飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(いいね順)

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10/31「相棒」で大鷹先生の名言。 「ことばというのは、石ころみたいなもんなんだよ。最初は手触りが悪いが、使い込んでいくうちにだんだん角が取れて光り輝いていくものなんだ」 脚本の神森万里江さんの見方かな。最初は俗語、乱れていると言われつつ、いつしか日常的に使われるようになります。
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「どのことばも理由があって生まれてきたので大事にしたい」というのは私の本音です。「どんな人間も生まれた理由はある」的なとらえかたですね。以前NHKの取材中にぽろっと語ったことばで( twitter.com/nhk_proff/stat… )、ツイートするときにも頭の片隅に置いています。
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#午前0時の森」のトークでうれしかったのは、『三省堂国語辞典』第8版の「恋」の〈満たされない気持ち〉にうなずいていただけたこと。「飯間さんが書いたんですか」と聞かれましたが、文言は最終的に全員で判断します。個人の主観でなく、ことばの歴史的な変遷を踏まえた結果、こうなったのです。
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「でも、男は度胸が、女は愛敬があったほうがいいのは当たり前でしょう」という感想があるかもしれません。もちろん「度胸のある男」「愛敬のある女」が高く評価されるのはいいことです。問題は、「愛嬌はあるのに度胸はない男」「度胸はあるのに愛嬌はない女」が不当に低く評価されることです。
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「到着し次第」を「到着次第」と言うのは俗用、というような話も最近ネットで見ました。これも「そんなことはない」という文章を『PHP』1月号に書いています。江戸・明治時代にも例があり、私の見るところ、むしろ「到着次第」式のほうが普通です。『PHP』にも連載してますんで、ご覧ください。
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NHK Eテレで本日8日(金)22:00からの新番組「言葉にできない、そんな夜。」に協力しています。うまく表現できない、あの時この時の気持ちを、文豪の文章などを参考に表現してみよう。私は引用文の監修を担当。「へぇ~」と思う表現もあるはずです。どうぞご覧ください。nhk.jp/p/ts/QG95M2Z6V…
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「ほぼ日手帳2020」のためのインタビューを受け、手書き文字のこと、フォントのこと、用例採集のこと、そして「疑問や悩みを解消する辞書」について、たっぷり語りました。どうぞお楽しみください。▽「書く」ってなんだ? 1101.com/store/techo/ja…
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「婉曲」の「婉」は、古く「したがう」のほか「みめよい(=美しい)」「つづまやか(=控えめ)」などの意味があった(大漢和)。優雅で控えめというところから、今の「遠回し」の意味になったのでしょう。この店のコース名「婉」は古い意味か。何かを婉曲に断るための会食に利用するとよさそう。
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首相が29日、新型肺炎対策記者の会見で述べた文言が「誤読ではないか」との意見があります。〈不特定多数の人が接触するおそれが高い場所、けいたいでの活動も当面控えていただくとともに〉の「けいたい」が意味をなさないというのです。これは首相官邸サイトの文言のとおり「形態」でいいでしょう。
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『三省堂国語辞典』第8版の刊行が決まりました。この年末、2021年の12月17日に発売です。って、マジか。現在は最後の仕上げにかかりきりなんですけど、はたして間に合うのでしょうか。あと3か月(も作業時間はないけど)、ぎりぎりまで頑張ります。どうぞご期待ください。 twitter.com/zousanseido/st…
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〈暦としては「ウサギ年」ではなく「卯年」と呼ぶのが適切〉とのことですが、これはやはり報道の内規レベルのものと思います。現に「うさぎ年」でニュースを検索すると普通に出てくるし、会話では「うどし」より「うさぎどし」が伝わりやすい。二者択一という印象を与えるのは好ましくないでしょう。 twitter.com/mainichi_kotob…
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「四字熟語」というのは大量にあると思われていますが、実は日本語の中で使われるものは限られています。「四字熟語辞典」が分厚いのは、漢籍でしか使われない語などが大量に入っているからでしてね。私の『四字熟語を知る辞典』は、まさに知っておくと使える四字熟語だけを選んだところが売りです。
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対立する考え方A・Bのうち、一方のAを主張しようとして、Bの論者をからかい、非難し、人格攻撃しても、Aに意見を変えさせることは難しい。何ごとも「北風と太陽」です。「Bの理屈は分かるが、問題なのはこの点だ」と、認める所は認め、相手側が反論しにくい部分に絞って主張すると効果的です。〔続く〕
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この標題のつけかたは、作文やレポートの場合に最も適します。私も多くはこの要領で標題をつけています。でも、本の標題とか、ウェブで発表する文章の標題とかは、これだけでは魅力に乏しいようです。ではどうつければいいのか、経験不足でよく分からないのが正直なところで、毎回困っています。
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鈴木雅之「違う、そうじゃない」の〈手の平返しなんて 君が思ってる程/器用な僕じゃないさ〉。この「手の平返し」は『三省堂国語辞典』では最新の第8版で入れたことばです。この歌は1994年の歌とのことなので、辞書に載せたのがずいぶん遅かったということですね。
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『三省堂国語辞典』第8版、こうすれば買えます。って、今さらな感じですが、具体的にどんな媒体で供給されているか、もうひとつ分かりづらいですよね。書籍版・アプリ版の入手方法をまとめました。iOS版は物書堂から出ています。一方、アンドロイド版は、残念ながらまだ出ていないのです。
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私は自分の携わる辞書以外の辞書に、非常な対抗心を持っている者ですが、ツイッターで「『○○国語辞典』はダメダメ」とは一言も言わないと思う(疑問点があれば指摘しますが)。「他の辞書も素晴らしい、でも私たちの辞書もけっこういいですよ」これが基本線です。どうも話が逸れて終わりましたね。
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「お前」は、古代は「大前」(その方のいらっしゃる前)で、神仏や貴人を婉曲に指したと考えるのが妥当です。平安時代に「お前」が現れ、江戸前期までは敬称。後期には目下にも使うようになり、価値が下落。現在、女友だちを気軽に「お前」と呼ぶ男性もいますが、呼ばれたくないという人は多いですね。
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マナーの提唱者が「私たちの仲間は、この言い方を正しいことにします」と言う場合、根拠がいらないというのは賛成です。たとえば「ありがとう」と言うためには、「有ること難し」が語源かどうかは関係ありません。ただ、「そう言わないとダメ」と、他の人の言い方を否定するのは別問題です。 twitter.com/npong0811/stat…
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「ネギトロ」は、とりあえず「葱(ねぎ)+トロ」と考えられます。葱以外にアサツキなども使うこと、マグロのいわゆるトロを使わないことから、「本当の語源は?」と疑問が生まれたのでしょう。でも、部位としてのトロではなくても、トロっとした肉、と大ざっぱに捉えて差し支えありません。
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安倍元首相銃撃について、テロかテロでないかという議論が起こっています。私自身は、この事件はテロの条件を多く備えていると考えますが、政治の専門家ではなく、ここでどちらかの結論を出そうとするものではありません。それでも、ことばを扱う立場から述べられることはあると思います。(続く)
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私はツイッターで「このことばは誤り」と決めつけることには慎重ですが、「誤りではない」と否定形はよく使います。分かりやすく言おうと思うからですが、もともと正誤に基準がないのだから、本当は別の表現のほうがいいのです。『三省堂国語辞典』では事実や理屈を示し、使用の参考にしてもらいます。
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昨年1月に『精選版 日本国語大辞典』iOS用アプリが物書堂から4800円で発売され(現在は7800円)、私は「即買い以外にない」と力説しました。今回ネットで無料版が公開になったので、私は「無料版出ちゃいました、すみません」と陳謝のほかありません。今後のiOS版には、何らかの付加価値を期待します。
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私は言語のジェンダー性を研究してもおらず、科学的な知見はないのですが、辞書を作る立場から感想を記録しておきたい気もします。それを以下に述べます。〔続く〕
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SNSで人のナマの思考に接することは、自分がテレパスになる(読心能力を持つ)ようなものだと述べたことがあります。筒井康隆「家族八景」のテレパス七瀬は、時に応じて心の「掛け金」をおろし、他人の思考をシャットアウトします。SNSを見るときも、時に応じて心の掛け金をおろすべきではないかな。