飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(リツイート順)

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古語の「あはれ」も、嘆声の「ああ」と関係があるという意見が多い。つまり「あはれ」は嘆声に近いので、古典作品で頻用されるわけです。悲しいにつけ、うれしいにつけ、「あはれ」です。「をかし」(情趣がある)もまた多用されます。だからといって紫式部や清少納言が語彙力不足とは言えません。
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『AERA』5/30で詩人の谷川俊太郎さんとことばについて語るという、幸せな機会をいただきました。私もことばに関わる仕事とはいえ、関わり方はかなり違う。話がかみ合わなかったら……との不安は杞憂でした。谷川さんには優しく話を聞いていただけて、とても楽しかったです。
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最近「次に高い人問題」が再燃しているようで、「飯間はどう考えるのか」というツイートも拝見しました。このことについては、以前にも連投したことがあります。人々の解釈は状況によっても変わってくるかも。設問を工夫して、別の角度から調査をしてみてもいいかもしれません(具体的プランはなし)。 twitter.com/IIMA_Hiroaki/s…
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流通の報道では「中間業者を飛ばす」意味の「中抜き」がよく使われます。一方、〈住専返済で1億数千万円「中抜き」、不動産会社元社長らを書類送検へ〉(毎日2000.3.14 西部)など社会面では「差額をだまし取る」意味で使われます。別分野で使われていたことばが、それぞれ一般化したのでしょう。
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欅坂46「不協和音」は、2年前にも書いたとおり、周囲からの同調圧力を恐れないという歌だと解釈しています。この「同調圧力」は、その後辞書に載るようになりました。今年秋に出た『大辞林』第4版では「集団での意思決定の際に、多数派の意見と同調させるように作用する暗黙の圧力」としています。
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このTogetterのまとめは、「せいぜい」の古風な用法が現代に生きていることを、実例の写真で理解することができて有益です。「せいぜい」については、私もインタビューでちらっと述べたことがあります。▽Togetter togetter.com/li/1468501 @togetter_jp ▽朝日新聞デジタル digital.asahi.com/sp/articles/AS…
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英語の勉強をするときも、古文の勉強をするときも、ひとつの意味だけ覚えておけばいい、なんてことはありません。現代日本語を理解し、使用するときも、これとまったく同じです。この表のうち、特に「敷居が高い」には3つの意味を示してありますが、他の語だってさらに別の意味があります。
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もうひとつお教えください。 「『ながめ』は『眺望』よりもやわらかい表現だ」 という文の「やわらかい」を漢字で書く場合、あなたはどの字を使いますか。感じたままお答えください。 1. 柔らかい 2. 軟らかい
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「なるほど」は便利なあいづちです。「ああ、そうですか」「さようでございますか」よりも短く、しかも深く納得した感じが表せます。より丁寧にするために「なるほどですねー」と「ですね」をつける新しい言い方も一般化しました。これも「あり」かもしれませんが、「なるほど」だけでも十分でしょう。
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関ジャニ∞「T.W.L」はクレヨンしんちゃんのテーマで、すでに有名だそうですが、知りませんでした。ことば遊びが多用されていて、北川悠仁さんの才能に脱帽。〈開くto be loved〉なんかは「開く扉」と掛けているんですね。他で使われている例を知りません。
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言語変化がどれほど「あらゆるところ」で進行するか、説明は難しいのですが、辞書の改訂作業が、1回の版で何千、何万か所に及ぶという事実は参考になるでしょう。ある名詞がいつのまにか副詞や形容動詞の性質を示すようになる、などの変化はしょっちゅうです。変化の結果は辞書で報告されます。
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「そういう意味・用法は国語辞典に載っていない。したがってそんな使い方は誤りだ」という主張を聞くと、「いやそれ国語辞典が長い間見落としていただけですから」と逃げ出したくなることが多いです。何十年も使われ、定着している意味を辞書が見落としていることはしばしばあります。すみません。
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「順風満帆」という熟語の成立は歴史的に新しく、最近まで「じゅんぷうまんぱん」でも「じゅんぷうまんぽ」でもよかった。明日発売の『四字熟語を知る辞典』(小学館)では、一般常識に殴り込みをかける記述も盛り込みました。辞書として引くだけでなく、読み物として楽しんでいただければ幸いです。
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著書で「そば」の変体仮名を取り上げました。ありふれた表記という意味で「どこでも目にする」と書いたら、漢字が専門の先輩から「全国に見つかっていますか?」とのご指摘。「九州や沖縄ではとても少ない印象」と伺い、ハッとしました。ウェブで福岡の例をむりに集めてみましたが、確かに少ないです。
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これは何もことばだけの話ではないのですが、私は仕事柄、ことばについて話すのみです。「自分の隣にいる人のことば遣いが見るのも聞くのも嫌だ」という場合、よく自省してみると、それは単に自分と違うから、ということにすぎない場合も多いのです。
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この画像いらないかな、と思いましたが、浴槽の意味の「湯船」が平安・鎌倉の古典にも出てくるということがよく分かると思うので、掲げておきます。右側の『箋注和名抄』の中で「栄花物語」「宇治拾遺物語」などの例に触れられていたので、その左側に原文を貼り付けました。
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番組でトンデモ説を扱うと知っていて協力したい専門家はいません。「筋が悪そう」と思ったら、コメント依頼は断るのが賢明な態度です。でも、結局誰かが引き受けるなら、自分が出て行って穏当な見解を述べたい。こう思って私は引き受けるのですが、思いもよらぬ編集をされることがあるのも確かです。
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感染拡大は終息するものなのか、収束するものなのか。終息は「やむ」こと、収束は「(広がったものなどに関して)おさまる/おさめる」ことで、結論を言えばどっちでもいい。意図しておさめる感じを出したい場合は「収束」ですかね。ブームは「終息」でしょうね。〔続く〕
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#マツコの知らない世界」では「黒歴史」は「∀ガンダム」から出たと述べました。ただ、富野監督自身が「別作品に触発された」という趣旨のことも述べています。とはいえ、あらゆる語源には「そのまた語源」があります。「ガンダムから」という説明は妥当で、諸説割れているとみる必要はありません。
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「歌や踊りの後に拍手をする理由」について専門家の説を紹介しつつ、「諸説あります」と言い添える場面がありました。私はテレビでこれを見るたびに残念に思います。諸説あるなら有力説を放送すべきだし、専門家が名前を出して説明しているなら、「あくまで諸説のひとつ」と軽く扱うのは失礼です。
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「お茶をいれる」の「いれる」を漢字で書くとすると、あなたにとって一番自然なのはどの漢字ですか。教えてください。なお、以下の選択肢の字は、当て字も含め、どれも歴史上は例があるようです。 1. 入れる 2. 淹れる 3. 煎れる
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たとえば、「アヒージョと白ワインで優勝しまくってる」という例は、「最高の料理で大いに満足を感じている」といったほどの意味ですね。2014年には、すでにこういう用法がいくつか観察されます。
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ちなみに、当用漢字は今の常用漢字の前身で、制限色が強かった。だから、先生はある意味、当時の漢字表の精神に忠実だったわけです。とはいえ、世間ではいくらでも「お父さん」と書かれていたのは事実。子どもが書いた漢字に赤字を入れる必要は当時もなかったと、現在の私は思います。〔続く〕
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私は夏目漱石の手紙文を調べました。漱石から見て非常に目上への人への手紙、というのは少ないのですが、少し年上の狩野亨吉には〈右御れいまで 早々拝具〉だけだったり、〈右御礼まで勿々如此に御座候 草々不一〉と長く続けたりしています。「如此に御座候」があると収まりがいいのは確かです。
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前の前の発言、「新語」と言うなら「アナザーファクト」ではなく「オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)」と言うべきでした。2017年に米国発で広まったことばです。それこそ訂正、というか補足しておきます。