飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(いいね順)

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私の主張はごくシンプルです。「汚名挽回」に違和感があり、自分は使わないという自由は誰にでもあります。しかし一方、「誤用とは言えない」という筋の通った別の考え方がある場合、そのことばを使う人を一概に批判したり、さらには罵倒・嘲笑したりするのはおかしいということです。単純でしょう。
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感染拡大は終息するものなのか、収束するものなのか。終息は「やむ」こと、収束は「(広がったものなどに関して)おさまる/おさめる」ことで、結論を言えばどっちでもいい。意図しておさめる感じを出したい場合は「収束」ですかね。ブームは「終息」でしょうね。〔続く〕
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あまりに八重洲ブックセンターが好きすぎて、当時撮った写真が1枚残っています。今月になって、東京駅での仕事のついでに、同じ角度からこの書店を撮影してみました。まあ、それだけの話なんですが、手前の建物が建て替わっていたり、山一証券がみずほ証券になっていたり、いろいろ面白いです。
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布袋寅泰「さらば青春の光」は1990年代の曲ですが、〈きっと我慢できないはずサ〉と語尾がカタカナ書き。レトロな雰囲気ですね。〈しれたことサ〉〈むづかしいのサ〉のように語尾をカタカナで書くのは、江戸時代からあります。
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>RT 「※諸説あります」というテロップ、関係者の中にも気になる方はいらっしゃるでしょうね。私も以前から、あれは「諸説」の妥当性の吟味を放棄した表示だと思っています。あの表示はやめて、番組内容に責任を持ってほしいです。
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古いホームページにはしばしば、閲覧するごとに数字が増えるアクセスカウンターが設置してあります。閲覧者がキリのいい番号に出合うことを「キリ番ゲット」「キリ番を踏む」と言った。この「踏む」の用法はついに国語辞典に載らなかったかもしれません。
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ラ行音の件、「語頭のラ行音」と限定せず投稿したのは、まことに痛恨の極みでした。後の訂正もまだ不十分に思われますので、改めて訂正します。「古来の日本語では、原則として語頭にラ行音が立たない」という基本的な話でした。語頭音だけを「外来音」と表現するのも不適切です。申し訳ございません。
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著書で「そば」の変体仮名を取り上げました。ありふれた表記という意味で「どこでも目にする」と書いたら、漢字が専門の先輩から「全国に見つかっていますか?」とのご指摘。「九州や沖縄ではとても少ない印象」と伺い、ハッとしました。ウェブで福岡の例をむりに集めてみましたが、確かに少ないです。
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辞書編集者の神永曉さんも以前、「ひとりごちる」という語形はあるかと疑い、国語辞典に載っていたことに衝撃を受けたと言います。神永さんでさえそうなのだから、「ひとりごちる」に違和感を持つ人は多いのかもしれません。〔続く〕japanknowledge.com/articles/blogn…
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つまり、当初、同情的な人々の陰で沈黙していた人々が、批判的なインフルエンサーに呼応して批判を強めたということでしょう。同一の人々が、短期間に意見を変えたわけではないと考えます。ただ、ちょっとしたきっかけで、発言する人々と黙る人々が入れ替わるんですね。ネット世論の恐ろしい部分です。
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EXILE「Heads of Tails」の歌詞では、「半座を分かつ 運命を今生き急ごう」の「半座」というのも難しいですね。『大辞林』では「半座を分く」を「浄土で一つの蓮の台(うてな)に一緒に座ること」と説明しています。仏教的な歌詞なんですね。
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いつも不思議に思うのは、平成元年前後のCDを今再生すると、平成元年に聴いたのと同じ音がするということです。「当たり前」と言われそうですが、古い音声と映像は劣化する時代に生きていたので、昔の音や映像がそのまま視聴できるようになった現在、時間の観念が消滅したような錯覚に陥るのです。
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補足訂正です。先ほどの遠藤周作「沈黙」の例は、「一人ごち、」と後に何も助詞がつかないので、「勝ち、」と同様に五段活用かもしれず、「ひとりごつ」の可能性もあります。この例は除外しておきます。ただし、古文でない使用例ではあるわけです。
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たとえば、「アヒージョと白ワインで優勝しまくってる」という例は、「最高の料理で大いに満足を感じている」といったほどの意味ですね。2014年には、すでにこういう用法がいくつか観察されます。
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氷川きよし「限界突破×サバイバー」にある〈全王様もオッタマゲ~!!〉の「おったまげー」は、もともとどこから出たのでしょう。平野ノラさんの2017年のギャグにもありますが、平野さんは何を元にしたのかな。今、ちょっと手元の資料を見ただけでは分かりませんでした。謎が増えました。
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ドラマ「相棒」で、先生が街角に出て、少女の会話を観察している場面がありました。私なんか身につまされます。公道から店先をカメラで撮影していて不審がられ、声をかけられることもあります。「実は辞書を作っていまして……」と名刺を出すと、さらに不審な顔をされるというわけです。
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遠藤周作の小説『スキャンダル』に「ハッピる」なることばが出てきます。ハッピーを動詞化したらしい若者ことばという設定ですが、「そんなことばはないやろ」と思っていました。今年になってローソンで「ハピろー!」という広告が出ているので、遠藤周作の先見の明に敬服した次第です。
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DA PUMP「U.S.A.」は、私としては2018年を振り返るインデックスになるヒット曲でした。どうしてアメリカの歌なのかと思ったら、原曲が洋楽なんですね。英語を外来語の形で「オールドムービー」「サクセス」とカタカナで書く一方、「Inspired」と英字のまま使ったり、わちゃわちゃして面白い。
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補足。「お母さん」は、ここでは「料理を作るやさしい人」の意味であり、「料理を作るやさしい人」は男女とも含まれる、「お母さん」はそんな男女を含む記号だ、という考えもありえます。でも、その記号に「母」を表すことばを使うかぎり、やはり「母=作る人」という結びつきが生まれてしまうのです。
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「なるほど」は便利なあいづちです。「ああ、そうですか」「さようでございますか」よりも短く、しかも深く納得した感じが表せます。より丁寧にするために「なるほどですねー」と「ですね」をつける新しい言い方も一般化しました。これも「あり」かもしれませんが、「なるほど」だけでも十分でしょう。
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配偶者の呼称問題、もし時間があれば言おうと思っていたこと――「この呼び名はマルかバツか」ではなく、今話している相手が嫌な気持ちにならないか、自分は嫌な気持ちにならないか、それが大事な観点のひとつです。当事者がべつに違和感もなく納得していれば、何も問題はないわけです。#あさイチ
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「順風満帆」という熟語の成立は歴史的に新しく、最近まで「じゅんぷうまんぱん」でも「じゅんぷうまんぽ」でもよかった。明日発売の『四字熟語を知る辞典』(小学館)では、一般常識に殴り込みをかける記述も盛り込みました。辞書として引くだけでなく、読み物として楽しんでいただければ幸いです。
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東京事変「緑酒」の〈膨満感に噦いてどこから 嚥下できようか〉の「噦く」は超絶難しいですね。「えずく」、つまり吐く、または吐き気をもよおすことですが、ちょっと見ない漢字。『三省堂国語辞典』では「噦」は「しゃっくり」の字として載っています。口から何か飛び出す点では共通します。
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SixTONES「Good Luck!」でさっそく〈叶えたい夢があんだ〉という口語形を採集。「あんだ←あるんだ」の変化は、辞書の巻末で説明していますが、もっと説明を加えたいところです。
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「ご苦労さま」「お疲れさま」の用法がまた少し話題になっているようです。どちらも世代・職業などによって受け止め方が異なることばですが、礼儀正しく心を込めて使われてきた歴史があります。自分が使いたくないことばは使わないとしても、他の人の使い方は尊重するというのが平和な態度でしょう。