飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(古い順)

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5人の中で「(160cmの)Cの次に背が高い人は?」と問われ、「(155cmの)B」と答える人、「(165cmの)D」と答える人の二手に意見が分かれて、話題のようですね。私個人はBで疑いの余地がないのですが、Dが多いことには「へえー」と思いました。「へえー」が、私の感想です。twitter.com/Yuki_jukjis/st…
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アンケート結果には山ほどリプライがついているので、今さらですが、「80点の太郎さんの次に成績がいい人」と言われれば、太郎さんよりやや成績がよくない人を指すはず。それで、アンケートの答えはBで動かないと思ったのですが、数列的に考えるなど、別の考え方もあるのかな、と素朴に驚いた次第。
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私の関心事は、この言い方が、実際のコミュニケーション上で、どのくらい誤解を生んでいるか、ということです。数列的な文脈でなく、一般に「花子さんの次に背が高い人は?」と言われたとき、花子さんより若干背の低い人を想起すると思うのですが、もしその逆の人も多いなら、表現に注意が必要ですね。
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もうひとつの関心事は、こうした結果によって、辞書の記述を見直す必要はあるか、ということです。同様の研究がいろいろと行われ、分析が進めば、あるいは記述見直しもあるでしょう。ただ、今のところは、まあもう少し様子を見てみたい、と思います。ともかく「へえー」という情報でした。
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「次に高い」問題、「へえー」だけでは何なので、分析を加えます。既出ならばご容赦。 まず、現状を次のように仮定します。〈従来は「(160cmの)Cの次に背が高い人」とは「(155cmの)B」の意味だった。ところが、新たに「(165cmの)D」の意味が勢力を伸ばした〉。以下、この仮定に従って述べます。
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従来は、序列でCよりも一段階低いBを表現するときは「Cの次に背が高い人」と言えば通じました。ところが、Cよりも一段階高いDを表現する言い方がありませんでした。たとえば「Cの次に背が低い人」などとは言いにくかったのです。これは日本語の欠陥と言われてもしかたがありません。
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もし、Cがクラスで一番低い場合、2番目に低い人を「Cの次に背が低い人」と言うことはできました。例、「組で一番小さいジュンちゃんの次に小さいのが邦子ちゃんである」。また、「松江は(中国地方の人口規模で)山口、鳥取の次に小さな市だ」という例もあります(実際の文章をやや改編しました)。
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ところが、Cがクラスで中ぐらいの背の高さだった場合、それよりも一段階高いDのことを「Cの次に背が低い人」とは言えませんでした。つまり、Dのことを指す言い方がない。言いたいことを言えない(言いにくい)とすれば、それは日本語の欠陥と言うしかありません。
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新しい用法は、その欠陥を補うべく生まれたとも考えられます。Cよりも一段階低いBのことは「Cの次に背が低い人」、Cよりも一段階高いDのことは「Cの次に背が高い人」と言えば、両方とも表現できます。日本語が進化したわけです。
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もっとも、これでは新旧それぞれの用法で意味が正反対になるという問題があります。「Cの次に背が高い人」と言った場合、旧解釈では「Cよりも一段階低いB」を指し、新解釈では「Cよりも一段階高いD」を指し、誤解が生まれます(意味の違いが新旧の違いによるかどうかは分かりません、念のため)。
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先にも述べましたが、私の関心事は、実際にはどのくらい誤解が起こっているかということです。リプライを見ると「アンケートでは数字が表のように捉えられたので「D」と答えたが、会話で聞けば「B」かも」という意見もありました。実際の流れでBと解釈する人が多ければ、誤解は少ないでしょう。
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やはり、この問題は、継続して観察したいと思います。やや恐れるのは、今後どこかのメディアが粗雑な調査をして、その結果が一人歩きすることはないか、ということです。質問のしかたには慎重さが求められることを付け加えておきます。
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文中、「一段階低い」「一段階高い」とは変な言い方ですが、ほかにうまい言い方が見つかりませんでした。お許しください。
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ふぃっしゅっしゅ さんのアンケートでは、傾向が逆になっていますね。おやおや。ただ、解釈が二手に分かれるという構図はここにも見て取れますね。 twitter.com/kyodaisuu/stat…
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「○○の次に高い」は、従来どんな場合に使われたか、探してみました。残念ながら「高い」の例は出てこず、「多い」「大きい」等の例しかありませんでした(調査不足です)。どれも「一番程度の高いもの」をまず示し、「その次」で「2番目」を表しています。私はこの言い方が頭にあったのでしょう。
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東京の大きなターミナル駅で「LADYS」という表示を見かけました。「LADIES」だろうと思います。米グーグルで検索すると、「LADYS」も出てきますが、俗用じゃないでしょうか。"ladys clinic"で検索すると、日本のサイトが上位に来ます。"ladies clinic"ならそういうことはありません。
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2000年に国語審が「ローマ字では姓→名の順の表記が望ましい」と答申した時、朝日(天声人語)も産経(主張)も賛意を示しました。「天津乙女」「霧立のぼる」は特別としても、姓名は全体でひとつの形だと思うので、私自身もIIMA Hiroakiと表記しています。▽朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASM5P…
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敬語というと、教科書に厳密なルールが示されているようですが、実際には、ルールがなくて自分で判断しなければならない局面が多いですね。グレーゾーンが大きく、だからこそ「敬語の研究」という学問が成り立つ。「日本語の敬語ではこう決まっています」と言い切る発言を目にしたら、ご注意ください。
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「もっと厳しい態度で日本語の乱れを防いでほしい」という声をよくいただきます。私も、いくつか適当なことばを見つくろって「誤用だ」と非難するのは簡単です。でも、言語変化はあらゆるところで進行しています。その全部にNOを言うことは現実に不可能です。「識者」の批判は自己満足に終わります。
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言語変化がどれほど「あらゆるところ」で進行するか、説明は難しいのですが、辞書の改訂作業が、1回の版で何千、何万か所に及ぶという事実は参考になるでしょう。ある名詞がいつのまにか副詞や形容動詞の性質を示すようになる、などの変化はしょっちゅうです。変化の結果は辞書で報告されます。
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言語学の初歩を学ぶと、「それは誤用だ」と断定することが難しくなります。「変化することこそがことばの本質だ」というのが基本だからです。「飯間さんはことばに対する姿勢が優しい」とも言われますが、べつに姿勢とか主義とかの問題ではなく、学問の基本に忠実に考えると、誰でもそうなります。
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ことばについて、言語学(日本語学)のどの先生に質問しても、「それは誤用です」と言われることはほとんどないだろうと思います。「姿勢」ということばをあえて使うなら、研究者の姿勢は、結果的にことばに優しくなるわけです。「誤用」は定義できず、学問的にどうこう言うことができないからです。
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学問的に「誤用」を扱おうとすれば、たとえば一般人にアンケートを取って「この語は誤用と感じますか、感じませんか」と聞いてみる方法はあります。ただ、誤用と感じる人が多い語はそもそも普及しないので、「識者」が批判するまでもなく消えていきます。ことばは自律飛行に任せるのが望ましいのです。
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蛇足です。ほんとに「誤用と感じますか」というアンケートを取ると、この設問自体が「誤用」の存在を示唆してしまうので、実際には「あなたは使いますか、使いませんか」の形で問うことが多いです。だから「誤用意識」のアンケートというのも難しいですね。
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人が夜に見た夢の話を聞くのは面白い。自分の夢も人に話したい。ところがあるとき「つまらないから聞きたくない」と言われ、以来夢の話は封印しました。朝ドラ「まんぷく」(2/27)で鈴が「人から聞いて一番つまらないのは夢の話」と言うのを聞き、へえーと思いました。あなたにとって他人の夢の話は?