飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(古い順)

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また、小隅黎訳『未来からのホットライン』(東京創元社 1983年)に〈それが、あの“大爆誕(ビッグ・バン)”を引き起こしたんです!〉ともありますが、これまた関係ないでしょう。過去にたまたま一回的に使われた例があるからといって、それだけで現在の「爆誕」の源流とは言えないのです。
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「品」「轟」など、同じ漢字が「∴」の形に並んだ形を「品字様(ひんじよう)」と言います。平安時代の『新撰字鏡』にも載っている用語。放送作家の倉本美津留さんは「ピラミッド漢字」と名づけています。一般の人に説明するには、「ピラミッド漢字」という表現は分かりやすそうですね。
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これは「あるある」かもしれませんが、流通過程に関する批判が、なんでかしらん、著書の低評価につながることについて、悲しんでいる著者は多いと思うんですよ。
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「なんでかしらん」というのは「なぜか」とか「なぜか分からないが」とかいう意味で西日本などで使われていると思うんですが、ツイッターで探すとあまり例がないですね。古い、とも思えないのですが。
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見坊豪紀の集めた約145万枚の日本語の用例は、三省堂の資料室に保管されていますが、劣化も進んでいます。ただ、データベース化も難しい。ウィキペディアに〈別の辞書・別の編者が活用することは困難とみられている〉とありますが、誰から〈みられて〉いるのかはともかく、現実的にはそのとおりです。
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エリザベス女王に哀悼の意を表します。 「女王」は「じょおう」か「じょうおう」か、見坊豪紀は1975年、女王来日の際に放送を観察し、アナウンサーも昭和天皇も「じょうおう」と発音することを記録しています。「女」の「ニョ」の音が慣用で「女房(ニョウボウ)」となるようなものと考えられます。
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「ビタイチ分からない」「ビタイチ関係ない」のように、「少しも」を強調して「ビタイチ」と言うことがあります。元は「びた一文」と思われるので、意味が変わっています。私の初見は2019年ですが、2010年代に増えた言い方と思われます。今年の候補にはならないでしょうか。#今年の新語2022
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スターバックスの8月の新作で「沖縄ちんすこうフラペチーノ」というのがあり、ツイッターに「ちんペチる」という動詞が出現しました。しかし、一瞬で見なくなり、「タピる」に遠く及ばなかったのは残念です。#今年の新語2022
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先日の「筋違いの低評価レビュー」のツイートが「ねとらぼ」で取り上げられました。代表的なリプライも紹介されていますね。▽ 自分は悪くないのに……Amazonなど“通販特有の問題”で本に低評価レビューがつく現象に著者が嘆き、被害者からの声も続々 nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/22…
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アマゾンでの筋違いな低評価のことばかり述べましたが、一方で高評価への感謝を忘れていました。「人は不快については話すが、快については話さない」という、私がよく言っていることの実例になってしまいました。『三省堂国語辞典』第8版は実に7割の5つ星評価をいただいており、深く感謝しています。
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国葬儀の案内状が「謹啓」で始まって「敬具」で終わっていることが、少し話題になっているようです。冠婚葬祭の本や国語便覧の類いでは「拝啓――敬具」、「謹啓――謹白」などと示すものがありますが、そう厳密なものでもなさそうです。昔の手紙文では「謹啓――敬具」の例も普通にあります。
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国語辞典の説明を見ると、『明鏡』は「謹啓」の結びとして「敬白・謹言・敬具」を出し、『大辞林』は「敬白」が多いが「敬具」でも差し支えないと記し、『大辞泉』は「敬白・謹言」で結ぶと記し、要するに一致していません。頭語と結語は一対一対応しているわけではなく、柔軟に考えていいでしょう。
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「ぬいぐるみ」を「ぬい」と言ったのは、作家の新井素子さんが早いんでしょうね。『ひでおと素子の愛の交換日記4』(角川文庫)所収の「正しいぬいぐるみさんとの付き合い方」(1985年の文章)では、途中まで「ぬいぐるみさん」だったのが、途中から「ぬいさん」になります。「さん」がついています。
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手紙の頭語と結語は、昔は本当に厳密でなかったらしく、戦前の手紙の本を見ても、大ざっぱにいくつかの語を例示するにとどまるものが多いです。夏目漱石の手紙を見ると、「拝啓」に対して「草々」を使うものも珍しくなく、うっかり誤ったというわけでなさそう。昔は大ざっぱだったのです。
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ああ、「ウルトラマンティガは世代なので(=私はティガを見ていた世代に属するので) 投票1位になってうれしい」のような使い方ですね。気づきませんでした。「〇〇地区は学区なので(=私は〇〇地区を含む学区に属していたので)詳しい」のような語法でしょうか。類例はほかにもありそうに思います。 twitter.com/yashiro_with_t…
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>RT 「悩ましい」は「悩殺される感じだ」の意味が本来だ、というのは事実でなく、『三省堂国語辞典』第8版が打ち消そうとしているフェイクのひとつです。以前は有識者が活字でこのフェイクを広めていました。「悩む気持ちだ」の意味で昔から使われています。
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NHK23日(金)23:45~「不可避研究中」に協力しました。〈辞書編さんのプロ・言葉ハンターに移り変わる言葉の悩みを相談!〉という部分で、少しだけVTR出演するかもしれません。「圧」を感じずにことばを使いたいものです。▽「何かと言いにくくて...圧 表現を考える」 - NHK nhk.jp/p/fukahi/ts/MK…
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夏目漱石がI love youを「月がきれいですね」と訳した説はガセ?出典をめぐる検証が興味深い togetter.com/li/1948142 #Togetter
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「I love you」を「月がきれいですね」と訳させた教師の話は1970年代に現れた都市伝説と考えられ、『三省堂国語辞典』第8版の「愛する」でも説明しました。ただ、誰が言い出したかさえ問わなければ、なかなかうまい言い回しであり、ことばに関心のある人同士で、符丁として実際に使えると思います。
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「月がきれいですね」という婉曲表現が、漱石うんぬんと関係なく、現に存在するのは事実です。しかもその返し方もあるみたい。「あなたと一緒に見るからでしょう」というのはいいですね。これで「I love you」「Me too」になります。6の女さんの動画で知りました〔2:13~〕。youtu.be/0c39iUSz4hA
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「月がきれいですね」という表現が有名になったのは、日本語でストレスなく愛を伝えられる表現が乏しいことが背景にあるんでしょうね。使える表現が待望されていたわけです。もっとも、お互いに気持ちが十分近づいた段階での告白なら、「愛してます」でも「好きです」でもすっと言えると思いますが。
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以前のツイートでちょっと触れた中江俊夫「火と藍 XV」という詩をご紹介しましょう。この詩もまた、「I love you」の気持ちをいろいろなことばで婉曲に示しています。「月がきれいですね」のフレーズが有名になる前の作品で、作者の鋭敏な言語感覚が感じられます。
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「月がきれいですね」が夏目漱石の逸話だという説(これ自体はガセネタ)を放送した番組として2008年2月25日の日テレ「深イイ話」がすでに紹介されていますが(「君といると月がきれいですね」の形で)、私はその1週間ちょっと前にNHK「クイズモンスター」の例を採集しています。ご査収ください。
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私のツイート内容がセンシティブではないかとツイッターに言われてしまいました。一応の弁明を送信しておきました。
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京都に来る意味で「来京」ということばはない、とする投稿が話題になっています。これに対し、明治以前の例も指摘されていますが、「古川ロッパ日記」昭和11年に京都に来る意味で〈吉岡専務来京〉とあるなど、昭和初期までは散見されます。現在の新聞の大阪版でも例を拾いましたが、これは少数例です。 twitter.com/nikkei_kotoba/…