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							新元号は「令和」と決定。ラ行音で始まるのは斬新でいいと思いました。元来、ラ行音というのは外来音で、大和ことばにはありませんでした。漢字の音読みのほか、ラジオとかレモンとか、カタカナ語に多い。過去の元号の音にも少なく、伝統の中に清新な風を感じます。
							
						
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							「お忙しい」「ご多忙」は「亡」を含むので忌みことばだという主張を目にしました。不勉強でそんな話は聞いたことがない。最近のトンデモマナーの類ではないかと疑っています。「お忙しい」がだめなら「望み」「忘れました」もだめだし、「荒井」さんは出禁になっちゃう。言い出した人は誰でしょうか。
							
						
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							2010年代半ば、大学の授業で辞書の「恋」の項目にある「特定の異性に強く惹かれ……」という解説を示し、「でも、同性愛もありますよね」と言うと、学生たちは笑いました。それが10年代後半になると、学生のほうから、同性愛に言及がないことを指摘するようになりました。人々の意識は変わるものです。
							
						
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							「天皇皇后両陛下お疲れ様でした」というインスタグラムの投稿が炎上したそうです。目上への「お疲れさまでした」が不可とされるなら、それは新しい謎ルールの誕生だとしか言えません。炎上を伝えるニュースは〈日本語の使い方としては間違っているかもしれないが〉と述べますが、べつに間違っとらん。
							
						
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							同人誌の作家さんが文章を批判されて当惑している、というツイートがありました。たとえば「眉をひそめる」は心配事などの場合以外に使えないと指摘されたそうです。作家さんの文章を見ると〈眉をひそめその席を立った〉など、私には違和感がない使い方で、別に批判は当たらないと思いました。
							
						
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							子どもが作文嫌いになる理由のひとつに、書いてはいけない(と本人が思う)ことが多すぎる、ということがありそうです。学校行事のことを書くにしても、「つまらなかった」なんて書くのはとんでもない。空気を読み、優等生的な文章を書きたい。でも、書けない。それで悩む、という子が多いのでは。
							
						
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							「日本で2番目に高い山、知らないでしょう。北岳です。富士山のように1番にならないと認知されないんです」というセミナー(?)の定番の話。おかげで北岳はけっこう誰でも知ってる感じになってきましたが、この話には変なところがありますね。富士山は一番高いから知られているわけではないです。
							
						
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							先日のことですが、書店の辞書売り場に行ったら、男性が小型辞典を真剣に読み比べていました。手にしているのは『三省堂国語辞典』第8版と、近年新版が出た別の国語辞典。どちらか一冊を買おうとしている様子。物陰からそれとなく見る私。こういうスリリングな経験、普通ないと思います。
							
						
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							私には密かな黒い趣味がありましてね。「ことばは本来の意味で使うべきだ」「ことばの乱れは嘆かわしい」と言っている人のブログやツイートを熟読するのです。すると、最近の用法、いわゆる「乱れた」用法がいくらでも出てくる。私は架空の赤ペンでどんどん添削して満足しているというわけです。
							
						
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							具体性を欠く批判は誹謗中傷に近づきやすい。「君、昨日掃除しないで帰ったでしょう。役目を果たしてください」は批判です。これが「君はよく掃除をサボるね」となるとやや具体性を欠く。「君はサボり魔だね」まで行くとけんかになる。抽象的は中傷的、と言おうか。批判には具体性が必要です。
							
						
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							22日放送の「#月曜から夜ふかし」で『三省堂国語辞典』の削除語が取り上げられました。「こんな語が削られました」と紹介されて5分ほどで終わった。ところがツイッターでは「何でこの語が?」などと反響が大きい。辞書の削除方針について説明がないと誤解を招くので、画像を上げておきます。
							
						
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							「令和」は、最初「和せしむ」と訓むのかと思いましたが、「万葉集」が出典とのこと。慌てて文庫本を開いてみると、「令月(よい月)」と「風和(やわ)らぎ」を合わせたんですね。「このましく、やわらか」といったところか。「令」は「令兄」などの「令」ですね。
							
						
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							女子高校生などが自分を「わい」と呼ぶことについて、テレビ番組のインタビューを受けました。実際の放送を見て、少なからず驚きました。〈自分を“わい”と呼ぶ女子 ルーツは青森の女子高生!?〉なんてサイドテロップが出ていて、私が話した内容と大分違う。青森方言がルーツではないでしょう。
							
						
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							謝罪で「不快(不愉快)な思いをさせたことをおわびします」と最後をまとめることがあります。でも、問題は相手を不快にさせたことでなく、ヘイトや差別、ハラスメントであるケースが多い。いずれも人権侵害(無視)の話なので、快・不快の話にしてしまうと、問題分かってないなー、という気がします。
							
						
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							椎名林檎「人生は夢だらけ」は、「だらけ」を新しい語感で使う例です。従来「泥だらけ」「傷だらけ」など、よくないものに使うことが多かった。ところが、最近は「幸せだらけ」のように言い場合に使う場合も一般化しています。「もういやになるほどいっぱいあって、幸せ」という語感でしょうか。
							
						
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							「ひとりごちる」という現代語があるかどうか、ツイッターで話題になり、飯間の意見が聞きたいという声もあります。私の率直な感想としては「文章語としては、まあまあ使うのでは」というところです。すでに解説があるかもしれませんが、私なりに説明してみます。〔続く〕
							
						 
									 
								 
									 
								 
								 
									 
									 
									 
									 
									 
									 
									 
									 
									