飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(いいね順)

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「誹謗と中傷を一緒にせず、それぞれの違いを説明してほしい」という意見もありました。両者は重なりますが、違いもあります。「誹謗」は要するに人の悪口を言うこと。「中傷」は、時として不当な(根拠がない)という感じも加わります。「誹謗中傷」全体では、あることないこと悪口を言うことです。
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先ほどの「SmartFLASH」の記事では、せっかく辞書の説明について真面目に語ったので、再リンクします。写真を別に用意すれば、元記事の派手な写真は表示されないのでは。▽「座り込みの時間を辞書は定義できない」“ひろゆき騒動”に国語辞典編纂者が感じた“違和感” smart-flash.jp/entame/204532/1
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「考え深い(=思慮深い)」も、「感慨深い(=身にしみる)」も広く使われる語ですが、「先生の授業は考え深いです(=考えさせられる)」という用法は面白い。ただ「感慨深い」の意味で「考え深い」と書く例は以前から指摘があり、雑誌にも例があります。▽朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASP8G…
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この「後で後悔する」が「そのうち後悔するよ」の意味であることは、『三省堂国語辞典』第8版の「後悔」の項目でも触れています。ただ、重言でも何でもないとまでは書かず、「重言だが」と書いたのは甘かった。「今、すごく後で後悔している」と言えば重言だが、とでも書けばよかったかもしれません。
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本人が苦痛に感じるような名前の読み方は、申し出があれば修正できる仕組みは必要だと思います(名前それ自体と同様に)。ただ、日本人の名前はどう書き、どう読むのがいいかというのは、本当に時代によるとしか言えません。自然の成り行きにまかせるのが最適解であろうと思います。
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私が語源などの解説で放送に出た際にも、調査が行き届かず、不正確なことを言ってしまったことは数回あります。たとえば、「シルバー(高齢者)」の語源は「シルバーシート」から、と述べたのは、辞書の記述に基づき、裏も取ったのですが、それ以前にも「シルバー周遊券」があったと文献に出ています。
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「たわわ」が従来とは違う意味を持つのでは、と話題のようです。古来、実が多くついたりして、枝などがたわむ様子を言う擬態語でした。「たわむ」と同語源ですね。一方、現代では肉体などの「豊満」の意味が一般化したのも事実。この記事の「たわわなサイン」なんて、従来の意味では解釈できません。
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『広辞苑』の平木靖成さんのご意見は以前から拝見していますが、いつもほぼ共感することばかりです。記事中「基本的に言葉には正しい/間違いはない」とあるのも平木さんの持論で、これを「権威」と目される『広辞苑』の中の人が発言するから説得力があります。recruit.co.jp/meet_recruit/2…
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「月がきれいですね」という表現が有名になったのは、日本語でストレスなく愛を伝えられる表現が乏しいことが背景にあるんでしょうね。使える表現が待望されていたわけです。もっとも、お互いに気持ちが十分近づいた段階での告白なら、「愛してます」でも「好きです」でもすっと言えると思いますが。
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私の文章論の本も踏まえたロングインタビュー。〈難しい言葉を知らなくてもいい〉、つまり語彙力がなくても分かりやすい文章が書けるという話ですが、べつに逆張りではありません。難しいことばは相手も自分もどうせ知らないので、伝達の妨げになるのです。▽クリスクぷらす plus.clisk.com/article/5345.h…
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ことば足らずでした。正確には「1980“年代”」以降です。このことは『三省堂国語辞典』第8版でも少し詳しく述べました。
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「平成」発表の頃は、会見で発表された文字をまねしようにも、新聞などの小さな写真をまねるのは難しかった(私はこの字形が好きで、まねしたかったのですが)。「令和」は、会見もハイビジョンだし、ネットに大きい画像も出ている。手本に不自由しなくなりました。
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スターバックスの8月の新作で「沖縄ちんすこうフラペチーノ」というのがあり、ツイッターに「ちんペチる」という動詞が出現しました。しかし、一瞬で見なくなり、「タピる」に遠く及ばなかったのは残念です。#今年の新語2022
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「元旦」の「旦」が、べつに〈地平線から太陽が姿を現す〉形でないことはタイムラインでも論じられており、私も、まあ違うんだろうなと思います。意味の面では、「旦」はもと「あさ」の意味で、そこから「はじめ」の意味が派生した。それで、「元旦」を元日の意味で使う例も昔からあります。
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『サクっと書けちゃう! 文章レシピ60』は、「は? 私文章なんて書きたくないんですけど。でも仕事で書かなくちゃならない」と、困ってる人向けにまとめた本です。読み返してみると、「ほほう」と思うことがけっこう書いてあります。たとえば、こんなのどうでしょう。本来、学校で習うべき内容ですが。
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文中、「一段階低い」「一段階高い」とは変な言い方ですが、ほかにうまい言い方が見つかりませんでした。お許しください。
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もっとも、数がすべてでないのが古典の面白さ。「いまそかり」の6例は、みんな大好き「伊勢物語」に集中して出てきます。「崇子(たかいこ)と申す、いまそかりけり」のように。入試にも出るだろうし、「いまそかり」を覚えておいて損はないわけです(「いますかり」は、他の古典にもちらほら)。
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「こちらがカツ丼になります」の「なる」は「あたる。相当する」の意味だと『三省堂国語辞典』第8版には示しています。「むこうが正門になります」などと同じ文型を用いた婉曲表現という説明です。『三国』では「なる」の意味を10以上示しています。「変化する」以外にもいろいろあるわけです。
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金田一春彦は変化を肯定的に捉えました。〈静岡県の掛川では『読める』を『読めれる』と言い、『見られる』を『見れれる』と言っている。そう言わないと、しっかりと可能の気分が出ないと思っているらしい。〔略〕これはもう防げないことだと私は思います〉(『DENIM』1993.1)。この意見に賛成です。
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5月18日に辞書エンタメ「国語辞典ナイトin大阪」を、大阪市のロフトワンプラスにて行います。出演は私のほか、西村まさゆきさんら辞書マニア、辞書論客の方々。今国語辞典の世界はどうなってるのか、爆笑スライドで矢継ぎ早にプレゼンを行います。関西のみんな、来たってや~。loft-prj.co.jp/schedule/west/…
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Vチューバーの名取さなさんが「♯今年の新語2022」のベストテンをいじってくれました。7位の「一生」を評価してもらえてうれしいです。「ガクチカ」「リスキリング」は現実的すぎてNGワードになるらしく、抹消されてしまいました。 youtu.be/wF4CDOjllqY
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「受け付け」「受付」が曖昧になるのは、基準になる内閣告示「送り仮名の付け方」の例示が不十分なせいもありますが、送り仮名というのは結局、書き手の趣味や言語感覚によって微妙に異なります。ただ、原則はお示しした感じでいいでしょう。▽送り仮名の付け方:mext.go.jp/b_menu/hakusho…
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ちなみに「『爆笑』は大勢でするもの」とテレビなどでしばしば言われ、言語警察のマウンティングの材料にされていました。辞書の記述がその根拠になっていた。しかし、実は昔から人数に関係なく「爆笑」は使われていました。近年、その事実が辞書にも反映され始めました。twitter.com/IIMA_Hiroaki/s…
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三省堂辞書スタンプはメディアでも話題に。売れ行きに驚愕する三省堂のコメントはこちらです。これからの辞書は、欲しい項目だけダウンロードしてもらうというのもアリかも。▽説明ウザい?辞書スタンプ話題に SNSで反響広がり販売急増...発売の三省堂「非常に驚いている」 j-cast.com/2023/02/064555…
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また、小隅黎訳『未来からのホットライン』(東京創元社 1983年)に〈それが、あの“大爆誕(ビッグ・バン)”を引き起こしたんです!〉ともありますが、これまた関係ないでしょう。過去にたまたま一回的に使われた例があるからといって、それだけで現在の「爆誕」の源流とは言えないのです。