151
これはあまりに「現実をドラマタイズしたがる悪しき見方」という自覚はあるけど『ガンダム』一作目における「宇宙における空気の大切さ」の描写(と比較すると重力関係は曖昧)の原点として「監督の父が、与圧服の開発に携わっていた」というのはストンと落ちる話ではある。
152
#プリキュア
「恨むな憎むな」ではなく、その感情に流されるな(=行動を自制せよ)というのは踏み込んだ脚本だな。
それを人間同士でやるとやっぱりしこりが残りがちなので、妖精に絡めたあたりも巧い。
154
我が子の「教育を受ける権利」を否定し、見世物にして稼ぐ親って、大きく括ればカルト二世問題と同じで「家族の絶対視、密室性」に起因するんだが、じゃあ現状で「家族」に変わる信頼できるシステムがあるかというと結構悩ましい。
155
「差別に一切根拠がない事で、差別のおぞましさ、馬鹿馬鹿しさ、愚かさを描く」という点では『翔んで埼玉』という傑作があるからなぁ……。
156
あれ、「偽装都民」を誰も見破れず崇敬するというあたりが秀逸なんだよな。
『Black Sun』にもそういう存在が必要だったのかも知れん。
怪人である事を隠して要職に就いてる奴。
157
『翔んで埼玉』。
「権力者は被差別者同士を憎み合わせる事で構造を維持する」「権力者に取り入って《奴隷頭》の地位をせしめる奴もいる」「被差別者もまた、自分たちより《下》を平然と差別する」を描いてるから、実は『Black Sun』よりよっぽどシビアじゃないだろうか。
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そして、その『翔んで埼玉』もまた「群馬あたりを人外魔境扱いするのがギャグ」という東京中心思想についてどの程度自覚的なのか、という話にもなる。
159
元祖からして「ライダーはショッカーの改造人間」なんだけど『ファイズ』が極まってるのは、今目の前にいるのは間違いなく「唯一無二、本物のファイズ」なんだけどその中身が何者かという保証はない」という事だよなぁ。
160
毎度のフィクション分解酵素の話とも関わるけど、フィクション受容経験が溜まると、作品を見て「ああ、私に予備知識がないからピンと来ないけど、この描写には何らかの元ネタなり文化的背景があるんだろうな(だから今はスルーして後で調べよう)」という判断できるケースが増える。
161
ファンタジー世界で料理を出すメリット。
実は「フィクション度」の明示というのも大きい。
駆け出し冒険者が街で食ってるのが麦粥なのか牛丼なのかで「ああ、そういう世界」という理解が全く変わる。
162
『メガトン級ムサシ』でも感じたけど「型・定番を適切に用いる事による高速高密度のドラマ」というやり口。『水星の魔女』は更に巧い。
いわゆる「凝った事をやりたがるアニメ」にありがちな「設定説明に終始して、アクションも人間関係の変化もない」みたいな回がない。
163
男か女かという話じゃなく、世の中ってそんなに「性欲・恋愛欲求を最優先に駆動している」人間ばっかりなの?
「群れにおける互恵のメリット」だとか「自分が善良な人間だと実感できる喜び」だとか「良心の呵責」だとか、そういう動機で日々のささやかな善行ってやらないの?
164
まさか「その辺に落ちているゴミを拾ってくずかごに入れる」のも、あわよくばエロに繋がってるとか考えてる訳じゃあるまいに。
165
SNSでは「極端な発信と、それへの同意や反発」ばかりが可視化されて「現実の実相」であるかのようにすり替えられがち。
166
#ファンタジー・SF世界観構築ノウハウ
重要なところをひとつ忘れてた。
「世界に、ちゃんとトラブル源を仕込む」
完全に安定していて変化がおきない世界だと、キャラはやる事がない。
私はこれを「エンジンを仕込む」とか「坂道に置く」と呼んでるけど。
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物語の基本中の基本って「困難を乗り越えるカタルシスと葛藤」じゃなくて「不安定の発生/あるいは何かの喪失と、その収束」じゃないかなぁ。
おとぎばなしにも、それはあるんだ。 twitter.com/terry10x12th/s…
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むしろパイオニアである『マジンガー』では丁寧に描かれて、後継作品の「様式化」によって削り落とされた部分を再発見したのが『ザンボット』や『ガンダム』なのではないかとずっと考えてる。 twitter.com/yumeyaZF/statu…
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自作でも触れたけど「大切な人を殺されたら、犯人の死刑を望むはずだ。残された人の悲しみを思えば厳罰に処すべきだ」という思想だと「通り魔が殺したのがたまたま何の益もない皆に迷惑な嫌われ者だったら免罪・減刑・表彰すべきか」という話になるんじゃないか。
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ヤンデレについて、以前講義してた話。
ヤンデレというのは、要するに昔からある概念に「命名」されて扱いやすくなった例にすぎない。
いわばイザナミ、娘道成寺、八百屋お七は日本三大古典ヤンデレだ。
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……というと割と納得しちゃうけど、実はこの三例表出の仕方が全部違う。
・相思相愛だったけど捨てられたので永遠に迷惑かけてやる。
・一方的に惚れて、裏切られたと勝手に思い込んで殺しに行く。
・一方的に惚れて、再会のためには周囲にどれだけ迷惑かけても平気。
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分類コードとかそれっぽいタームを覚えるだけで、自分なりに考えて分類分解する習慣がないと、あっという間に流されて思考が雑になるぞ、というお話。
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フィクションの設定を考える時に必要なのは「キャラが屋上から落ちても死なないように安全ネットを張ろう」であって「キャラが間違って落ちないように屋上には出られないようしよう」ではないのだ。
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井上敏樹は『ターボレンジャー』以来「本来そうではない人がヒーローに変身する」というネタが大好きで、それはヒーローの資格を問うてるんだけど、思えば初メインの『ジェット』が「本来のヒーローと手違い4人」なんだよな。
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敢えて悪趣味な言い方をすると「我が子に、親に見せられるか」式の批判というのは「家族は絶対的に尊く、構成員個々人の価値観よりも道徳的一体感が優先。そういう家族を形成するのが真人間」という《偏見》であり、カルトがハッキングするセキュリティホール丸出し。