【悲報】 9月30日(日) 18時までの通常の開館時間終了後に開催される予定だった貸切の特別鑑賞会が中止になりました。 京博から正式に連絡があったそうです。 日中の開館も。。。
例えば、再刃された刀でも「骨喰藤四郎」は見事な彫物を誇っており、「鯰尾藤四郎」は再刃とは思えないほどの精美な地鉄を今でもしています。 「宗三左文字」は健全で雄大な姿から往事の迫力を想像させてくれます。
ようになってきます。 しかし、あまりそういった傷欠点よりも刀の良い箇所を見てあげてください。 欠点よりも刀たちの良い点をみてあげた方がきっと愉しめるのではないかと思います。
研ぎ減って疲れてしまったもの、実戦で使用して傷が入ってしまったもの, 物打ちだけ欠けて減ってしまったものなどもあります。 なかには火災で焼けてしまって再刃されてしまったものもあります。 刀剣を数多く鑑賞されていて段々と見方が分かってきたり理解度が深まってくると、傷や欠点なども目につく
刀たちを鑑賞される際に(これは展覧会に限らず全般に言えることですが)ご注意いただきたいこと。 刀剣でも特に今回の「京のかたな」展のような展覧会では、平安・鎌倉時代といった古い時代の古名刀も数多く並んでいます。 それらの古名刀はそれだけ長い年月を生きてきて現存しています。
・キャプションでの解説はあまり見ない。可能であれば展覧会の図録を事前に入手したり、書籍やネットで事前に情報を収集しておく。またはイヤホンガイドを使用する。 ・1周だけではなく可能であれば2~3周して鑑賞、あるいは数日間に亘って通う。
・刀の姿は並んでいるうちに遠目で見ておいて、近づいたら地鉄や刃文を観察する。 (三日月宗近のような姿が綺麗なものやお気に入りの刀剣は別ですが。やはり本来は刀の姿は正面で見た方が良いです。)
・特定の刀をよく鑑賞したい場合は、1回目:姿、2回目:地鉄、3回目:刃文、4回目:単眼鏡でといったように見る箇所を数回に分けて限定して狙う。 ・前日はよく睡眠をとり、PCやスマホなどを控えて眼を休める。 ・ウナギ・ブルーベリー・各種サプリメントな眼精疲労回復。
「京のかたな」展には多くの方が行かれると思いますが混雑が予想されます。 刀剣の展覧会での鑑賞の仕方のコツを少しツイートしたいと思います。 (実際に手に持つ鑑賞会で使えるものもあるかもしれません)
坂本龍馬が所持した「陸奥守吉行」の刀(京博蔵) 以前に、直線的な研磨を「刃取り」とツイートしましたが、 研師の方にお話しをうかがったところ古い「差し込み」の一種であるそうです。 戦前の昭和初年頃に流行した研磨方法のようです。 twitter.com/tsuruginoya/st…
単眼鏡で思い出した。 「膝丸」 太刀 □忠の銘をよく見てこよう。 古備前近忠(光忠の父)の作とも伝えますが、どうも「忠」の字が光忠の最初期銘のようにも感じられます。 むかしは備前光忠は古備前光忠と長船光忠の2人説がありましたが、現在は1人の同人説が有力です。
鳴狐 打ちおろしたばかりのの新身を見るような頗る健全な作刀で、鎌倉時代(前期)には稀有の脇指造りでまことに貴重な一振りです。 鳴狐と号された由来については怪奇な物語りが伝えられています。 鎌倉時代の作刀で、本作のような脇指は時代相としては極めて異例と言えましょう。
京都国立博物館で開催される 特別展「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」 の開会式・特別内覧会のご招待状をいただいてしまいました。 「秋田藤四郎」 黒地の紙に銀色を配していて、短刀の形状や刃文・地鉄の質感が美しいです。 昼と対比する夜をイメージしてるんでしょうか。 #京のかたな
一期一振 鍛えは杢目、地沸えついてよく錬れて大肌からむ。刃文は中直ぐ調で小乱れに小五の目まじり、刃ぶち小沸えよくつき、砂流しごころあり、五のめ足働き、裏の物打辺に飛び焼きまじる。鋩子は猪首、直ぐで小丸返り、先沸えづいて掃け深く焼く。
京都国立博物館で開催される 特別展「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」 のパンフレットをいただいてしまいました。 「三日月宗近」と三日月 #京のかたな
誉れ傷(切り込み)のある刀で最も有名であるのが石田三成が所持した「石田正宗」です。 切り込みがあるので別名を「切込正宗」・「石田切込み正宗」ともいい刀号にもなっています。 物打ちと鎺もとの2箇所の現在も大きな誉れ傷が残されており、相当に強い斬撃を受け止めた武勲を今も誇っています。
三日月宗近の誉れ傷(切り込み) 物打ち付近にあるようです。 (但し、押形では1つではなく、2つあるようにもみえます) 押形に誉れ傷(切り込み)の部分のみをわざわざ採っているので、おそらくこれではないかと思います。 少し斬り込みの線も短いようなので研磨以前の古いものなのかもしれません
御物においても天皇陛下個人で所有なされている刀剣は、天皇家全体として所有の刀剣よりもさらに重要度が高いそうです。 東京国立博物館で天皇陛下の即位を記念し10年毎に開催される「皇室の名宝」展に出品される際にも、天皇陛下の個人蔵の刀剣はなかなか難しいのかもしれません。
五条国永 6振 (右より) 鶴丸国永(御物) 剣(重文) 伊勢神宮 伊東巳代治旧蔵(重美) 備前池田家伝来 6振目 (6振目の国永の銘振りは、剣(重文)・伊勢神宮の2振に近いようです)
しかし最近になって押形の存在のみを知られていたもう1振の国永が発見されて有銘の現存作は5振から6振となりました。 (私も先日に拝見させていただきましたが古京物らしい古雅な味わい深いものでした)
五条国永の有銘の現存刀は5振が残されていると近年まで通説でした。 (右より) 鶴丸国永(御物) 剣(重文) 伊勢神宮 伊東巳代治旧蔵(重美) 備前池田家伝来
「三日月宗近」に誉れ傷が1ヶ所あることは知られていますが、 「鶴丸国永」に誉れ傷が3ヶ所もあることは初めて知りました。
刀身の棟への切り込みのあるものを「誉れ傷」といいます。 敵の刃を刀で受けたり払ったりして主人を守った武勲なので、美術的な価値は下がりません。 特に刀身の上部の物打ち辺りにあることが多いです。
鶴丸国永 古剣書には宗近の流を汲むとありますが、作風はそれを首肯させる古調な一振りで、歴戦の武勲を物語る切こみの痕が棟に三ケ所あり、しかも頗る健全で殆んど原姿が崩れずに完存されており、三条、五条など古い京物中屈指の名作です。 (誉れ傷:3ヶ所)
三日月宗近 本刀は一千年の歴史を感じさせない、総体健全で無限の働きを見せ、太刀姿の優雅なことは絶品です。歴戦の武勲を物語る切込みの痕が物打ちにあり、それが気品高い姿に一段と力強さを加えています。 (誉れ傷:1ヶ所)