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ちひろ美術館・東京で目にした、いわさきちひろさんの晩年のことばが胸に響きました。
「大人というものはどんなに苦労が多くても、自分のほうから人を愛していける人間になることなんだと思います。」
公式ページに全文が掲載されてます。
chihiro.jp/words/becomean…
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なにかのクオリティを上げるための当たり前の方法のひとつは、じぶんがいい状態のときに、それに時間をかけること。たとえ締切間際でも、じぶんをいい状態にして、それに時間をかけること。気をつけることはたったふたつだ。じぶんをいい状態にすること。時間をつくること。
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「今日だけは彼らに憧れるのをやめましょう」という試合前の円陣での大谷翔平の仲間へのことばは、自分たちを奮い立たせつつ相手に対する敬意が下地になっていて見事だなあ。実力と人格の二刀流でもある、大谷翔平は。
#mitazo
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アスリートの引退を報じる記事では、涙をこらえるゆがんだ顔よりも、その選手のいちばんかっこいい写真をつかってほしいなぁ。すくなくともぼくはそっちの記事を読みたい。ファンをうならせるスポーツメディアならではの「とっておきの一枚!」があるはずだもの。
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サンドウィッチマン富澤さんの「ちょっと何言ってるかわからない」は相手の発言がわかるときに言うから面白いのに、我々が真似するときは意味不明な発言に対して使いがちで富澤さんのように使うと感じが悪くなる。つまり誰も富澤さんのように「ちょっと何言ってるかわからない」と言うことはできない。
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ほんとうに書きたいことって、それをそのまま書いてもちっとも書けなくて、書きたい気持ちの糸をぴーんと張ったままそれとは少し離れたところを誠実に書いていると、地面がめりめりと隆起するみたいに書きたいことが順番抜かしで割り込んできて押し出されるように書く、ということが多い、ぼくの場合。
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『あつまれどうぶつの森』で家具や服や住民にきゃあきゃあ言ってた娘が本日ついに土木に手を出し半日かけて淡々と崖を潰しながら深みに一歩踏み込んだゲームファン特有の「わたしいま何やってんだろ」といううつろな目をしている。‥‥通る道だ。
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レジでクレジットカードの暗証番号を打ち込むときの店員さんの「私は決してそれを見てませんよポーズ」に代わるシステムなのか装置なのか様式なのかともかくなにかを発明したらノーベルお買いもの賞がもらえるのではないか。
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なにかが急に売れたとき、売れ方だけを参考にしてもしょうがない。火がつくきっかけはある種の運かもしれないけど、ヒットするのは実力だ。たくさんの人の気持ちをつかむのは、実力があるからだ。燃えているのは着火剤ではなく乾いた薪だ。ダイナマイトの破壊力は導火線のよさではなく火薬の量と質だ。
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テレビ番組の文字起こしというのをはじめてやった。夕方から作業し始めたらあっという間に日付が変わってしまった。テレビの前にPCを置いてリモコン片手に録画を数秒進めてはキーボードを叩くということを始めたら家族が「こりゃ何を言っても無駄だな」という感じでさーっと散ったのがおかしかった。
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任天堂の元社長、岩田聡さんの本がほぼ日から出版されます。過去のほぼ日の記事と任天堂の「社長が訊く」の一部から岩田さんのことばを抜粋して再構成しました。宮本茂さんと糸井重里の特別取材も収録。ほぼ日での先行販売申込みは7/11、発送は7月下旬。一般書店発売日7/30。 1101.com/books/iwatasan…
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家にずっといる単調を急に耐え難く感じたらしく、視界の端にいた妻が、腰をぐっと落とし両手で前をビッと指差して「ゲッツ!」をした。あまりに唐突だったので、え、いま「ゲッツ!」した? と確認したら「した」と認めた。人の「ゲッツ!」は気配でわかる。コロナで新しく知ることがいろいろある。
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その人のすぐそばにいる人が「この人はここがいいなぁ」としみじみ感心するのは、たいてい当人が「え、そこ?」と意外に感じる様なところだ。当人が気づかないよさを当人以外がいいなと思い合いながら仲のいい関係が成り立ってるとすると、その見えない網目の張り巡らされた社会はなんだか微笑ましい。
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朝、久々に母から着信があり、どきっとしながら出ると「誕生日おめでとう」と。電話を代わった父が何歳になったかと訊くので「50歳」と答えると「はははは!」とすごく面白そうに笑った。そうだろうなあ、ぼくもおかしい。母から欲しいものがあるかと一応訊かれ「なんにも要らない」とうれしく答えた。
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言いたいことがあるのにうまく伝えられないというときは、伝え方を学んだり工夫したりするだけでなく、「自分が伝えたいことを相手が求めるような状況をつくる」のも近道だと思う。多くの場合それは、伝える技術の問題以上に「相手がそれを聞きたいという動機を持っていない」ことが大きな原因だから。
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「間違いに気づいて、間違いを理解して、それを繰り返さなきゃいいんですよ、誰だって間違うんだから」
途方に暮れるようなことにも、くさびを打ち込んで分割する。割れば割るほど具体的になって、取り組める。幡野さんの言葉にいつも説得力があるのはとても具体的だからだ。 cakes.mu/posts/27569