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NHKのことばの守護神・塩田雄大さん(放送文研主任研究員)が、友近さんに憑依して、文研の仕事の流儀を爆笑のうちに紹介する動画です。この中の「カムチャツカ」は、打ち合わせで出た実話だそう。下のななみちゃんとのトーク、塩田さん本人が全部書いてる気がしてなりません。nhk.or.jp/kokyo-cp/
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「分かる」に限らず、漢字よりひらがなのほうが柔らかくなります。また、読み誤りを考慮すれば、「下(おりる・くだる・さがる)」など、仮名で書くべきことばは多くなります。でも、よりによって「分かる」の場合だけ、仮名にするよう、複数の編集部から求められたので、不思議に思いました。
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「大喪」は昔はどう読んだかというと、辞書類には「たいそう」「たいも」の両方がありますね。昭和天皇の大喪の礼については、小渕官房長官が開式の辞で「ただ今から、たいそうのれい、おんしきを、きょきょう(と噛んで)、挙行いたします」とアナウンスした。小渕さんらしさが感じられました。
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(おわび)以上は修正再投稿です。従来の政府見解を私は「前回の閣議決定」と記しましたが、正しくは法務省の指針です。最近読んだことがあるのに、誤認してしまいました。おわび申し上げます。▽企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針 moj.go.jp/content/000061…
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この古典17作品以外でも、「いまそかり」は芭蕉の俳文などにも出てきます。「猶(なほ)父母のいまそかりせばと」(「としのくれ」)というふうに。結論としては、あまり見かけない奇妙なことばでも、覚えておくとやっぱり役に立つかもしれない、ということです。
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「今年の新語2021」の選評が、きょうの昼に出ました。大賞の「チルい」については予想どおり「知らない」という声も聞かれますが、なぜこのことばが選ばれたかなどを詳しく書いてあります。他の語の入選理由とあわせて、楽しんでお読みいただきたいと思います。dictionary.sanseido-publ.co.jp/211201_shingo
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ここで「愛嬌」とは何かというと、見た目や仕草から感じられる可愛らしさ、または親しみやすさです。古くは「あいぎょう」で、光源氏の形容にも使われ、現在でも男女に使えることばです。むしろ、愛嬌は男女を問わずあるといい性質です。その性質が女にだけ要求されるというのは公平ではありません。
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ネットニュースにもっと普通に「非難轟々」が出てくるようになれば、「非難轟々」も辞書に示す余地が出てくるとは思います。とすると、今回の例も重要な例のひとつです。黒田総裁の方針にまったくコメントしなくてすみません。
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Little Glee Monster「ECHO」は「駆け抜けた証を掴み取りたいのだから」と応援する歌。今回の「紅白」では「この時代のチャンピオンさぁ 掴めNo.1」(キスマイ)、「震える手は掴みたいものがある」(LiSA)と、目標をつかもうとする歌が印象的です。五輪を控えていることとは関係なさそうですね。
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3月上旬発売『三省堂国語辞典』広島東洋カープ仕様は、予約も多く、多方面で報道され、予想以上の関心を集めています。昨年の阪神仕様も好評でしたが、今回は国語辞典の領域から外れかねないほど、中身もカープ仕様にした。阪神仕様に対抗し、三省堂内のカープ勢が総力を挙げて挑戦をしかけています。 twitter.com/zousanseido/st…
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「APIを使い切る」は、「ギガ」(単位)を「ギガ(資源)が減る」などと使うのに似ています。また、「APIで見れない」のように「API」を「API制限」の意味で使うのは、「USB」を「USBメモリ」の意味で使うのと、どこか似ています。今後、制限が継続するならば、こうした言い方は定着するのでしょうか。
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辞書編纂者・見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)は、日々、新聞や雑誌から多数の用例を集め、採集カードは生涯に145万枚以上に。切り抜きの必要から、新聞・雑誌は2部ずつ購読していた。天才編纂者のこうしたディテールはドラマ「相棒」によく反映されていました。神森万里江さんの脚本に唸りました。
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結論から言うと、たしかに風向きは変わったように見えます。ただ、当初「量刑が重すぎる」と同情的であった人々が、控訴と同時に「それはおかしい」と一斉に批判に転じた、とも思えません。論理的には、もし量刑が重すぎるならば、控訴は妥当だからです。では、風向きはどう変わったのか。
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丘みどり「鳰の湖」は琵琶湖のことだそうです。平安時代からあることばです。たとえば「源氏物語」を見てみると、「にほの湖(みづうみ)に漕ぐ舟」という和歌のフレーズも出てきます。「鳰」は万葉集にも出てくる鳥で、カイツブリ科の水鳥。慌てて調べました。
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「批判と誹謗中傷の違いが『人格尊重の有無』とは、辞書にも書いていない」という趣旨の意見も。批判と誹謗中傷は、「寒い・暑い」のような対立概念ではないので、直接的な説明は辞書にないかも。それで、私は、学会の質疑応答の場合を典型例として、人格尊重の有無が両者を分けることを説明しました。
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「ことばは正解が定めにくい」ということは、「ことばをどう使ってもいい」ということとイコールではありません。飯間は何でもありと主張している、と受け取らないでください。誤解を生む言い方、失礼になる言い方、場違いな言い方は避けるべきです。ただ、それは「ことばの正誤」とは別次元の話です。
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昨日の「今年の新語2019」イベントはおかげさまで大いに盛り上がりました。先ほど、上位10位に選ばれたことばの選評が出ました。その語を、どういう理由で、今後辞書に入れてもいいと考えたか、そこのところをぜひお読みください。#今年の新語 htn.to/2h68T2PT3b
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一口に「国語」と言っても、現代文の読解あり、漢字あり、古文・漢文ありでいろいろですが、ここでは漠然と「国語」全体としてお尋ねします。とりわけ「読書をしなくても現代文の読解はめっちゃできた」という人の理由を伺いたいですが、話をそれに限るつもりはありません。#読書と国語
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「コギャル」「スッチー」などの項目が『三省堂国語辞典』から消えると報道されました。現代語辞書でこれらの項目を残す場合、「何年頃に使われたことば」など、過去のことばとして説明する必要があります。重要語はそうやって残す場合もありますが、「そこまでしなくても」と削った項目も多いです。
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『三省堂国語辞典』第8版の「自分」の解説文、ほんとに作曲してくださった。ありがとうございます。なぜか勇気出てくる。タイトルはやっぱり「自分」ですかね。 twitter.com/cl6ck/status/1…
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若い世代が「してください」の意味で「してもろて」と言うのは、「してもろて(もいい?)」という気持ちと理解しています。西日本などで「してもろて」は本来「してもらってください」の意味で、郷里の香川県でもそうでした。「してください」の意味で使った記憶はないですが、今はどうなのでしょう。
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以上をファクトチェックの用語に即してまとめると、(1)「どら猫は、のらりくらりから」との説明は「根拠不明、もしくは誤り」。(2)「どら猫は盗みをする猫」は、たしかに盗みをする猫を罵ることもあるけど、「ミスリード(誤解を招く)」。(3)「どら息子は銅鑼から」は「根拠不明」です。