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Vtuberの名取さなさん、配信で『三省堂国語辞典』第8版の項目を紹介してくださって、しかも購入してくださったんですね。ありがとうございます。ひとつひとつの新語を載せるかどうか、大真面目で議論してる私たちです。お勉強の書としてだけでなく、楽しめる書としてもご利用くださいませ。 twitter.com/sana_natori/st…
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安倍元首相狙撃のニュースに接する。元首相へのお見舞いの気持ちは言うまでもないとして、報道を聞いてまず思ったのは、言論がテロで封殺された昭和戦前まで、日本の水準が戻ってしまったということ。取り戻すのに何年かかるか、犯人は何を勘違いしてるのかと、残念さと怒りを感じるのが今の心境です。
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元首相死去の報に接し、お悔やみ申し上げます。先ほどのツイートに付け加えることはないです。日本が要人テロの起こるレベルであることに愕然とし、犯人はテロで何か達成できると思ってるのか、むしろ愚かで有害な、さげすむべき行為でしかないのに、と茫然とするばかりです。
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安倍元首相銃撃について、テロかテロでないかという議論が起こっています。私自身は、この事件はテロの条件を多く備えていると考えますが、政治の専門家ではなく、ここでどちらかの結論を出そうとするものではありません。それでも、ことばを扱う立場から述べられることはあると思います。(続く)
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ここで指摘したいのは、「ある用語について、ひとつの定義を、あらゆる時と場合に用いることは難しい」ということです。あることばが、ある定義に反するから使えないと考えると、言語活動がかなり限られてしまうことに注意が必要です。
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「大喪」の昔の用例を見直していました。昭和天皇崩御の日、NHKアナウンサーが「政府は大正天皇のご葬儀を参考にいたしまして、たいものれいは……たいそうのれいは……参考にいたしまして、たいそうのれいは崩御後40日から50日後に行う方針で」と原稿を読んだ。アナウンサーでもそんな感じでした。
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「大喪」は昔はどう読んだかというと、辞書類には「たいそう」「たいも」の両方がありますね。昭和天皇の大喪の礼については、小渕官房長官が開式の辞で「ただ今から、たいそうのれい、おんしきを、きょきょう(と噛んで)、挙行いたします」とアナウンスした。小渕さんらしさが感じられました。
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「大喪の礼」自体は、ことばとしては遅くとも明治時代からありましたが、人々に知れわたったのは昭和天皇の大喪の時で、一種の新語と言えるでしょう。この出来事に立ち会った大人にとってはなじみの語になりました。その当時子どもだった人々にとっては、今日でもなじみがないだろうと思います。
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私が「ことばの間違い」を指摘しないので「優しい」とよく言われますが、べつに詭弁を弄して「間違い」を「正しい」と言いくるめているわけではありません。ことばの観察者として事実を提供するだけです。ことばを安易に正誤に分ける考え方については、むしろ厳しく批判していきたいと思います。 twitter.com/nagi9_14/statu…
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『三省堂国語辞典』に載った「漫画発のことば」についてインタビューを受けました。「黒歴史」「斜め上」のほか「正ちゃん帽」などという古い例も。この帽子は今もありますが、「ポンポン付きニット帽 」などとも表現されているかな。▽集英社オンライン shueisha.online/entertainment/…
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「しっかり!」は昔は応援にも使ったのですが、今の学生に聞くと〈上から言っているよう〉に聞こえるそうです。一方、上皇后さまが皇后の時、被災者に〈「しっかり、しっかり」と、手を握って励まされた〉という報道もありました。そんなやわらかい使い方もあること、辞書で説明したい気がしますね。
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私の文章論の本も踏まえたロングインタビュー。〈難しい言葉を知らなくてもいい〉、つまり語彙力がなくても分かりやすい文章が書けるという話ですが、べつに逆張りではありません。難しいことばは相手も自分もどうせ知らないので、伝達の妨げになるのです。▽クリスクぷらす plus.clisk.com/article/5345.h…
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無料アプリ「じしょ君」は、「愛する」を引くと〈の好きな〉〈喜びを得る〉などの変な語釈が出てくるので、使わんほうがいいと思っていますが、それが創作者の方によって〈一番好きな辞書〉と言われてしまうのは、既存の辞書がつまらないせいかな。作り手としては反省材料になります。 twitter.com/mori_57577/sta…
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「そういう意味・用法は国語辞典に載っていない。したがってそんな使い方は誤りだ」という主張を聞くと、「いやそれ国語辞典が長い間見落としていただけですから」と逃げ出したくなることが多いです。何十年も使われ、定着している意味を辞書が見落としていることはしばしばあります。すみません。
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22日放送の「#月曜から夜ふかし」で『三省堂国語辞典』の削除語が取り上げられました。「こんな語が削られました」と紹介されて5分ほどで終わった。ところがツイッターでは「何でこの語が?」などと反響が大きい。辞書の削除方針について説明がないと誤解を招くので、画像を上げておきます。
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国語辞典の項目は「古いから削除する」という場合も多いですが、「固有名詞の項目を減らす」「別の項目の中で説明できる」など、種々の理由があります。そういう説明抜きに取り上げられると臆測や疑問を呼びます。三省堂の人々は企画段階で説明したことと思いますが、放送を見て落胆しているのでは?
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それはないです。性俗語を他の語と同様に「使われているから」という基準で国語辞典に取り入れていくと、性俗語辞典の様相を呈してくるので(何しろいくらでもあるので)、それは別の辞書に任せるということです。 twitter.com/cryptrhythm/st…
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古いホームページにはしばしば、閲覧するごとに数字が増えるアクセスカウンターが設置してあります。閲覧者がキリのいい番号に出合うことを「キリ番ゲット」「キリ番を踏む」と言った。この「踏む」の用法はついに国語辞典に載らなかったかもしれません。
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