飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(新しい順)

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同居婿の意味の「マスオさん」を『三省堂国語辞典』は載せています。すごいでしょう――と言いたいところですが、実は『大辞林』第3版(2006)のほうが早く載せていることは指摘しておきます。『三国』が載せたのは第6版(2008)から。後には『三省堂現代新国語辞典』にも載っています。
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両辞書のもうひとつの違い。『広辞苑』の説明は短く簡潔、『大辞林』の説明はやや長く丁寧、という特徴があります。どちらがいい、というのでなく、ユーザーの好みの問題です。字数が多いからといって、一概に情報量が多いということでもありません。このあたりはぜひ読み比べてみてください。
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そうは言っても、べつに『広辞苑』は近現代語が手薄とか、『大辞林』は古典語が苦手とかいうのではありません。どちらも全般に詳しいのですが、『広辞苑』は古典語の変な単語まで異様に詳しく、『大辞林』は近現代の硬質な語を異常に好むようだ、ということです。あくまで私の印象批評です。
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『広辞苑』を持ってる人でも『大辞林』が必要な理由。『広辞苑』は古典語重視、『大辞林』は近現代語重視なんです。例文も、『広辞苑』は古典の文章が、『大辞林』は近代の文章が多い印象です。画像の「安慰」の項目は、『広辞苑』では古典の「古今著聞集」を、『大辞林』では漱石の例を使っています。
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一般名詞や固有名詞の「十」は「ジッ」か「ジュッ」か。今やレジェンドの女性アナが1989年1月5日放送のNHK教育「ETV8」で「十返舎一九」を「じゅっぺんしゃ…」と読んだ時点で、私の中ではどっちでもよくなりました。なお、NHKの最新版のアクセント辞典では一般に「ジッ」が主、「ジュッ」は許容です。
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「『十回』の『十』は『ジュッ』でなく『ジッ』と読む、本来の字音『ジフ』の変化だからだ」という主張があります。歴史的にはそうですが、現在の常用漢字表の「十」には「ジッ」の備考欄に「『ジュッ』とも」と記されています。現在一般的な「ジュッ」がお墨付きを得た格好。テストでは両方マルです。
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『大辞林』第4版はカバーを外した表紙も面白いです。カギカッコとか繰り返し符号とかの記号(約物〈やくもの〉)がデザインされています。第3版は「、」「。」が主でしたが、第4版は「ぐ」「ぐ」「ぐ」という「くの字点」が目を引きます。
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『大辞林』第4版の語句訂正、「スーダン」の項目で〈黒人〉は〈アフリカ系〉になっています。編集姿勢の一端が推察されます。「恋愛」が〈男女が恋い慕うこと〉→〈互いに恋い慕うこと〉となったのはすでに指摘されているとおり。この手入れは『三省堂国語辞典』などもすでに行っています。
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『大辞林』第4版、肝心の改訂の度合いはどのくらいか、2ページだけ調べてみました。このページではたまたま26の新規項目、6つの手入れ項目(語句訂正など)が見つかりました。こういう作業を約3000ページにわたってやっているわけですから、溜め息が出ますね。
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『大辞林』第4版を手にしてすぐ気づいたのは「なんだか薄くなってない?」ということでした。見てはっきり感じられる。しかし、実際は約200ページ増えています。紙が薄くなったのです。めくる感じは旧版と同じ。旧版は裁断面に筋が見えますが、第4版には筋がなく、きれいに裁断されています。
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のりださないこと 立てかけないこと かけこまないこと 立ち入らないこと それが一番大事 と、見るたびに歌いたくなります。
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ニュースサイトで、「注目記事」などの形で過去ニュースが表示されることがあるでしょう。何の気なしに見ていると、実は数年前の記事。日付をぼかして注意を引いているのかな。これは明白に過去記事と分かるようにすべきです。でないと「以前あったのと似たような事件がまた起こった?」と混乱します。
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蛇足ながら、ネットメディアにせよ、新聞・雑誌メディアにせよ、取材の際に述べたコメントは、多くの場合、原稿化されたものを確認する機会がもらえます。読んでみると、けっこう、数字が違っていたり、意味が正反対になっていたりします。コメントの確認を条件に取材に応じるのが望ましいですね。
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まとめると、こういうことです。「1年前に迫った東京五輪」は、理屈は分かるものの、ごく少数派の言い方ではある。私自身が書くなら、やはり多数派の言い方で、「1年後に迫った東京五輪」とするだろう。あるいは「東京五輪まで〈ちょうど/あと〉1年」とか。報道ではこの表現も聞かれましたね。
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時間の前後を表すことばは、時として逆の意味になります。「母は3年前に亡くなった」を、昔は「母は3年あとに亡くなった」とも言いました。また、「先のことを考える」の「先」は未来、「先に行われた選挙」の「先」は過去です。「1年前に迫った東京五輪」と聞いて、そのことを連想しました。
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ネットでの主な指摘は、要するに「『1年前に迫った東京五輪』ではなく『1年後に迫った東京五輪』と言うのが普通だ」ということだと思います。私も同意見です。どちらが正しいか、と裁くことはできませんが、実例では、「6日後に迫った」「1か月後に迫った」など、「~後に迫った」が大多数です。
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「いよいよ1年前に迫った東京2020オリンピック・パラリンピック」という広告の文言について、ネットで議論があったそうですね。これについて、ネットニュースから見解を問われました。短い記事の中では、必ずしも私の真意が反映されていない部分もあるので、改めてここにメモしておきます。
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総務省の有識者懇談会が「過疎」の代替語を検討とのこと。人口は少ないが自然があって住みやすくなることを表現する語はあっていいと思います。「自然化」(?)とか。ただ、「過疎」は「情報過疎」「このブース、過疎ってるね」など広い用法があります。「過疎」の語自体は今後も需要があるでしょう。
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現在、「お前」は目下に対しても使いづらいという人は多いはず。ところが、戦いの場では事情が変わります。日常語の「高橋さん」は、試合では「高橋!」、「打ってください」は「打て!」となる。「ぜひヒットを打ってくださいね」は「お前が打たなきゃ誰が打つ」で、ノープロブレムであるわけです。
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「お前」は、古代は「大前」(その方のいらっしゃる前)で、神仏や貴人を婉曲に指したと考えるのが妥当です。平安時代に「お前」が現れ、江戸前期までは敬称。後期には目下にも使うようになり、価値が下落。現在、女友だちを気軽に「お前」と呼ぶ男性もいますが、呼ばれたくないという人は多いですね。
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中日ドラゴンズの応援歌についてのツイート、ほぼ皮肉は伝わったと思うのですが、蛇足を加えます。
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「お前が打たなきゃ誰が打つ」の文言が不適切で中日の応援歌が自粛とのこと。日本語では「お前」はもとより「あなた」も面と向かっては失礼な場合がある。名前の呼び捨てはもちろん失礼。「高橋さん、高橋さん、今お打ちにならないなら、どなたがお打ちになるのでしょう」なら許可されるかな。
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部屋の整理をしていると、「予定を先送りしないためにはどうするか」といった趣旨の本が出てきました。以前から、読もう読もうと思いつつ、先送りにしていた本です。「こんな所にあったのか」と本棚に戻しました。これでやっと読むことができます。そのうち読もうと思います。
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プランニング会社からの仕事依頼で「執筆の承諾をいただいた後、クライアントに提案し、承認されれば改めてご依頼します(承認されない場合もあります)」的なものがあります。執筆者よりクライアントの決定権を優先している感じなので、お断りします。よくあるパターンですが、執筆者には失礼ですね。
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辞書の形は紙でもデジタルでもかまわない、多様な辞書があることが利用者にとって望ましい、だからそれぞれの辞書は独自情報をたくさん載せるなど個性を発揮したい。私はつねづねこう話し、書いているのですが、反応の何割かは「飯間は紙の良さを訴えているが、無駄だろう」みたいになるの、謎ですな。