飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(リツイート順)

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ネットでの主な指摘は、要するに「『1年前に迫った東京五輪』ではなく『1年後に迫った東京五輪』と言うのが普通だ」ということだと思います。私も同意見です。どちらが正しいか、と裁くことはできませんが、実例では、「6日後に迫った」「1か月後に迫った」など、「~後に迫った」が大多数です。
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#マツコの知らない世界」の「国語辞典」の回、いろいろな人が見てくださってうれしいです。自分自身の活動を第三者の目で見ると、やはり変わったことをしていますね。それだけに他では味わえない面白さがあります。番組スタッフの方、ご覧くださった方に改めてお礼申し上げます。
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「婉曲」の「婉」は、古く「したがう」のほか「みめよい(=美しい)」「つづまやか(=控えめ)」などの意味があった(大漢和)。優雅で控えめというところから、今の「遠回し」の意味になったのでしょう。この店のコース名「婉」は古い意味か。何かを婉曲に断るための会食に利用するとよさそう。
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時代考証的に厳密に考えると、東龍太郎(松重豊)が嘉納治五郎に「そりゃ早く治さないとですね」(9/1)と言うのは現代的で、当時なら「治さないといけませんね」ぐらいか。でも、目くじらを立てるつもりはありません。総じて、ことば遣いに違和感はありませんでした。
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「アーティー」。学生に教わったことばで面白かったもの。〈水彩絵の具で描いたようなアーティな花柄〉などと使う。「アートっぽい」という意味のようですが、artyを英和辞典を引くと〈芸術品まがいの〉〈芸術家気取りの〉と説明されいる。ここでは日本語用法なんですね。#今年の新語2020
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NHKのことばの守護神・塩田雄大さん(放送文研主任研究員)が、友近さんに憑依して、文研の仕事の流儀を爆笑のうちに紹介する動画です。この中の「カムチャツカ」は、打ち合わせで出た実話だそう。下のななみちゃんとのトーク、塩田さん本人が全部書いてる気がしてなりません。nhk.or.jp/kokyo-cp/
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1/14の「おちょやん」では、千代の主演する「正チャンの冒険」の劇評を載せた新聞記事が映りました。私は「原作の世界観」「安定の芝居」など、大正時代にない(今世紀に広まった)ことばを見つけましたが、黙っていました。ところが、ことばに詳しいネットの人々がこれを話題にしていました。〔続く〕
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「逆からブランチ」の記事を見ながら、私も久し振りにやってみました。面白かった。どの辞書でもできますが、最後のほうに古い意味が並ぶ『大辞林』は具合がいいかもしれません。あなたもぜひお楽しみください。▽辞書を使った新しいゲーム「逆からブランチ」を考えました dailyportalz.jp/kiji/jisho-gam…
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ある語や用法、たとえば「その服ヤバい」の「ヤバい」を『三省堂国語辞典』が載せているからといって、「『三国』はこの用法を認めた」とか「認めてない」とかいう話ではまったくありません。現代日本語として、この語・用法が編纂者の目に止まる程度には勢力がある、と示しているにすぎません。
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「お母さん食堂」のコンビニでは女性役員がゼロ、同業他社で20~40%程度なのと対照的とのデータは参考になります。商品名には社会がどう思うかの視点が必要、という記事の趣旨には賛成。ただ、社会的批判のことを一貫して「言葉狩り」と形容しているのは違和感を持ちました。 president.jp/articles/-/513…
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4月7日(日)20:00からTBSラジオで「飯間浩明のまるっと平成ディクショナリー」という申し訳ないタイトルの番組に出演します。辞書に詳しい芸人のサンキュータツオさんに助けられ、平成のことばと辞書を振り返ります。進行は田中ひとみさん。どうぞお聴きください。radiko.jp/share/?sid=TBS…
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著書『知っておくと役立つ街の変な日本語』で、「そば」の仮名に言及した部分です。要は「そば屋さんのこの字、読めませんね」というだけの話です。ただ、先日「せんべい」の変体仮名を使う地域が偏っている、という話もありました。「そば」も注目しなければと思いました。twitter.com/IIMA_Hiroaki/s…
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時間の前後を表すことばは、時として逆の意味になります。「母は3年前に亡くなった」を、昔は「母は3年あとに亡くなった」とも言いました。また、「先のことを考える」の「先」は未来、「先に行われた選挙」の「先」は過去です。「1年前に迫った東京五輪」と聞いて、そのことを連想しました。
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King Gnu「Stardom」の歌詞は難しい漢字が多く使われています。〈草臥れた足〉〈生に涯があったって〉などは難読でしょう。「草臥(くたび)れる」「涯(はて)」です。「涯」は私のパソコンの漢字変換では出てきませんでした。
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嵐「カイト」は洋凧のカイトを歌ったものですね。そのカイトを「思い出よりとても古く 小さい姿でいた」と描写します。カイトを擬人化して「小さい姿でそこにあった」でなく「いた」を使ったのでしょう。「駅前にタクシーがいる」のように乗り物に使うこともありますが、これともまた微妙に違います。
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「お茶をいれる」の漢字がテストに出たらどうするの、と思う人もいるかも。こういう曖昧な表記はテストに出ないので、大丈夫です。きちんとした出題者ならば、ゆれていることばの正解を問うことはしないものです。
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お若い方はご存じないかと思いますが、昔「ゲロゲロ」という流行語があったのですよ。驚いて不愉快に思う気持ちを表す感動詞・形容動詞です。私は、1988年12月5日に早大文学部の181大教室で、学生同士の会話を聞いたのが初めてでした。その後大流行しました。
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直前で恐れ入ります。明日2/7(木)のTBSラジオ「たまむすび」の3時台「おもしろい大人」に出演します。赤江珠緒さん、ピエール瀧さんとご一緒し、新著『ことばハンター』の内容も踏まえつつお話しします。最近集めたことばを通して、思うことをぶちまけます。お聴きください。tbsradio.jp/tama954/
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国語辞典は「何が正しいか分からん」という人にとって頼れる存在になりたい、と書きました。ことばの説明は、トンデモ説もあれば、まあ妥当な説もあって、私は極力、後者を追求したいということです。これは「○○ということばは、こう使うのが正しい!」と正誤を断じるのとはちょっと違います。
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乃木坂46の鈴木絢音さんと、三省堂の編集者・校正者・印刷会社・デザイナーといった方々との、辞書をめぐる対談集です。私も国語辞典編纂者として、鈴木さんと対談させてもらっています。刊行されるのが楽しみです。 twitter.com/ayane_gentosha…
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この本に繰り返し出てくる「ベネファクティブ」という用語。これは、「~てやる」「~てもらう」「~てくれる」などを総称した言い方で、ざっくり「やりもらい表現」と言い換えて理解してもいいでしょう。「させていただく」は「もらう系ベネファクティブ」というわけ。詳しくはググってください。
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「この作品」という意味の「本作」という日本語はないのかも、という文章を目にしました。「『広辞苑』などの辞書にないから」とのことですが、これは辞書の項目の立て方を誤解しています。「本作・本会・本品……」などきりがなく、「本」の意味を示せば十分なので、立項しない辞書が多いのです。
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イチゴやメロンは野菜か果実か、役所によって扱いが違います。事務上の都合などにもよるのでしょう。一方、社会全体が反社会的勢力との関係を遮断するに当たり、その勢力の定義が一定しなくては、何を対象に取り組みを進めればいいか分からなくなる。政府の統一見解はやはり必要だと思います。
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「紅白」の全曲目が終わりました。私は、紅組、白組の勝敗をほとんど意識せずに見ていました。審査員たちが投票をすることで、かろうじて「合戦」の形式を保っていますが、今にこれも形式化するかもしれません。私の今年の用例採集も、これで終わりです。皆さま、おつきあいありがとうございいました。
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NiziU「Make you happy」の〈完全Sweetなメロディー〉は面白い例です。「完全にSweet」でなく「に」が落ちている。「現状では難しい」を「現状難しい」のように助詞を省いて副詞的に使うようになることばは時々現れますが、「完全」もそのひとつなのでしょうか。