飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(リツイート順)

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大学生の時、『広辞苑』が改訂されるというニュースを聞き、改訂前の版をまだ持っていなかった私は、慌てて近所の書店に駆け込んだことがあります。店主さんは「もうじき新版が出ますよ」とアドバイスしてくれました。「ええ、だからこそ今買うんです」と言ったら、妙な顔をされましたっけ。
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以上、かりに古典文学が必須科目でなくなっても、広い意味での文語文は必須科目に組み込んだほうがいいという主張です。もっとも、古典文学も、実学としてはともかく、教養としては知っていたほうがいい。「枕草子」などの名文を知らずに終わるのはもったいない。要するに、私は結局、現状維持派です。
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番組ではまた「のら猫」「どら猫」違いを「どら猫は盗みをする猫」と説明しましたが、不正確です。歴史的には「のら犬」を罵って言う「どら犬」もあります。「のら猫」「のく(退く)」を「どら猫」「どく」と濁音化すると、価値を低める効果があります。「のら猫」を罵って「どら猫」と言うのです。
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お教えください。次の文の「重用」をどう読むのが、ご自分にとって自然ですか。 「社長は自分の腹心の部下を【重用】している」 (1) じゅうよう (2) ちょうよう ちなみに、辞書には両方あり、正誤を問うのではありません。
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アスリートとの殺陣入りで郷ひろみさんの歌う「2億4千万の瞳」。「億千万」が何度もリフレインされますが、「栄花物語」では灯火の多い様子を「億千万灯」と表現するなど、膨大な数を表す伝統的なことばです。「億千万劫(ごう)」(無限に長い時間)というスケールの大きいことばもあります。
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〈本当にこのような意味なのか気になり、調べてみた〉(学生レポート)のような「気になる」の使い方、たしかに手元の例ではここ十数年で増えています。学生の気質の問題というより、こういう語法が勢力を延ばしているということかな。「現代日本語書き言葉均衡コーパス」では2000年以降の例が圧倒的。 twitter.com/gorotaku/statu…
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特定のドラマやアニメなどを批判することで盛り上がるグループがあるそうです。「批判だけをする人」の意見って参考にならないんですね。人も作品も長所がゼロということはまれなので、常に批判だけをする意見は「公平でないかもしれない」「バイアスがかかっているかも」と疑って見ています。
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三浦大知「燦燦」での注目点は何と言っても〈降り注ぐ順光線〉ですね。グーグルトレンドでは、「ちむどんどん」の放送時期に「順光線」の検索数が急に増えています。正面から照らす光線のこと。大型辞典には載っていますが、『三省堂国語辞典』には載っていないんです。
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「ちょっとした優越感」の要素、ごもっともですので、リンクしておきます。その他の場合もあることもご指摘の通りだと思います。 twitter.com/sakomakoharu/s…
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瑛人「香水」に〈横にいられると思い出す〉とありますが、この「られる」は、「君の横にいることができる」の意味ではなく、「そこに立たれると困る」のような迷惑の受け身なのでしょうね。「求めてないのに、昔の恋人の君に横にいられてしまう」という困惑、複雑な気持ちを表現しているのでしょう。
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そうそう、大事な話。三浦しをんさんとの対談で、『三省堂国語辞典』が「舟を編む」の指摘を参考に、「愛」「恋」などを〈男女の間で〉と説明するのをやめたという話も出ました。三浦さんは辞書の「愛」の記述について、たしか少女の頃から違和感を抱いていたそうです。私は感謝の意を示しました。
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ちなみに「『爆笑』は大勢でするもの」とテレビなどでしばしば言われ、言語警察のマウンティングの材料にされていました。辞書の記述がその根拠になっていた。しかし、実は昔から人数に関係なく「爆笑」は使われていました。近年、その事実が辞書にも反映され始めました。twitter.com/IIMA_Hiroaki/s…
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Togetterにまとめてもらいました。ホットコーヒーを「ホット」と当たり前に略す世代・地域と、「ホット」では意味が分からない世代・地域の言語感覚のズレを、私は純粋に興味深く思うのですが、「客と店員のどっちが悪いか」というような趣旨のコメントが多いのは草ですな。▽togetter.com/li/1953287
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この whataboutism の日本語訳は難しい。ウィキペディアでは「そっちこそどうなんだ主義」と見出しを立てていますが、これは長いし、Bが「Aこそよく忘れ物するじゃないか」と逆襲する場合だけがイメージされます。でも、実際は、「第三者のCのドタキャン」を持ち出す場合も多い。他の訳語が必要です。
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ペットを失った人に「お気の毒さまです」と言おうとしてとどまった、この言い方は失礼か、というご質問です。「お疲れさま」「お世話さま」のように「お~さま」は、謙遜や相手へのねぎらいなどを表す言い方です。江戸時代からある「お気の毒さま」も、基本的には相手を思いやることばでした。〔続く〕
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見坊豪紀の集めた約145万枚の日本語の用例は、三省堂の資料室に保管されていますが、劣化も進んでいます。ただ、データベース化も難しい。ウィキペディアに〈別の辞書・別の編者が活用することは困難とみられている〉とありますが、誰から〈みられて〉いるのかはともかく、現実的にはそのとおりです。
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つまり、悟空の口調をまねたののではないか、というのは分かるのですが、そうだとしても、「てぇてぇ」の変化は特筆すべきだということです。
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「多忙」を忌みことばとして、代わりに「多用」を使う、という会社もあるそうです。ところが、最新の『大辞林』第4版によれば、「多用」は〈やるべき事が多く忙しいこと。多忙〉で、「多忙」とほぼイコールです。一般のなじみ度から言えば「多忙」が勝るので、無理に言い換える必要はないでしょう。
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林太郎の記す「結婚」の語釈。「……愛し合う他人どうしがわかりあいたいと願い、共に歳を重ね、互いの変化を慈しみ、それでも尚わかりあえないことを知る営み(下略)」。ここは若干監修者として意見を言った以外、ほぼ脚本どおりです。作者および林太郎の実感がこもっているところです。#じぞ恋
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「終息」「収束」については先日ツイートしましたが、NHKニュースで、同じ文脈で両方が使われていて興味深かったので紹介します。どちらでも意味は通ります。話し手・書き手の込めたい意図によって選んでいいわけです。twitter.com/IIMA_Hiroaki/s…
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ちょっとお尋ねしてみましょうか。 料理で「出汁(だし)を引く」という言い方を聞いたことがありますか。「東日本」「西日本」は、長く暮らした地域をお答えください。 1. 聞いたことがある(東日本) 2. 聞いたことがある(西日本) 3. 聞いたことがない(東日本) 4. 聞いたことがない(西日本)
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「9月新学期案」に関して安倍首相が〈前広にさまざまな選択肢を検討していきたい〉と用いた「前広に」ということばが、若干話題になっているようです。このことば、『三省堂国語辞典』では1982年の版から項目を立てています。〔続く〕
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語彙力がなくても書けるメールの本を、ライターの古賀及子さんのご協力を得て作りました。「何とぞご放念ください」などと難しい語彙を使わなくても、伝わるメールは書ける、という考えのもと、そのコツをまとめたものです。ご参考になれば幸いです。amazon.co.jp/dp/4023340197/…
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「私、東京は神田の生まれです」という「は」の用法は独特ですが、指示対象を絞る、つまり「東京の中でも神田の生まれ」と解釈されます。18世紀の洒落本にも「お前がたはお江戸は何処でござります?」と尋ねるせりふが出てくるので、けっこう古いですね。現在演じられる狂言にも同様の表現があります。
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2017年12月、さるバラエティー番組が「サウスポー」の語源を取り上げました。通説と矛盾する資料を示し、通説に疑問を呈したものの、結論には至らず「由来は分かりません」と説明。私は「強引さがなく、事実を積み重ねる取材で素晴らしい。バラエティーもついに新しい段階に入ったな」と感動しました。