飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(いいね順)

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高齢者を指す「シルバー」の語源はシルバーシートから、と言っても差し支えないとは思いますが、その前史も無視してはならないと、杉村さんの指摘を受け止めました。「国鉄で高齢者(関係のもの)を『シルバー』と呼ぶことが以前からあり、『シルバーシート』を機に普及した」と言えば正確でしょうか。
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「一段落」の正誤の議論について言うと、「段落」という漢語の前には音読みの「いち」が来るべきだという主張があります。でも、「ひと安心」「ひと苦労」など、漢語の前に「ひと」が来る例は多いので、「ひと段落」は異例とまでは言えないことになります。
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筆者案の標題は「伝わる読点(テン)の打ち方とは?」でした。地味なので、編集部と相談して「おじさん構文」を前面に出した標題となりました。おじさんが読点を多用するように見える理由にも触れているので、まあいいかと思いましたが、「標題がずれている」という反応も多い。申し訳ないことです。
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坂本冬美「夜桜お七」の「置いてけ堀」。『三省堂国語辞典』では「置いてきぼり」で項目を立てています。この語形が現代では普通かな。もともとは「(釣った魚を)置いてけ~」という声がする堀のこと。錦糸町の公園に「ここが発祥」という説明が書いてあります。私も行ったことあります。
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文化庁に恨みはないけど、毎回「国語に関する世論調査」については批判的な発言ばかりしています。今回、「~活」「~ハラ」について〈他人が言うのが気になるか〉を聞くという、その真意が分かりませんでした。すでに定着した言い方なのに、違和感を持たせたいのかな。昨年度はなかった聞き方です。
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かく言う『三省堂国語辞典』も、一時期「元旦」を元日の意味で使うことを誤りとしていた時期がありました。そもそも、初版の「元旦」の説明は、あっさり〈元日(の朝)〉であり、これは『言海』『大日本国語辞典』など先行する辞書の説明と同様だったのですが。
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「高輪ゲートウェイ」問題について、メディアは静かになっちゃいましたが、私は今後の動きを注視するつもりです。世の中の人々は案外イケズで、「新名称にはべつに反対しないが、単に使わずにすます」という道を選ぶ人も多いはず。私はどうかというと、「JR高輪駅で待ち合わせ」とか言いそうです。
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一方、弁護人による控訴の時点(12/25)で、メディアのツイートにはさほどリプライはつかず、反応は静かでした。ところが、やがて控訴を批判するインフルエンサーの発言が現れ、リプライが100を超えることもありました。それを見ると、1対9ぐらいで控訴を批判する意見が多くなっています。
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柔らかさを出すために、漢字でなくひらがなで書きたいことばというのはあります。私の場合は「ことば」がそうで、これは「言葉」をあて字と考えるからでもあります。ただ、「わかる」については好みの問題でなく、どうもルールにしている編集部があるらしい、その理由が謎だ、というわけです。
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以前の補足となりますが、「中抜き」の本来の意味は何かといえば、まさに「中を抜くこと」であって、そこからいろいろな意味が派生しています。「仲介者がピンハネすること」「仲介者を抜かすこと」ともに新しい意味なので、本家争いをしてもあまり益がないわけです。
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「老害」とは年齢差別になりかねませんが、若い人の台頭を妨げる古参という意味では、たしかに害かも。『暮しの手帖』1971.1に〈老害をはやばやと予想して、名のある会社の重役をさっと後進にゆずり〉とある。おそらく「公害」のもじりで、公害が社会問題化して以降のことばでしょう。#今年の新語2020
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冒頭の『岩波国語辞典』の原文を添付しておきます。「ひとりごつ」を〈今も気取って言う人がある〉と言うのは、ちょっと厳しすぎるような。「ひとりごちた」などは「ひとりごつ」を活用させたものと捉え、上一段の「ひとりごちる」と区別しています。でも、「ひとりごちた」は上一段でいいでしょう。
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ところが、面白いことに、「APIを使い切る」「API消費」「API配給」のようにAPIを「資源」の一種と捉えたり、「APIで見れない」「API来る」「API引っ掛からん」のように「制限そのもの」と捉えたりする用法があるようです。指摘している人、多いですが。
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『三省堂現代新国語辞典』第6版は大評判で、ネットニュースなどでも取り上げられました。ところが、それらのニュースの内容が、評判の震源地である「四次元ことばブログ」の丸写しで、一歩も出ていないのは何たることか。この辞書の魅力は他にもたくさんあります。どうぞお求めの上、ご確認ください。
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新駅名の決定に際して、飯間らは当局に再考を求めましたが、もはや事実上不可能です。ただ、公共財である駅名は、今後とも利用者の支持が得られる決め方をすべきだという考えのもとに、ゆるいイベントを行っています。なお、駅名決定時の見解は以下の提言に詳しいです。cek.hatenablog.jp/entry/2019/03/…
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「お茶をいれる」の漢字がテストに出たらどうするの、と思う人もいるかも。こういう曖昧な表記はテストに出ないので、大丈夫です。きちんとした出題者ならば、ゆれていることばの正解を問うことはしないものです。
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「段落」のように下に「する」がつかない漢語で、上に「ひと」がつく語はほかにないかというと、「ひと騒動」もあり、「ひと課題ずつ取り組む」などもあります。要するに、正誤の説それぞれに論拠があり、自分自身がどの論拠に従いたいかは自由です。長い間に「ひと段落」が増えているのは事実です。
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戦前の横書きで左から書く例(左書き)はあるのか。これは多かったようです。浅野信『巷間の言語省察』(1933)は、街で左書き・右書きが混在することを批判します。ただ、丸ビルの窓の文字は、同書執筆の4年前には両方式が混在していたが、執筆時点では「皆一様に右書きになつてゐる」とのことです。
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4月7日(日)20:00からTBSラジオで「飯間浩明のまるっと平成ディクショナリー」という申し訳ないタイトルの番組に出演します。辞書に詳しい芸人のサンキュータツオさんに助けられ、平成のことばと辞書を振り返ります。進行は田中ひとみさん。どうぞお聴きください。radiko.jp/share/?sid=TBS…
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くらげさんのご労作。バズっているのを存じませんで、失礼しました。「恵比寿ガーデンプレイス」という使い回しできるのが、すでにありましたね。twitter.com/kurage60/statu…
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「囂」の漢字は「かしがましい」「かまびすしい」の意味です。『三省堂国語辞典』では「囂々」は〈やかましいほどに高くなるようす。「非難―」〉、「轟々」は〈〔音が〕大きく ひびきわたるようす。「―たる水音」〉としています。でも、非難が水音のように響きわたるなら「轟々」になるのかも。
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戦前は、活字体で「靑」、筆写体で「青」と書くなど、両者に開きがありました。教科書は手書きに近づけていたようですが、その教科書字体すら、時期によって微妙な変更がありました。全世代が従う単一のルールがなかったと言えます。それが看板などの多種多様な字体を許す素地になったのでしょう。
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6/24の日テレ「#世界一受けたい授業」では触れることができませんでしたが、これまでに私たちの辞書から削られた項目が『三省堂国語辞典から 消えたことば辞典』としてまとまりました。現代語を追求する『三国』本体では割愛したことばたちを、どうぞ味わってください。dictionary.sanseido-publ.co.jp/dict/ssd36624
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2月2日(日)深夜24:00からのJ-WAVE「GROWING REED」で、岡田准一さんの質問に答えつつ、日本語と国語辞典について語ります。「体育座り、三角座り、安座、どれも一緒ですか?」など。大スターを前にちゃんと語れるか。どうぞお聴きください。j-wave.co.jp/original/growi…
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「汚名挽回」についての指摘は、国語問題協議会監修『死にかけた日本語』(1976年)が早いと思います。読者の指摘を踏まえ〈「汚名をすすぎたい」とか「汚名を返上したい」とか言うべきであろう〉と述べます。その後、メディアの反応が早かったのは、同書で例示されたのが新聞記事だったせいかも。