飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(リツイート順)

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関ジャニ∞「Re:LIVE」の〈変わり採(ど)る夢、時代に 君は未来持ってんだ〉は難しいフレーズです。「変わり採る」は辞書を調べても出てきませんが、〈悲しみを終わりにして また笑顔取り戻して〉から類推すると、「これまでとは変わって新しく採る夢」ということかな。貴重な用例です。
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「子供」「子ども」はどっちでもいいです。「子供」は「子共」と書くと複数形にとられるためににんべんをつけたものであり、「供=付属物、お供」ということではなかったと考えられます。▽「子供」or「子ども」どっちで書く?新聞は「子ども」派が多数 専門家の見解は maidonanews.jp/article/135851…
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インタビューを受ける際は、番組の趣旨をもっと確認しないと、と反省しています。今後この種のインタビューは受けない、という気持ちはなくて、お役に立つことがあればぜひご協力したい。ただ、「番組ではどこまで調べていますか」「どういう結論になりそうですか」ということは聞いておくべきですね。
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「的を射た意見」も「的を得た意見」も、特に戦後広まったと『三省堂国語辞典』第8版にありますが、戦前はもっぱら「正鵠(せいこく)を得た」でした。「正鵠」は的の中心の黒点。「得る」はうまく捉える意です。「的を得た」はそのバリエーションです。国会図書館の資料から時代的変化が分かります。
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刀剣男子は「~人」でなく「~ふり」で数えるのか。「おれたちは刀剣だからこういう数え方になるんだよね」とのこと。刀は1本、2本でいいのかと思ったら、玄人っぽい数え方があるんですね。『新明解国語辞典』によると、一口(ひとふり・いっこう)または一本と数えるとのこと。1本でもOKです。
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物書堂などの努力のおかげで、好みの辞書をスマホに入れて比較できる「串刺し検索」の時代が来ました。各辞書の記述を比較して読むと、ことばへの理解が飛躍的に高まります。「辞書アプリは高い」と言う学生にも、自信を持って「高くても買ったほうがいいよ」と言える時代になりました。
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zoomなのか、Zoomなのか、ZOOMなのか……。
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「贅言(ぜいげん)」というのは、本来は「理由については贅言を要しない」のように、「わざわざ言わなくていい、むだなことば」の意味です。罵倒・嘲笑などを「贅言」というのはやや変かもしれませんが、「議論に必要のないことば」という意味で、そう名づけました。
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10月5日の記事。「忙しい」「ご多忙」は忌みことばだ、というのが最近のトンデモマナーであることを強く示唆し、参考になります。昭和や平成のマナー本にも「ご多忙」とあるとのこと。「忙しい」「多忙」は日本語の中でも基本的な語であり、これを使うなというのは無茶です。j-cast.com/2019/10/053685…
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「やぶ医者」のフェイク語源については、ながさわさんの文章が詳しいです。「この差って何ですか?」以外にも、BSジャパン「空から日本を見てみよう+」、NHK「チコちゃんに叱られる!」で放送されたようですね。fngsw.hatenablog.com/entry/2018/05/…
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伊藤園「お~いお茶」の商品名についての議論が、何年か前にありました。当時「男尊女卑的か否か」をめぐって応酬があり、それだけで終わってしまった感じがあります。しかし、この商品の広告を振り返ると、イメージチェンジ戦略の成功例と言うことができます。資料が一部揃いませんが、論じてみます。
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杉村さんの報告を拝見するかぎり、番組は「銀座でぶらぶら」が事実に合った語源だと知りつつ、意識的に誤った語源説を流したのでしょう。「諸説あります」というごまかしの呪文を安易に使って、フェイクを放送することに罪悪感を持たなくなった。結果として、番組全体の信用を落とすことになりました。 twitter.com/tisensugimura/…
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「中年は何歳から」「老人は何歳から」「おばさんは何歳から」……などは、しばしば話題になります。その話題の行き着く先は、えてして、該当する年齢層の人をいじったり、からかったりすることだっりする。要するに年齢差別に辞書が使われるわけです。その点をよく考えてみたいと思った一件でした。
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日向坂46「君しか勝たん」の「~しか勝たん」は「~が最高だ」などの意味ですが、私が初めて見たのは2019年のことでした。『現代用語の基礎知識』では2021年版(2020年発行)から載っています。こうして「紅白」で歌われると、全国的定着までもう一歩。坂道シリーズの歌は現代語観察では欠かせません。
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ファミマの「お母さん食堂」の名前を変えたい、と署名運動が立ち上がったことについて、賛否の議論があります。「日本語研究者がだんまりなのは変だと思う、議論に言語学的な科学性を与えるべきでは」との近藤泰弘さん(日本語学)のご意見に、なるほどと思います。〔続く〕twitter.com/yhkondo/status…
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しぶしぶ書くレポートでも、人は(単位をもらえる程度には)意味のある文章を書こうとする。一方、ある種のまとめサイトでは、筆者の言いたいことも、読者の受け取る意味もほとんどないのに、見た目だけ文章に見える文章ゾンビを生産している。文章というものが愚弄されている感じが、痛ましいのです。
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「力を十分に発揮する」の「十分」は10割という意味から「不足がない」意味になった。一方の「充分」は当て字で、意味は「十分」と同等と考えていいでしょう。2つの書き方があると〈三十分ないし、十分間でも充分です〉(大岡昇平「事件」)のような場合に書き分けられて、とても便利です。
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森組織委会長の発言(2/3)は、素直に考えて差別発言でしょう。発言中には〈女性は優れており〉(毎日)、〈(組織委の女性は)みんなわきまえておられて〉(複数記事)など、ご本人としては女性を持ち上げ、配慮したつもりらしい点があります。ところが、これがちっともフォローになっていません。
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ちなみに言うと、放送で〈青森県では「わい」がより省略化された「わ」〔私〕と、「な」〔あなた〕という方言もあるそうです〉と述べていましたが、「わ」は「わい」の省略でなく、我を意味する古語の「わ」がそのまま残ったのでしょう。「わい」とは語源が別です。「な」も汝の意味の古語です。
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ちょっと多い質問なのですが(全6問)、お教えいただけませんか。「どちらかと言えば」で十分です。 〔問〕次の文の(  )内に入る語句として、選択肢の中でどれが最も自然に感じられますか。 【1】今夜は忙しいので、テレビは(  )と思っていたが、つい見てしまった。 1. 見まい 2. 見るまい
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国語辞典の項目は「古いから削除する」という場合も多いですが、「固有名詞の項目を減らす」「別の項目の中で説明できる」など、種々の理由があります。そういう説明抜きに取り上げられると臆測や疑問を呼びます。三省堂の人々は企画段階で説明したことと思いますが、放送を見て落胆しているのでは?
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言語学の初歩を学ぶと、「それは誤用だ」と断定することが難しくなります。「変化することこそがことばの本質だ」というのが基本だからです。「飯間さんはことばに対する姿勢が優しい」とも言われますが、べつに姿勢とか主義とかの問題ではなく、学問の基本に忠実に考えると、誰でもそうなります。
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「配偶者をどう呼ぶか」という問題について、主張というよりは論点整理みたいな文章を書きました。いかがなものでしょうか。▽文春オンライン bunshun.jp/articles/-/395…
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それにしてもなぜ、と思う。あることばが使われているかどうかを調べるのは簡単なこと。辞書を引けばいいのですから。ネットでも「大辞泉」がすぐ引けます。影響力の大きい論者がことばについて辞書も引かずに論じる世の中にあって、辞書の作り手にできることは何なのか、ちょっと考えてみたいです。
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衝撃なき事実。