ちなちな、その小学校の校長先生のお名前は御留我威都華(オルガ・イツカ)とおっしゃらないとか、口癖は「止まるんじゃねぇ(ry
昨年の「京のかたな」展に当店より出陳させていただいておりました南海太郎朝尊の短刀を、これもなにかのご縁かと思いまして京都国立博物館に寄贈させていただくことになりました。 先日、京都国立博物館より正式に寄贈を受け入れていただける旨の「受入決定通知書」を郵送いただきました。
京都国立博物館の通常展示などで寄贈させていただいた南海太郎朝尊の短刀が多くの方の目に触れていただければ、私も大変に嬉しく思います。 作品番号188 短刀 銘 山城国幡枝寓朝尊
幕末の名工:四谷正宗とうたわれた山浦清麿の墓は東京の四谷宗福寺にあります。 嘉永7年11月14日に42歳で亡くなりました。 命日の11月14日には毎年「清麿会」が催されています。
「江戸三作」とは、江戸時代後期に江戸において活躍した三名工 水心子正秀 大慶直胤 源清麿 来年、2020年以降に直胤やその一門を中心として、刀剣の鑑賞会などを行う「直胤会」の発足を密かに計画しております。 大慶直胤をよろしくお願いします!!
源清麿は刀工名を前期を「正行」、後期を「清麿」と称しました。 「正行」は相州の名工「正宗」と「行光」にあやかったとも。 「清麿」は後援者であった「窪田清音(すがね)」と「斎藤昌麿(まさまろ)」の各々の一字より。 清麿が窪田清音の為に打った1振(重要美術品)が現存します。
私が山姥切長義(本作長義)の姿形が、元来は3尺近い大太刀であったものが大磨上げされ現在の2尺3寸5分(71.2cm)の寸法になり先反りが強すぎると感じていたことについて。 どこかで見た、同じように感じたことがずっと気になっていたのですが。 山浦清麿の天保11年頃に製作された刀でありました。
(左) 山姥切長義:71.2cm (右) 源清麿:69.4cm 2振ともかなり先反りが強く先端の方で反っていて少し怖いくらいです。 切先の大きさやフクラの具合が違いますが、先反りが強すぎる感じはよく似ています。 清麿が南北朝時代の大磨上の刀をイメージして姿形を作っていたということなのでしょうが。
(左) 松井江 (朱銘) (中) 桑名江 (金象嵌銘) (右) 相州行光 (朱書)※「行光」部分は金粉銘 朱銘(朱判とも):生ぶ茎無銘、またはそれに準ずる上作のものに本阿弥家が極めをしたもの 金象嵌銘:大磨上に極めをしたもの 朱書:生ぶ茎とは限らず大磨上のものもある。本阿弥家ではない
(左より) ・山姥切国広 長さ 2尺3寸3分弱(70.6cm)反り 9分3厘(2.82cm) ・山姥切長義 長さ 2尺3寸5分(71.2cm) 反り 8分(2.4cm) ・山浦清麿(天保11年) ×2振
「山姥切国広」は本歌:山姥切長義に形状における点だけでも、いくつかオリジナルにアレンジを加えています。 あくまで生ぶの打刀として製作されています。 本歌と比較して ・先反りの反りの強くなり始めるポイントを下げ先端では弱めている。 ・切先が延びて、フクラが枯れいるので、大きい。
(左) 三日月宗近 (右) 山鳥毛 三日月宗近は特徴ある雉子股形です 山鳥毛は茎にも製作当時の反りが強く残っていて、刀身のみならず全長(刃長+茎長さ)としてみた場合に中心に反りがきている美しい太刀姿をしています。 どちらの太刀姿も最の高ですね (気になってつい調べてしまいました)
先にもツイートしておりましたが「京のかたな」展に当店より出陳させていただいておりました南海太郎朝尊の短刀を、京都国立博物館に寄贈させていただきました。 先日、京博より「感謝状」と「受領書」を郵送いただきました。 坂本竜馬所持の陸奥守吉行の刀と一緒に収蔵いただけるとは夢のようですね♪
紀州徳川家第一の宝刀「江雪左文字」がいかにいかに尊いか(私も忘れた頃に)定期的に唱えていきます。 ・天守閣に飾って毎朝、御神飯と御水を供えた。 ・国宝指定の審査でも鑑定家の手に触れさせなかった。 ・売立(オークション)でも柵で囲まれていた。 ・刀剣としては異例の売立目録で巻頭を飾る
左:山姥切国広(赤) 右:山姥切長義(青) 青1:打刀(室町時代中~後期、やや古い) 現在の寸法で天正18年頃の当時に使用 青2:天正18年に国広が切付銘を切ったよりも後世の孔 赤1:打刀の位置 青3:現状の寸法より以前に使用された孔、または太刀拵の孔や忍び孔
刀職の方と鞘についてお話し伺っていたら ・鞘に鮫皮(実際はエイ皮)を巻いた研出鮫鞘というものがありますが、鮫皮自体が長いものに合うのが殆ど無いそうです。 2尺(約60.6cm)くらいまでは少しはあるそうですが、2尺3寸(約69.7cm)になると稀少だとか。
「江雪左文字」は刃長2尺5寸8分(78.2cm)、鞘の長さ83.5cmの研出鮫鞘ですが、言われてみればこれほど長い研出鮫鞘はあまり見たことが無いかもしれません。 「江雪左文字」は鞘に巻いた鮫皮まで極上だったのですね。
備前長義の刃文は桜花に喩えられます。または耳たぶにも。 ・湾れや丁子が2つ連れていること ・連れた2つの刃文の大きさが大小が異なる 長義の手癖とも言え、(元)大太刀、太刀、短刀といった多く作品にこの現象をみることができます。 刃文の形状は、大湾れ・丁子乱れにも形を変えて現れます。
とうとう東京都では銃砲刀剣類登録審査会が新型コロナウィルスの影響で4月の審査会が中止となってしまいました。次回以降の審査会も開催は未定。 刀剣については再開されるまで発見届出済証と刀剣審査の受付案内書とともに保管になりますが、譲渡等は不可。 刀剣にとっても大変な時代になったものです
ある刀職の方からの相談 刀の持ち主から研磨を依頼されて研ぎ上げたら、コロナの影響で景気が悪化したから研ぎ代を払えない。 刀ももういらないから処分して研ぎ代に当てて欲しい。 他に白鞘と鎺の製作代金を立て替えていた分も払ってもらえす。 処分しても刀の価値は研ぎ代の半値ほどもありません
今後、このような案件が多くなりそうな世の中ですが。 ・刀剣の製作を依頼したり、購入 ・研磨などの工作を依頼 される際には、よくよく考えてから中止や変更が無いように責任を持って行っていただければと思います。 できれば製作や工作の際には、半金を前払いする方法も有効です。
刀職の方は自分の仕事は手間と時間を泣けば良いと申されてましたが。 他に依頼した分は大赤字になってしまいます。 工賃の半金も受け取ってなかったので丸損です。 刀職の方のなかには借金をして、他の工作を依頼している場合もあります。
もちろん、それらの刀にも罪はありませんし、 犬や猫といったペットのような生き物でもないですが。 もう少し責任をもって刀を扱ってもらいたいと思います。 少なくとも投げ出すような真似は、刀や刀職の方にもあまりに酷い仕打ちです。 時代やコロナのせいにするのは簡単ですが。。。
もちろん、刀をご自身の意志で製作や購入されて、自腹で代金を支払われて入手された方にはいらっしゃらないと思います。 しかし、旧家から出てきた、知人に貰ったなど無償で入手された方の一部にそういった無責任な方がいる場合があるのかもしれません。 刀に対する知識も少ないのでしょうが。
その刀職の方も事前に刀の価値をよく説明して、研ぎの他に工作代の方が高くなる可能性は以前の持ち主にも再三、説明したそうです。 ただ、家に伝わった刀で、今後も保管する予定なので値段に関係なく仕上げて欲しい、ということだったのそうですが蓋を開けてみれば。。。