飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(新しい順)

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関ジャニ∞「T.W.L」はクレヨンしんちゃんのテーマで、すでに有名だそうですが、知りませんでした。ことば遊びが多用されていて、北川悠仁さんの才能に脱帽。〈開くto be loved〉なんかは「開く扉」と掛けているんですね。他で使われている例を知りません。
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藤井風「死ぬのがいいわ」で〈死んでも治らな治してみせますbaby〉の「治らな」に反応。「治らない」の「い」が取れたのではなく、「治らないなら」意味でしょうね。「そんなダサいこともうしたない(したくない)のよ」も方言的。藤井さんの出身地の岡山方言?
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乃木坂46「裸足でSummer」。乃木坂の曲を根拠に辞書の項目の候補にしたことばとして「インフルエンサー」があります。今回の曲にも「サイドウォーク」(歩道)、「ルイボスティー」など小型辞書に載っていていいかな、と思うものがありました。
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King Gnu「Stardom」の歌詞は難しい漢字が多く使われています。〈草臥れた足〉〈生に涯があったって〉などは難読でしょう。「草臥(くたび)れる」「涯(はて)」です。「涯」は私のパソコンの漢字変換では出てきませんでした。
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ウタの曲名になっている「新時代」ということばは、もちろん新しい時代ということですが、広まったのは明治時代以降で、モダンでしゃれている様子にも使われました。芥川龍之介の文章に〈〔靴が〕新時代に出来上ってゐた〉とあるそうです。
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坂本冬美「お祭りマンボ」。美空ひばりソングは昔から歌っていますが、〈火事は近いよ スリバンだ〉とか、今ではなじみのない語句もありますね。「スリバン」は擦り半鐘で〈近火の時、続けざまに半焼を鳴らすこと(音)〉(『新明解国語辞典』)。現代語重視の『三省堂国語辞典』には載ってないです。
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Perfumeの曲紹介で、西脇綾香さんが〈紅白さんではまだ歌ったことのないとっておきの楽曲なので〉。番組名を「さん付け」で呼ぶのが珍しくて面白かったです。
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Snow Man「ブラザービート」は文字数が多くて注目点が多いですが、〈楽しみにしていたのに消えてガチ病み〉という「病む」の用法は押さえておきたい。残念、憂鬱になることですね。〈矜羯羅がっちゃう〉の矜羯羅は八大童子の名だそうですが、なぜこの当て字をするのか不明ですな。
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三浦大知「燦燦」での注目点は何と言っても〈降り注ぐ順光線〉ですね。グーグルトレンドでは、「ちむどんどん」の放送時期に「順光線」の検索数が急に増えています。正面から照らす光線のこと。大型辞典には載っていますが、『三省堂国語辞典』には載っていないんです。
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SEKAI NO OWARI「Habit」では〈隠キャ陽キャ?〉というフレーズが出てきますが、「陰キャ」でないことに注目しました。べつに陰気、陰険なキャラではなく、隠然たる影響力のある隠者なのかも。「陰キャ・陽キャ」は『三省堂国語辞典』第8版の新規項目です。
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鈴木雅之「違う、そうじゃない」の〈手の平返しなんて 君が思ってる程/器用な僕じゃないさ〉。この「手の平返し」は『三省堂国語辞典』では最新の第8版で入れたことばです。この歌は1994年の歌とのことなので、辞書に載せたのがずいぶん遅かったということですね。
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NiziU「CLAP CLAP」は手をクラップして地球の裏までもつながろう、という曲ですが、私なんかは坂本九さんの歌った「幸せなら手をたたこう」を思い出してしまうわけです。あの歌の令和バージョンはこうなるのか、と感慨があります。
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milet「Fly High」はウィンタースポーツ応援ソングですが、〈見たことのない景色まで〉飛べる、というのはスポーツらしい表現ですね。『三省堂国語辞典』第8版では「景色」の項目に「優勝して、見てみたい―がある」の例文を入れました。
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なにわ男子「初心LOVE」には〈何度も見返すタイムライン〉とSNSを見ている場面が。ポップスには、ポケベルとかピッチとか、その時々のコミュニケーションツールが出てきます。今のところ、LINEやツイッターの出てくる曲はほかに思いつきません。
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SixTONES「Good Luck!」でさっそく〈叶えたい夢があんだ〉という口語形を採集。「あんだ←あるんだ」の変化は、辞書の巻末で説明していますが、もっと説明を加えたいところです。
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「紅白」で採集したことばが、ただちに『三省堂国語辞典』に載るわけではありません。ただ、Official髭男dism「Pretender」の「世界線」、星野源「うちで踊ろう」の〈重なり合うよな〉の「よな」、天童よしみ「あんたの花道」の「なりゃこそ」など、地味に改訂作業の資料となった歌詞は多いです。
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本日放送の「第73回NHK紅白歌合戦」は、昨年より10分早い19:20からとのことですね。例年どおり、この機会に番組で歌われる歌詞や交わされる会話の中から、辞書作りの上で参考になることばを採集し、ツイートしていきたいと思います。よろしければお付き合いください。
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「朝の挨拶」についての興味深い調査を長野県の高校生たちが始めました。リンク先のアンケートフォームから、回答にご協力くださいませんか。学生でも一般の方でも参加できます。面白い結果が出るかどうか楽しみです。なお、設問に関しては、私も多少アドバイスしました。twitter.com/seiryo21235/st…
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『たくさんのふしぎ』2023年2月号(福音館書店)として、デザイナーで習字の先生でもある井原奈津子さんの「字はうつくしい」が刊行。ご覧のように、全40ページにわたり独自収集の魅力的な手書き文字がいっぱい。詳しくはぜひ直接見て!としか。飯間が昔書いた文字も見開きで紹介していただきました。
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この本に繰り返し出てくる「ベネファクティブ」という用語。これは、「~てやる」「~てもらう」「~てくれる」などを総称した言い方で、ざっくり「やりもらい表現」と言い換えて理解してもいいでしょう。「させていただく」は「もらう系ベネファクティブ」というわけ。詳しくはググってください。
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『「させていただく」大研究』の表紙のイラストは私が描かせてもらいました。眼鏡の形などが私のに似ていますが、これは「イタダ君」というキャラです。日本語大好き青年で、「(させて)いただく」に異常な関心を持っているという設定です。
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何かと批判される表現「させていただく」について研究者たちが論じた『「させていただく」大研究』(くろしお出版)が刊行されました。研究書なので専門用語もありますが、漫才のことばの分析あり、食べログの調査ありで、日本語に関心のある皆さまにお勧めです。私の論考も載せてもらっています。
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「エモい」について、古代の「あはれ」はこれとほとんど同じ用法を持つと、三省堂「今年の新語2016」の選評は述べています。ところが、ほぼ同時期、落合陽一さんが同じ表現をしていることを知りました。「あはれ」と関連づけることは間違っていなかった、という気持ちを強くします。
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「できるくない」などと使う終助詞「くない」の先祖として、「違うくない」がありました。たとえば、毎日新聞校閲部編『新聞に見る日本語の大疑問』に「ねえ、傘、ちがうくない?」とあります(1993年2月15日記事)。この「くない」はひとつの終助詞でなく、「違うく+ない」と分析されるものです。
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Vチューバーの名取さなさんが「♯今年の新語2022」のベストテンをいじってくれました。7位の「一生」を評価してもらえてうれしいです。「ガクチカ」「リスキリング」は現実的すぎてNGワードになるらしく、抹消されてしまいました。 youtu.be/wF4CDOjllqY