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男は自業自得と言うか、即死せずに十数日、もがき苦しんで死亡。
裁判所に出頭した母親は傍聴人達から「ブラヴォー!」の声をもって迎え入れられたとか。
スペインはヴェンデッタの国。母は強し。
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そう言えば十年ほど前だけど、スペインで娘を強姦した男が出所してきて、母親に、「娘さんの調子はどうですか?」と大声で挑発したところ、ずっと怒りと屈辱で精神を悪くしていた母親の最後の一線が切れて、ガソリンを水溜りが出来るほどぶっ掛けて、火を付けたって話があったっけ。 twitter.com/maidchainsaw/s…
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テューダー朝の時代から新大陸アメリカへの進出を始めたイギリスは、初期の段階で自国民を植民地へと送り出していた。厳しい環境下、高い死亡率から植民地を維持するためであり、また、ロンドンの人口が飽和状態になり、余剰人口を抱えたためだった。
貧しい移民達は年季奉公者として新大陸へと渡った
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宝塚女優の卵で、これはと言う子を見初めて、衣食住は勿論、多額のお小遣いを与えたり、送迎の面倒を見たり、チケットを大量に買って配ったりと徹底的にお世話してトップスターに育てる、西宮や芦屋に住む富裕な『宝塚のおばさま』と似た心理なのかもね。 twitter.com/yynhqx1oewhnis…
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馬は自分より小さな生き物を見ると安心するそうで、猫と相性いいみたいね。
気象の荒い馬に猫を友達として送ると、性格が良くなることがあると聞くわ。 twitter.com/livedoornews/s…
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「『不沈艦』なんて。二隻も沈んでるのに。寧ろ縁起の悪い女でしょう」
とは言え今もその異名が途絶えることはない。
何となれば、45000トンが二度沈んでも、彼女は決して沈まなかったのだから。
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オリンピック級三隻の海難全てを生き延びた彼女は『ミス不沈艦』と称され、もっと有名なタイタニックサバイバーとなる。
とは言え整然の彼女はこの異名に苦笑いした。
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流石にこの事故の後ではジェソップも海が怖くなったものの、結局彼女は客室乗務員に復帰した。彼女は船と海が好きだった。旅客に仕えるのが楽しかった。
ジェソップは1950年まで客室乗務員として務め、最後の航海を終えた後、静かに余生を送る。
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しかし沈みながらも回転を続けるスクリューにボートは引き寄せられる。ギリギリの瞬間、ジェソップは運を天に任せてボートから身を投げ出した。
スクリューと沈没する船の海流で頭蓋骨をへし折る重傷を負ったものの、ジェソップは奇跡的に生還する。彼女と共にボートに乗った人達は全滅していた。
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奇しくもオリンピック級3船全てにジェソップはクルーとして乗る事になる。
1916年、ブリタニックはドイツ軍が仕掛けていた機雷に接触し、沈没する。食堂でそれを感じたジェソップは周囲の人達と共に直ちに駆け出して救命ボートに飛び乗った。
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1914年、第一次世界大戦が始まる。オリンピック号と、タイタニックの教訓を盛り込んだ最後のオリンピック級であるブリタニック号は徴用される。
ジェソップは看護師として戦争に参加しており、配属された船は、ブリタニック号だった。
「何とまぁ、奇妙な縁ね。今度こそ、貴女と死んだりして?」
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これほどの海難事故の当事者でありながら、ジェソップは僅か2ヶ月で再び客室乗務員に復帰した。また、センセーショナルな事故であるタイタニック沈没に関しても頑なに口を開く事は無かった。
「船長は立派な方だったわ。悪いとこ探しのマスコミには、うんざりよ!」
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自発的に船に残ることを決意した気高い人達が脱出するボートを見送る。タイタニックの楽団は自分と船の最期のために沈むまで演奏を続けた。
ジェソップは胸に抱いた子供共々生き延び、付近を航行していた船に救助され、生きてイギリスに帰ってきた。
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「畏まりました! しかし、あなたは!?」
男は寂しげに笑うと、首を横に振った。
「残念だがボートの数に限りがある。私はここで船と運命を共にしよう。オールヴォワール、ミス・ジェソップ。キミはいいスタッフだった!」
ジェソップは何も言えないまま、子供を抱いてボートに走る。
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「ミス・ジェソップ! この赤ん坊を頼む!」
タイタニック号のクルーの一人が赤ん坊を彼女に委ねた。
「船はもう持たない。親から逸れた子供だ、どうか助けてやってくれ!」
絶望間際のジェソップの胸に、この子を守らねばと言う使命感が燃える。
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当時の常識では、大型船は沈むまでにはかなりの時間があるので、その間に付近の船が駆けつけてくれると言うのが常識だった。
しかし実際にはこれは誤った観念で、タイタニックは急速に斜度を深める。救助を当てにした設計のタイタニック号の救難ボートの数は乗客の数にまるで足りない。
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しかし排水量45000トンの巨大船舶も氷山には勝てない。処女航海でタイタニック号は沈没する。ベッドで寛いでいたジェソップは跳ね起きて着替えると、乗客を甲板に誘導し始めた。
「大丈夫です! 本船はそう簡単には沈みません! 付近を航行する船が必ず駆けつけてくれます!」
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船長も、クルーも、同型船オリンピック号のクルーをそのまま引き継ぎ、万一にも問題が出ないよう取り計らい、タイタニック号は処女航海に出る。『不沈船』タイタニックの出航は大ニュースになった。
「……その異名はオリンピック号のものでない? トラブル体質まで引き継ぎゃしないわよね?」
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「ホワイトスター社も熱心なようだし、タイタニックはいい船に仕上がるわ。何より、オリンピック号に就役からずっと付き添ってるわたしをタイタニックに回すくらいだしね」
えへん、と胸張るジェソップ。ホワイトスター社はオリンピック号から大いに進歩したタイタニック号に万全の体制を布いていた。