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(前の続き)2017年の発言の直後、両者の矛盾について指摘があったのですが、私がそれに気づいたのは2019年の今になってからです。改めて「○○年が明けた」は差し支えないと、元の文章に追記しておきました。実に15年経ってからの訂正ということになります。asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/k040… (続く)
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『三省堂国語辞典』の阪神タイガース仕様を出した時は、阪神版特有の例文はあまり入れませんでした。国語辞典である以上「遊びは抑制的にしたい」と考えたから。その考えはファンに支持されなかった。「そんなら本気出したるわ」と、今回の広島仕様ではタガが外れた。カープ例文もようけえ入れました。
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著書『知っておくと役立つ街の変な日本語』で、「そば」の仮名に言及した部分です。要は「そば屋さんのこの字、読めませんね」というだけの話です。ただ、先日「せんべい」の変体仮名を使う地域が偏っている、という話もありました。「そば」も注目しなければと思いました。twitter.com/IIMA_Hiroaki/s…
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戦前の漢字字体については、我ながら認識不足でした。漢字の字形(トメハネなど)が厳しく採点されはじめたのは1960年前後と言われます。字体についても、戦後は字体表どおりかどうか、と厳しくなりました。一方、戦前は地下鉄の看板さえ不統一だったとすれば、戦前・戦後で意識が相当異なるわけです。
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いじめ問題が深刻になった頃、文科省がいじめを定義し、それが改定され、さらに「いじめ防止対策推進法」の条文が整備されるに至った、と理解しています。社会がいじめ問題に取り組むには、国による定義が必要でした。「反社会的勢力」についても同様で、政府見解が揺れていては困るはずです。
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最近広まった「了解は失礼」というマナーに、皆を従わせるべきか。これは無理でしょう。「了解(いた)しました」を長年問題なく使い、愛着すら抱いている人々に、「最近失礼と言われているから」というだけの理由で、使用を禁止することはできません。
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『日本国語大辞典』では「押しも押されぬ」は「押しも押されもせぬ」と同義語扱いにしていて、特に誤りとはしていません。最近、脚本家の方に「ドラマで『押しも押されぬ』を使って、誤用との指摘を受けた」とのお話を伺ったばかりですが、「べつにいいのでは」という考えに傾いています。
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「小人数」の件について、BuzzFeed Japanのインタビューを受けました。なんだか大ごとになってしまいましたが、私の考え方に賛同してもらえたと受け止めています。 twitter.com/BFJNews/status…
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山手線新駅の件の記者会見にあたっては、会で文案を準備していますが、闘争色はないものになりそうです。私個人は「敵を作らない」「人々の好みを尊重しつつ、好みだけで議論しない」といった姿勢が大事だと考えます。多くの人が、「それは確かにそうだよね」と納得できる方向に行けば理想的です。
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お若い方はご存じないかと思いますが、昔「ゲロゲロ」という流行語があったのですよ。驚いて不愉快に思う気持ちを表す感動詞・形容動詞です。私は、1988年12月5日に早大文学部の181大教室で、学生同士の会話を聞いたのが初めてでした。その後大流行しました。
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さて、「令和」の話ですが、官房長官は新元号発表時「レ」を高く発音しました。私自身も、何となく「レ」を高く発音したい気分です。「レ」の音が元号として珍しいので、その部分を高くして「永和」「明和」などと区別しようとしてるのか……。これは無責任な自己分析です。
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『大辞林』第4版の語句訂正、「スーダン」の項目で〈黒人〉は〈アフリカ系〉になっています。編集姿勢の一端が推察されます。「恋愛」が〈男女が恋い慕うこと〉→〈互いに恋い慕うこと〉となったのはすでに指摘されているとおり。この手入れは『三省堂国語辞典』などもすでに行っています。
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「逆からブランチ」の記事を見ながら、私も久し振りにやってみました。面白かった。どの辞書でもできますが、最後のほうに古い意味が並ぶ『大辞林』は具合がいいかもしれません。あなたもぜひお楽しみください。▽辞書を使った新しいゲーム「逆からブランチ」を考えました dailyportalz.jp/kiji/jisho-gam…
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「大辞林」「大辞泉」以外の国語辞典は、今後、唯一無二の内容を持たなければ、存在が許されなくなるでしょう。『現代国語例解辞典』の類義語の比較はその一例ですが、ほかにもいろんな可能性があるはず。過去の蓄積を踏まえつつ、従来とは一線を画した内容にすることが、各辞書に求められています。
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「重用」「重複」の読みの調査にご協力ありがとうございます。おかげさまで有意義な結果が出ました。それぞれリンクしておきます。
・重用
twitter.com/IIMA_Hiroaki/s…
・重複
twitter.com/IIMA_Hiroaki/s…
〔解説続く〕
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両辞書のもうひとつの違い。『広辞苑』の説明は短く簡潔、『大辞林』の説明はやや長く丁寧、という特徴があります。どちらがいい、というのでなく、ユーザーの好みの問題です。字数が多いからといって、一概に情報量が多いということでもありません。このあたりはぜひ読み比べてみてください。
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パセリはそもそもセリ科で、「オランダ芹」の異名もあります。だから、「パ芹」「葉芹」と解釈するのも無理からぬところがあります。一方、ハゼリソウ科の「葉芹草」という植物もあってややこしい。葉芹草は、もちろんパセリとは別物で、食べることもないと思います。
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ちなみに、「□肉□食」の穴埋めで「焼肉定食」と書く話は、確例としては『週刊文春』1977.12.1に載ったのが最古で(小学校の女の子の話)、見坊豪紀が『ことばのくずかご』に引用しています。後に、漫画家はらたいらが高校の試験でそう書いたと述べていますが、これは間接的な資料にしかなりません。
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1843年が初版の『The Southern Planter III』では、フレンチトーストについて「この街(米国リッチモンド)のフランス人から次のレシピを得た」として、今とほぼ同じレシピが紹介されています。ネット辞書のMerriam-Websterで初出例1844年とされているのはこの例でしょうか。books.google.it/books?id=BfEjA…
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あるいは、先頃、アイドルのコンサートなどで他のファンなどに迷惑行為をする人物を「厄介」と言うことを知りました。「厄介」の新しい意味として辞書に載せてもいいかどうか。『三省堂国語辞典』はどうしようか。#今年の新語2021
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「かたい・やわらかい」アンケートへのご協力ありがとうございました。きっかけは、ある原稿で「硬い表現」と書いたところ、編集者から「普通『堅い』ではないか」と指摘され、意外だったからです。用語集の類では「硬い」で、私も「硬質・硬派の表現」のつもりで「硬」を使います。
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山手線新駅の名称に関する記者会見、15時から渋谷LOFT9で行う分は、記者クラブ非加盟社やジャーナリストの方々に向けたものです。駅名・地名や街づくりなどに関心のある広い範囲の報道関係者にご出席いただければありがたいです。cek.hatenablog.jp/entry/2019/03/…
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1955年の〈『広辞苑』の初版が最初に「おっぱい」を収録した国語辞典〉という説の紹介を拝見しました(1)。出所は井上章一編『性欲の研究』かな。ただ、それ以前の辞書に「おっぱい」が載っているとの指摘はあります(2)。▽(1)本しゃぶり honeshabri.hatenablog.com/entry/kanroji-… ▽(2)黌門客 higonosuke.hatenablog.com/entry/20130710