飯間浩明(@IIMA_Hiroaki)さんの人気ツイート(いいね順)

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デマが何万回もリツイートされているとき、それを否定するツイートをどのくらい拡散させれば十分か、というのは難しい。情報の内容にもよります。デマの拡散者の大半は、その真偽には興味がなくて、すぐに忘れる人々と思われる。そうした層のことは無視してもいい気もしますが、本当にそうかな。
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「がっかり」は「相手・他人のせいで思いどおりにいかなかった」という語感もあります。ただ、「100点取れなくてがっかりだ」と自己責任の場合にも言うので、必ずしも責める要素はありません。とはいえ、病人に自分の落胆を伝えるのは控えたく、「残念」も気を遣わせるので遠慮したいということです。
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昔のドラマに出てくる文字を旧表記に忠実に書けば、時代考証的に正確になるだけでなく、ドラマの昔っぽい雰囲気を大いに盛り上げるはずです。衣服や家具調度とともに、文字というものは、その時代を明らかに映す大事な小道具です。ちょっとした表記も重要視してほしいのです。
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あいみょん「裸の心」は〈この恋が実りますように〉と祈るラブソングなのに、「あなた」「君」と語りかける相手が出てきません。誰にも語りかけず、独白調であるところが特徴的です。自分自身、あるいは神さまに語りかけているのかもしれません。
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ちくまプリマー新書『伝わる文章の書き方教室』が、刊行10年目にしてようやく重版を迎えました。文章力アップのために、クイズふうのトレーニングを提案する内容です。図書館や学校現場で好意的に取り上げていただきました。初級から順を追って進んでいく構成です。お気軽に挑戦してみてください。
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ちなみに、この表は左右のどちらが古い意味、新しい意味というわけでもありません。一般的な文章を読むときは、まずは①の意味で、次に②の意味で解釈してみるといいのではないか、という観点で並べてあります。この順番は、将来的には変わる可能性があります。
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#ちむどんどん」の舞台の1970年代には「御社」「弊社」が一般化していなかったのは確かで、関係者にご一考いただければと思いますが、これがドラマのアンチの人々の攻撃材料になるとしたら心外です。私はこれまでも、作品のことばを理由に作品自体を否定したことはなかったつもりです。
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私は「この言い方は誤りでない」と言うことはあっても、「この言い方は正しい」という表現はしてこなかったと思います(していたらごめん)。せいぜい「この言い方もそれなりに正しい」とかですかね。つまり、ことばに正解がある、とりわけ、唯一の正解があるという見方は適切でないと考えています。
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↑私の発言はまとめサイトにも引用していただき、その後に言うのも何ですが、ラ行音云々はやや舌足らずです。ラ行音で「始まる語」が和語になかったということで、「さくら」など語頭以外に来る語は普通でした。さらに、擬音などで、語頭がラ行の語は昔もあったかも。今なら「るんるん」がそうですね。
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「酒池肉林」は、単純に「非常にぜいたくな酒宴」という用法がある一方で、性的に乱れたニュアンスで使われることも知っておかないと、文学作品の読解もできない場合があります。ことばは複数の意味用法、ニュアンスで使われることが普通であり、いつも単一の意味でしか解釈しないのでは不十分です。
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「しっかり!」は昔は応援にも使ったのですが、今の学生に聞くと〈上から言っているよう〉に聞こえるそうです。一方、上皇后さまが皇后の時、被災者に〈「しっかり、しっかり」と、手を握って励まされた〉という報道もありました。そんなやわらかい使い方もあること、辞書で説明したい気がしますね。
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Suchmos「VOLT-AGE」は英語とモザイクになった歌詞が特徴的ですが、「弾む星の音」など表現も独特。「月さびの世界」の「月さび」は辞書にもありません。ネットでカンニングしたら「月さびよ明智が妻の咄せん」という芭蕉の句があるんですね。俳語でしたか!
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まとめサイトについての知識や、見たくない文章の回避策についてお教えいただきましたが、私のもやもやの中心は、どうも別の所にある感じがします。私たちが日常読む文章の水準は優劣さまざまですが、少なくとも意味を伝えようとしている。その姿勢が最初からない文章の出現に驚いているわけです。
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友人の璧さんは普段「完璧」「双璧」という熟語で働いていますが、人気者の壁さんにいつも仕事を奪われて、生活に非常に困っています。「完璧」はメジャーな熟語なので、ここでさえ働ければ収入は安定するのですが、璧さんは壁さんに仕事を譲ってもらうことはできるでしょうか。(法律相談ボツネタ)
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ロジハラ(正論を振りかざすハラスメント)なる語があるという。2018年のツイートから広まったと見ています。10/11に「ワイドナショー」、10/21に「グッとラック!」が取り上げ、世間の知るところに。ハラスメントになるとすれば、それは強弁や粗雑な原則論でしょう。正論は人を納得させるものです。
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もともと、SNSの大喜利で「○○したやつが優勝」とお題を出して競わせるタイプのものがあった。これはべつに1位を判定する人はいないわけで、自分が優勝と思えば優勝なんですね。そういうところから、「最高」「大満足」という意味が出てきたのではないかと推測します。
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なにわ男子「初心LOVE」には〈何度も見返すタイムライン〉とSNSを見ている場面が。ポップスには、ポケベルとかピッチとか、その時々のコミュニケーションツールが出てきます。今のところ、LINEやツイッターの出てくる曲はほかに思いつきません。
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氷川きよし「歌は我が命」。美空ひばりはマスコミを初めとして世間に大バッシングを受けた時期があり、紅白からも閉め出された(後に特別ゲストで出場)。〈心のなかまで 土足で踏まれて 笑顔のうしろで かげ口きかれて〉という歌詞には心が痛みます。ちなみに代表的なひばりソングは大体歌えます。
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ちなみに、「ひとりごつ」のような五段活用(古文では四段活用)と、「ひとりごちる」のような一段活用が、互いに変化する例は多くあります。「足る」と「足りる」、「済ます」と「済ませる」、「任せる」と「任す」など。現象としてはさほど珍しくないことなのです。〔続く〕
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新聞でも、この1年の全国紙の使用例を見るかぎり、「ひとりごちる」は、ぱらぱら使われています。結論として、このことばは文学などでも現に使われていて、辞書に載っておかしくない。多くの辞書が、この語を収録し、解説するようになれば、人々は安心するでしょう。
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タイムラインの議論では、「酒池肉林」の原典に当たる「史記」で、すでに性的に乱れた文脈で使われている、という指摘があります。説得力があります。ただ、2000年以上前の用法もさることながら、特に観察すべきは近代から現代までの例です。そして、それらを見ても、実態は「どっちもあり」なのです。
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日本語の誤用に関する一般書というと、「間違えると恥ずかしい」「間違えるとバカにされる」に類する書名が目につきますが、なぜこうもセンセーショナルなものばかりなのか。要するに、ことばの正しさなんてのは、そういうレベルでしか議論しようがない話なのではないか。私はそう疑っています。
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「ひとりごちる」が現代語であるのは動かないと思います。ところが、『岩波国語辞典』では「ひとりごちた(て)」は(「ひとりごちる」でなく)「ひとりごつ」のイレギュラーな連用形である、といった意味の説明をしていて、どうも気になります。でも、この説明はやはり苦しいでしょう。
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「れいわ」などの「エイ」の音を「エー」と言うのは今に始まったことではなく、遠く江戸時代後期からのことです(松村明『江戸語東京語の研究』)。方言では「エイ」の発音は九州や四国西部、紀伊半島の一部に残りますが、大半の地域では「エー」と発音します(『日本方言大辞典』の「音韻総覧」)。
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瑛人「香水」に〈横にいられると思い出す〉とありますが、この「られる」は、「君の横にいることができる」の意味ではなく、「そこに立たれると困る」のような迷惑の受け身なのでしょうね。「求めてないのに、昔の恋人の君に横にいられてしまう」という困惑、複雑な気持ちを表現しているのでしょう。