飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(リツイート順)

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京都に来る意味で「来京」ということばはない、とする投稿が話題になっています。これに対し、明治以前の例も指摘されていますが、「古川ロッパ日記」昭和11年に京都に来る意味で〈吉岡専務来京〉とあるなど、昭和初期までは散見されます。現在の新聞の大阪版でも例を拾いましたが、これは少数例です。 twitter.com/nikkei_kotoba/…
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蛇足です。ほんとに「誤用と感じますか」というアンケートを取ると、この設問自体が「誤用」の存在を示唆してしまうので、実際には「あなたは使いますか、使いませんか」の形で問うことが多いです。だから「誤用意識」のアンケートというのも難しいですね。
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ちなみに、NHKでは「おかあさんといっしょ」とは別に、2013年以来、「おとうさんといっしょ」も放送しています。今の時代に合った、妥当な方針と言えるでしょう。〔続く〕
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ちくまプリマー新書『伝わる文章の書き方教室』が、刊行10年目にしてようやく重版を迎えました。文章力アップのために、クイズふうのトレーニングを提案する内容です。図書館や学校現場で好意的に取り上げていただきました。初級から順を追って進んでいく構成です。お気軽に挑戦してみてください。
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こういう現象は実はよくあって、napkin(ナプキン)が「布巾」の影響で「ナフキン」、cholera(コレラ)が「ころりと死ぬ」の連想から「コロリ」になったりします。私も小さい頃「ナフキン」と言ったかも。現在では元の発音に近い形を使う傾向がありますが、「パセリ」はそのまま残ったんですね。
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何分以上を「座り込み」と言うかは現在の辞書にも書いていないので、修正ポイントにはならないと思います。手元の資料では1時間未満の例も結構あるようです。今回、「座り込み」はどういう意味で使えとも使うなとも私は言っていないので、もっとことばの意味を大切にせよとのご指摘には当惑します。 twitter.com/tanetokio/stat…
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漫画を読んでいれば、すぐに国語の成績が上がる、とまでは言えない。文章構成を読み取る力などはつきません。でも、漫画のせりふには多くの難しいことばが含まれています。浴びるように漫画を読めば、語彙力がつく。すると、文字だけの本を読むためのハードルが劇的に下がるのです。
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人前で発言していて、「まずいことを言った」と思うことがあります。そんなとき、「~とマックで女子高生が言っていた」「~と言っておられた。だれが言ったとは言わないが」と逃げるのはひとつの手です。でも、元発言がたどれない引用は、基本的に、引用した発言者が責任を問われるべきです。
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先にも述べましたが、私の関心事は、実際にはどのくらい誤解が起こっているかということです。リプライを見ると「アンケートでは数字が表のように捉えられたので「D」と答えたが、会話で聞けば「B」かも」という意見もありました。実際の流れでBと解釈する人が多ければ、誤解は少ないでしょう。
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石川さゆり「津軽海峡・冬景色」は、小説のように場所、時代を克明に描写した歌の白眉ですね。今や青函連絡船の記憶がない人のほうが多数派のはずだけど、歌を聴いていると、その場所と時代が浮かび上がるのには驚嘆します。
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26日放送の「おじさん」についてのテレビ番組の会話。細かいニュアンスも分かってもらったほうがいいと思うので、私のメモをアップします。出演者の感覚の鈍さが非常に気になります。授業や勉強会にお使いいただいてはどうでしょう。なお、共演者の細かいリアクションのことばなどは省きました。
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日向坂46の歌の「キュン」という擬態語は、少し前までは「胸が緊張感にキュンとひきしまる」など、胸が締めつけられる様子を広く指しました。今では特に好きな人や可愛いものに対する気持ちを表し、「萌え」に近い用法も。一方、この歌では、胸が締めつけられる切ない意味合いで使われていますね。
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私が語源などの解説で放送に出た際にも、調査が行き届かず、不正確なことを言ってしまったことは数回あります。たとえば、「シルバー(高齢者)」の語源は「シルバーシート」から、と述べたのは、辞書の記述に基づき、裏も取ったのですが、それ以前にも「シルバー周遊券」があったと文献に出ています。
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18日まで開催された東京駅の「空也上人大集合展」で使われた「そうだ 京都、行こう。」の方言訳を紹介したところ、地元の感覚からは違和感があるという声が、けっこう聞かれました。それならば、自然な方言ならばどう言えばいいのでしょう。「#そうだ方言」のタグで修正を加えていきませんか。
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なにわ男子「初心LOVE」には〈何度も見返すタイムライン〉とSNSを見ている場面が。ポップスには、ポケベルとかピッチとか、その時々のコミュニケーションツールが出てきます。今のところ、LINEやツイッターの出てくる曲はほかに思いつきません。
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配偶者の呼称問題、もし時間があれば言おうと思っていたこと――「この呼び名はマルかバツか」ではなく、今話している相手が嫌な気持ちにならないか、自分は嫌な気持ちにならないか、それが大事な観点のひとつです。当事者がべつに違和感もなく納得していれば、何も問題はないわけです。#あさイチ
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藤井風「きらり」では、「さらり」「きらり」と「○○り」が繰り返されます。オノマトペの効果を発揮させています。日本語学者の山口仲美さんによると、このような「○○り」型は平安時代に現れたとのことです。『犬は「びよ」と鳴いていた』という本に書かれています。
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冒頭で述べた「恣意的」の「(2)勝手気まま」を「誤用」とする説もネット上にありました。それについては、以前否定したことがあります(リンク参照)。今回は「恣意的」の意味を再説し、あわせて「意図的」と言い換えられる場合があることについて述べました。
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国語辞典は「男は○○が当たり前、女は○○が当たり前」という見方を克服するために苦闘してきました。『三省堂国語辞典』初版(1960年)では、男は「人のうちで、力が強く、主として外で働く人」、女は「人のうちで、やさしくて、子供を生みそだてる人」とあります。性役割を固定的に捉えた説明です。
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氷川きよし「限界突破×サバイバー」にある〈全王様もオッタマゲ~!!〉の「おったまげー」は、もともとどこから出たのでしょう。平野ノラさんの2017年のギャグにもありますが、平野さんは何を元にしたのかな。今、ちょっと手元の資料を見ただけでは分かりませんでした。謎が増えました。
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「到着し次第」を「到着次第」と言うのは俗用、というような話も最近ネットで見ました。これも「そんなことはない」という文章を『PHP』1月号に書いています。江戸・明治時代にも例があり、私の見るところ、むしろ「到着次第」式のほうが普通です。『PHP』にも連載してますんで、ご覧ください。
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小4のさくらこちゃんの『自分ことわざじてん』は、彼女の素朴なことばが微笑、苦笑、爆笑を誘う作品集です。私は解説者として、彼女の投げる変化球をどう打ち返そうかと苦心しました。お勉強ふうの解説では、彼女の個性に負けてしまう。この「お墓参り」などは、うまく打ち返したと思うのですが。
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布袋寅泰「さらば青春の光」は1990年代の曲ですが、〈きっと我慢できないはずサ〉と語尾がカタカナ書き。レトロな雰囲気ですね。〈しれたことサ〉〈むづかしいのサ〉のように語尾をカタカナで書くのは、江戸時代からあります。
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人が夜に見た夢の話を聞くのは面白い。自分の夢も人に話したい。ところがあるとき「つまらないから聞きたくない」と言われ、以来夢の話は封印しました。朝ドラ「まんぷく」(2/27)で鈴が「人から聞いて一番つまらないのは夢の話」と言うのを聞き、へえーと思いました。あなたにとって他人の夢の話は?
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漢字のトメハネを過度に厳しく指導する必要がないことは、2016年の文化庁「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」でも述べられています。〈漢字の伝統や文化からすれば、同じ骨組みの中でいろいろな字形が生じるのは、自然なことなのです〉。でも、SNS上では時に厳密な指導の例を見ますね。