飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(いいね順)

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従来は、序列でCよりも一段階低いBを表現するときは「Cの次に背が高い人」と言えば通じました。ところが、Cよりも一段階高いDを表現する言い方がありませんでした。たとえば「Cの次に背が低い人」などとは言いにくかったのです。これは日本語の欠陥と言われてもしかたがありません。
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「紅白」で採集したことばが、ただちに『三省堂国語辞典』に載るわけではありません。ただ、Official髭男dism「Pretender」の「世界線」、星野源「うちで踊ろう」の〈重なり合うよな〉の「よな」、天童よしみ「あんたの花道」の「なりゃこそ」など、地味に改訂作業の資料となった歌詞は多いです。
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「誤ったことを言わない」のがいかに難しいかは、身にしみてよく分かっています。でも、テレビ番組によっては、リサーチ段階で「それはガセです、明確な誤りです」と指摘されても、平気で放送するものがある。事実をないがしろにて打ち切りになった番組は多いです。その轍を踏まないよう希望します。
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山内惠介「恋する街角」の〈惚れたね ほの字だね〉の「ほの字」は「惚れた」ということですが、こういう言い方はけっこう古く、江戸時代からあります。ほかには、たとえば「すの字」で「好き者」を、「との字」で遊郭に「泊まる」ことを表しました。
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「○○ということばは誤用だ/誤用でないという両説がある」と言われることがあります。でも、両説ある時点で、すでに「必ずしも誤用とは言えない」わけです。ある子どもを「ダメな子だ」と言う人がいて、一方で「いや、いい所もある」という人がいれば、その子は必ずしもダメな子でないのと同様です。
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三省堂が『明解国語辞典』刊行80周年を記念して販売開始した三省堂国語辞典・新明解国語辞典のLINEスタンプですが、ウザい説明が受けているようですね。私もダウンロードしました。
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芥川賞候補がすべて女性というのは文学史上画期的ですね。明治・大正の文学は、樋口一葉や与謝野晶子以外、主な書き手はほぼ男性でした。1980年代の『新潮現代文学』(作家別全集)全80巻のうちでも、女性作家の巻は倉橋由美子・田辺聖子ら全部で14巻しかありません。▽NHK www3.nhk.or.jp/news/html/2022…
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裏トークのサンドウィッチマンは、私が好きな芸人さん。『三省堂国語辞典』では昔、「サンドイッチマン」の項目があったのに、その後「もう見かけないから」という理由で削除された。でも、最近あちこちで見かけることと、芸人のサンドウィッチマンに敬意を表して?項目が復活しました。
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18日のTBSテレビ「ニュースキャスター」で「三省堂国語辞典約8年ぶり改訂」について報道。私も辞書に載ることばを紹介し、思いを語りました。「斜め上」の新用法の出どころとして示した冨樫義博さんの漫画「レベルE」がトレンドに入ったりして、反響も大きかったようです。
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Hey! Say! JUMP「明日へのYELL」で〈今はまだ見えなくても 必ず辿り着く〉。「辿」は常用漢字にない字だけれど、ルビなしで使っていますね。歌詞の字幕では、こんなふうにときどき難しい字が出てきます。しんにょうの点は、1点でも2点でもかまいません。
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1989年、岡山県にトマト銀行ができたときは驚愕しました。どう考えても銀行は漢字だろう、三井、三菱、住友だろう、トマトって何やねんと思ったものです。今や銀行はひらがなが普通で、「さといも銀行」とかあってもたぶん驚かない。これが私にとっての平成30年間です。要は類例が多いか少ないかです。
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所用のついでに、開業を迎えた高輪ゲートウェイ駅で降りてみました。率直に言って、きれいな駅だと思います。「おまwその駅名に反対じゃなかったのw」と言われそうですが、今日のところはこだわらず、写真撮影といきます。今後はまたイベントなど考えています。それにしても雨が強くて大変でした。
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「ことばの正誤を判定しないで、辞書が作れるのか」とよく聞かれます。私は、不確かな基準で正誤を認定するより、「この言い方は俗語的」「何年頃からの言い方」「文章では使わない」「すでに古い」などの情報を示したいと考えます。このほうが、ユーザーが主体的に使うかどうか判断できるからです。
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鈴木絢音さんとの辞書対談の後半です。「文章で伝わらないことが多くて悩む」という鈴木さん。私も偉そうなことを言いつつ、実は同じ悩みを持っています。▽乃木坂46・鈴木絢音がファンにも伝えたい辞書の魅力 幻冬舎plus gentosha.jp/article/18725/
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安全に関わるデマや、ヘイトデマなどが広範囲に拡散されているとき、「拡散した人はすぐに忘れるよ」などと軽く考えるわけにはいきません。やはり全力で事実を拡散するしかない。このことは、小ネタ、雑学に関するデマにも言えます。「これぐらいいいか」と放っておくのはよくないと思う。
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『広辞苑』の引用中、「すわりこんで」が「すわりこで」になっていました。私の転記ミスです。失礼いたしました。
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見坊豪紀の集めた約145万枚の日本語の用例は、三省堂の資料室に保管されていますが、劣化も進んでいます。ただ、データベース化も難しい。ウィキペディアに〈別の辞書・別の編者が活用することは困難とみられている〉とありますが、誰から〈みられて〉いるのかはともかく、現実的にはそのとおりです。
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「NHK紅白歌合戦」の放送が始まりました。今回は「有観客」の紅白となりました。この「有観客」も、コロナ禍で「無観客」ということばが一般化してから、その後に広まった、一種の新語ですね。
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伊沢拓司さんに取り上げていただいた『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー携書)は、大学の授業で文章指導をするために書きました。問題→結論→理由の順で書く方法を1冊使って説明。ごく当然の内容で、飯間理論というほどでもない。私自身もこの方法で書いています。
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元発言はこういうことです。「女性の多い理事会は時間がかかる。女性は競争で発言するからだ。女性を増やす場合は発言時間を規制しないと困ると聞いた。ただし、組織委の女性はわきまえている(ので別だ)」。会議の適性に男女差があるという見方が問題なので、組織委の女性を例外としても無意味です。
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「○○の次に高い」は、従来どんな場合に使われたか、探してみました。残念ながら「高い」の例は出てこず、「多い」「大きい」等の例しかありませんでした(調査不足です)。どれも「一番程度の高いもの」をまず示し、「その次」で「2番目」を表しています。私はこの言い方が頭にあったのでしょう。
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乃木坂46の「シンクロニシティ」は「共時性」という意味で、歌詞の中では「共鳴」と表現されています。元の心理学用語の意味はともかく、ここでは離れた相手と行動や思考内容がぴったり一致することを言うのでしょう。「インフルエンサー」もそうですが、乃木坂が使うと、難しい用語も一般化するかも。
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その後、「北海道アンドウニ丼アンド温泉で優勝せぇへん?」などと、例が増えてきている感触があります。2016年に「優勝」が三省堂「今年の新語」に投稿されたのもなるほど。2017年からの卑猥な意味はとりあえずスルーして、現在では「みんなの笑顔今日も優勝でした」などと盛んに使われます。
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関ジャニ∞「前向きスクリーム!」の〈とぉちゃん かぁちゃん じぃ ばぁちゃん〉というフレーズは以前にも取り上げました。その時は〈じぃ ばぁちゃん〉という略し方が面白かったのですが、「とうちゃん」でなく〈とぉちゃん〉とするのも独特の表記です。仮名遣いでニュアンスを表現しています。
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この画像いらないかな、と思いましたが、浴槽の意味の「湯船」が平安・鎌倉の古典にも出てくるということがよく分かると思うので、掲げておきます。右側の『箋注和名抄』の中で「栄花物語」「宇治拾遺物語」などの例に触れられていたので、その左側に原文を貼り付けました。