしてると採用されにくいみたいね。なら流儀に従いますか」 ジェソップは化粧せず、衣服をわざと汚して面接し、客室乗務員に採用される。 「どうも釈然としないと言うか……。まぁ、気にしても仕方ないか」
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稼ぎ手を失った一家の為に母親は船舶の客室乗務員になるも、5年後に体調を崩す。ジェソップは学校を辞めた。 「母さんには無理をさせたし……。これからは私が家長みたいなものだわ」 ジェソップは母の後を追って客室乗務員に応募するも、余り若い女性は、と難色を示される。
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ヴァイオレット・ジェソップ(以下ジェソップ)はアルゼンチン出身の客室乗務員。 9人きょうだいの長女で、幼少期の殆どを弟妹の世話に費やす。16歳の時に父親が亡くなると、母親に連れられて一家はイギリスに移住した。
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111年前の今日、タイタニック号が沈没した。史上最も有名な海難事故であり、1500人以上が亡くなる大惨事だった。 「今から私が救命胴衣の使い方を見せます! それに従って下さい!」 大型船はそう簡単には沈まないと言う当時の常識を覆し、急速に傾く船の中、懸命に避難誘導に努める女性がいた。
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こんな事ばっかりしてたらその内高位の政治家は国民を警戒して外に出なくなるぞ。 皇族なんかもう御簾の奥に隠れちゃうぞ。いい加減にしてほしい。
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1940年の末、RAFに最新鋭の航空機が就役する。木造機だった。 全金属機が当たり前の時代、空軍関係者がひそひそと不安げに囁く中、一人の男が楽しげにその飛行を見守っていた。 「さぁ、皆をあっと言わせてくれ」
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第一次世界大戦は塹壕で対峙した両軍が延々と撃ち合ってるイメージがあるけど、守ってるのは人間なので警戒に隙が生じる事もある。 夜襲や奇襲攻撃で第一陣を抜く事が可能な事はよく知られており、最前線の兵士達のストレスは相当なものだった。
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ジョン・カボットは15世紀末のヴェネツィアの船乗り。イタリア語読みならジョヴァンニ・カボト。 中世、ヨーロッパ人にとって海と言えば北海か地中海で、特に実りの大きいアジア貿易は地中海が一手に引き受けていた しかし、拡大するオスマン・トルコがアジア貿易を閉ざす
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実はコロンブスより先にアメリカに渡った人物がいる。と言ってもレイフ・エリクソンやトルフィン・カルルセヴニの事ではなく、なんとウェールズの王子。 12世紀、ウェールズの群小の国の中の一つであるグウィネズにマドックと言う王子がいた。王子と言っても庶子で、継承順位は低い。
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テムズタウン。中国は上海の街。 古き良きヴィクトリア朝時代のイギリスの街並みをイメージして作られた街で、煉瓦造りの家々と石畳の道路が確かにイギリスを思わせる。 建設されるや否、家は全部売れたものの、値上がりを見越した投資目的で、誰も住む人がおらず、立派なゴーストタウンと化した。
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P-39、エアラコブラ。またの名をカツオブシ。軍オタならばその低評価と、ソ連に送られてからの大活躍は皆が知っている。 アメリカで蹴られてイギリスに押し付けられて最終的にソ連で大歓迎された戦闘機だけど、ところで何故RAFはコブラを嫌ったのか。 twitter.com/elizabeth_munh…
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この話は江戸時代、紀伊(和歌山)に御三家の一角が置かれた理由にも繋がる。 陸上輸送が貧弱な時代、急速に都市化する江戸を食べさせるには、西国から持ってきた米を大阪で集めて船で送るのが最も効率的だった。大阪が天下の台所と呼ばれたのはそのため。 twitter.com/aftermathdoubl…
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17世紀、イギリスの道路はボロかった。 あんまりボロかったので、人の行き来はともかく、大量輸送にはとても適さず、イギリスの国内輸送は海路か、自然の河川を改良した水路が主流となる。流れに逆らう場合は陸地から馬で曳航した。
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13……それは最も有名な忌数…… 以前、聖数に関して触れた時にも述べたけど、各国、各民族、あるいは宗教毎に聖なる数と忌数がある。日本人は奇数を愛好する事で知られてるわね。一致団結、三貴神、三人よれば文殊の知恵、忠臣蔵も四十七士、戦隊ヒーローも五人組。六人や四人ではしっくり来ない?
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イギリス飯がなぜ不味いのか…… それは遥か氷河期まで遡る……。太古の昔よりイギリスはメシマズを運命付けられていたのだった。 と言うと陰謀論かオカルトか、って感じだけど、中世においてイギリスはとても作物の多様性に欠けており、その原因は紀元前数千年前の氷河期にあった。 twitter.com/elizabeth_munh…
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これはウールサック。イギリスの貴族院議長の席。 かつて貴族院議長は大法官が兼任しており、今でも大法官の席次は首相に優越する。つまりこの席に座る者はかつて、イギリスにおいて国王を除けば序列第一位だった。臣民のための玉座と言える。 これにはちょっとした歴史がある。