飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(新しい順)

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アマゾンでの筋違いな低評価のことばかり述べましたが、一方で高評価への感謝を忘れていました。「人は不快については話すが、快については話さない」という、私がよく言っていることの実例になってしまいました。『三省堂国語辞典』第8版は実に7割の5つ星評価をいただいており、深く感謝しています。
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先日の「筋違いの低評価レビュー」のツイートが「ねとらぼ」で取り上げられました。代表的なリプライも紹介されていますね。▽ 自分は悪くないのに……Amazonなど“通販特有の問題”で本に低評価レビューがつく現象に著者が嘆き、被害者からの声も続々 nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/22…
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スターバックスの8月の新作で「沖縄ちんすこうフラペチーノ」というのがあり、ツイッターに「ちんペチる」という動詞が出現しました。しかし、一瞬で見なくなり、「タピる」に遠く及ばなかったのは残念です。#今年の新語2022
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「ビタイチ分からない」「ビタイチ関係ない」のように、「少しも」を強調して「ビタイチ」と言うことがあります。元は「びた一文」と思われるので、意味が変わっています。私の初見は2019年ですが、2010年代に増えた言い方と思われます。今年の候補にはならないでしょうか。#今年の新語2022
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エリザベス女王に哀悼の意を表します。 「女王」は「じょおう」か「じょうおう」か、見坊豪紀は1975年、女王来日の際に放送を観察し、アナウンサーも昭和天皇も「じょうおう」と発音することを記録しています。「女」の「ニョ」の音が慣用で「女房(ニョウボウ)」となるようなものと考えられます。
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見坊豪紀の集めた約145万枚の日本語の用例は、三省堂の資料室に保管されていますが、劣化も進んでいます。ただ、データベース化も難しい。ウィキペディアに〈別の辞書・別の編者が活用することは困難とみられている〉とありますが、誰から〈みられて〉いるのかはともかく、現実的にはそのとおりです。
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「なんでかしらん」というのは「なぜか」とか「なぜか分からないが」とかいう意味で西日本などで使われていると思うんですが、ツイッターで探すとあまり例がないですね。古い、とも思えないのですが。
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これは「あるある」かもしれませんが、流通過程に関する批判が、なんでかしらん、著書の低評価につながることについて、悲しんでいる著者は多いと思うんですよ。
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「品」「轟」など、同じ漢字が「∴」の形に並んだ形を「品字様(ひんじよう)」と言います。平安時代の『新撰字鏡』にも載っている用語。放送作家の倉本美津留さんは「ピラミッド漢字」と名づけています。一般の人に説明するには、「ピラミッド漢字」という表現は分かりやすそうですね。
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また、小隅黎訳『未来からのホットライン』(東京創元社 1983年)に〈それが、あの“大爆誕(ビッグ・バン)”を引き起こしたんです!〉ともありますが、これまた関係ないでしょう。過去にたまたま一回的に使われた例があるからといって、それだけで現在の「爆誕」の源流とは言えないのです。
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「爆誕」は1999年のポケモン映画「ルギア爆誕」から広まったと見るのが自然です。「ウィクショナリー」の記述のように、たしかに柳瀬尚紀訳『フィネガンズ・ウェイク』にもあるのですが、この小説は難解な造語だけで成り立った独特の作品で、ここから「爆誕」だけが特に一般化するとは考えにくいです。
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古いホームページにはしばしば、閲覧するごとに数字が増えるアクセスカウンターが設置してあります。閲覧者がキリのいい番号に出合うことを「キリ番ゲット」「キリ番を踏む」と言った。この「踏む」の用法はついに国語辞典に載らなかったかもしれません。
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それはないです。性俗語を他の語と同様に「使われているから」という基準で国語辞典に取り入れていくと、性俗語辞典の様相を呈してくるので(何しろいくらでもあるので)、それは別の辞書に任せるということです。 twitter.com/cryptrhythm/st…
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国語辞典の項目は「古いから削除する」という場合も多いですが、「固有名詞の項目を減らす」「別の項目の中で説明できる」など、種々の理由があります。そういう説明抜きに取り上げられると臆測や疑問を呼びます。三省堂の人々は企画段階で説明したことと思いますが、放送を見て落胆しているのでは?
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22日放送の「#月曜から夜ふかし」で『三省堂国語辞典』の削除語が取り上げられました。「こんな語が削られました」と紹介されて5分ほどで終わった。ところがツイッターでは「何でこの語が?」などと反響が大きい。辞書の削除方針について説明がないと誤解を招くので、画像を上げておきます。
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「そういう意味・用法は国語辞典に載っていない。したがってそんな使い方は誤りだ」という主張を聞くと、「いやそれ国語辞典が長い間見落としていただけですから」と逃げ出したくなることが多いです。何十年も使われ、定着している意味を辞書が見落としていることはしばしばあります。すみません。
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「国語辞典の説明はどの学説に基づくのか。誰に取材するのか」と聞かれることがあります。基本的には、ことばの使用実態に基づきます。ウサギは耳が短い種類もあるので、百科事典は「耳が長い」とは書きません。一方、国語辞典はことばの使われ方に基づき、「耳が長い」と書きます。ここが両者の違い。
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遠藤周作の小説『スキャンダル』に「ハッピる」なることばが出てきます。ハッピーを動詞化したらしい若者ことばという設定ですが、「そんなことばはないやろ」と思っていました。今年になってローソンで「ハピろー!」という広告が出ているので、遠藤周作の先見の明に敬服した次第です。
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無料アプリ「じしょ君」は、「愛する」を引くと〈の好きな〉〈喜びを得る〉などの変な語釈が出てくるので、使わんほうがいいと思っていますが、それが創作者の方によって〈一番好きな辞書〉と言われてしまうのは、既存の辞書がつまらないせいかな。作り手としては反省材料になります。 twitter.com/mori_57577/sta…
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私の文章論の本も踏まえたロングインタビュー。〈難しい言葉を知らなくてもいい〉、つまり語彙力がなくても分かりやすい文章が書けるという話ですが、べつに逆張りではありません。難しいことばは相手も自分もどうせ知らないので、伝達の妨げになるのです。▽クリスクぷらす plus.clisk.com/article/5345.h…
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以前の補足となりますが、「中抜き」の本来の意味は何かといえば、まさに「中を抜くこと」であって、そこからいろいろな意味が派生しています。「仲介者がピンハネすること」「仲介者を抜かすこと」ともに新しい意味なので、本家争いをしてもあまり益がないわけです。
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いわゆる同訓異字について、以前、私の考えを述べた文章です。訓というのは結局、漢字に無理に日本語を当てはめたものにすぎません。『三省堂国語辞典』で使い分けを示すのは、あくまで迷う人のための提案である、という説明です。この説明は『三国』の凡例に詳しく書くべきであったと思います。
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「しっかり!」は昔は応援にも使ったのですが、今の学生に聞くと〈上から言っているよう〉に聞こえるそうです。一方、上皇后さまが皇后の時、被災者に〈「しっかり、しっかり」と、手を握って励まされた〉という報道もありました。そんなやわらかい使い方もあること、辞書で説明したい気がしますね。
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『三省堂国語辞典』に載った「漫画発のことば」についてインタビューを受けました。「黒歴史」「斜め上」のほか「正ちゃん帽」などという古い例も。この帽子は今もありますが、「ポンポン付きニット帽 」などとも表現されているかな。▽集英社オンライン shueisha.online/entertainment/…
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〈私はネットでは「どんな言葉も許す優しいおじさん」みたいに思われているようですが〉と、『ユリイカ』8月号で述べました。私にとって「間違ったことば」とは、自分だけで納得していて、人に伝わらないことば。ただし、その言い方が自分だけのものか、けっこう広まっているかの判断は難しいですね。