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これは安楽死の専門センターという位置づけ。インゲン医師もネットワーク創設メンバーの一人。
殺人集団などと揶揄されたこともあるが、決して安楽死を推奨しているわけではない。家庭医が背負う決断の責任の重さを分担し、家庭医が安楽死のプロセスを経験を通じ学んでもらうことを目的としている。
152
そしてもっと大きな問題が。重症コロナ感染者を受け入れているのは、地域の中核的医療機関。東京都の要請で通常診療を制限し、コロナの受け入れを最大化すれば、心筋梗塞や脳卒中などの救命救急の受け入れが制限され、がんの手術は先送りされる。普段なら救える命、治せる病気に対応できなくなる。
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不純物をぬくって、食べ物なんて不純物のカタマリですよ。純水だけ飲んでいれば、究極の健康状態になるのでしょうか。(ちなみにグラグラ煮込むだけで「不純物」が抜けることはありませんが)
あなたが毎日必死に飲むのは構わないけど、間違ったことを拡散してはダメ。 twitter.com/kyon_chourishi…
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施設の夜勤は楽な仕事ではない。
だけど自宅では十分にケアができないからと施設での生活を選択した人たちに、結局、必要なケアが提供できていないのは悲しい。
どうすればこういうケースを減らせるか。
多くの高齢者施設と関わらせていただいてきたが、人員配置だけの問題ではないようにも感じる。
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「あの晩、往診に来てくれなければ、そのまま死んでいたと思います。」
そんなことを患者さんに言わせる状況は、やはり医療崩壊だったのだと思います。
第6波に向けて、今のうちに体制を立て直し、在宅放置と揶揄されるような状況は作らないようにしたい。
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必要なのは食止めではない。
身体機能を維持するためのリハビリ、そのために必要な栄養管理と口腔ケアが誤嚥性肺炎の治療中のみならず予防のために非常に重要になる。
「誤嚥性」肺炎は、食事の誤嚥によって起こるというイメージがあるが、実際には「低栄養サルコペニア肺炎」ということになる。
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入院できない人にとりあえず必要最低限の医療を届ける。これはとても大切。
だけど、運よく入院できた人はちゃんと治療してもらえる。入院できなかった人はちゃんと治療してもらえない。こんな不公平はおかしい。
「必要最低限=手抜き」でなく、必要最低限でもその人にとって最適な医療であるべき。
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医療者は高齢者医療をきちんと学び、そして患者や地域住民を啓発していく立場にあるはずです。
少なくとも90歳の糖尿病をHbA1cを6.2まで下げて、みたいな医療はそろそろ卒業すべきです。
スポーツ外来などの特殊な診療科を除けば、患者の多くは高齢者になっていくわけですから。
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四肢麻痺の10歳の女の子。
訪問すると、かろうじて動く左の上肢で、一生懸命漢字を書く練習をしていた。
頑張ってるね。
声をかけると泣き出してしまった。
今日は漢字のテストだった。
ゆっくりしか字が書けないから、途中で時間切れになってしまった。答えは分かっていたのに。
悔し泣きだった。
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90歳の女性。
同居する家族がコロナに感染、2日後に本人も発熱。
前回ワクチン接種から半年、複数の基礎疾患あり、抗ウイルス薬が必要と判断。往診し抗原検査、案の定くっきりと陽性のライン。
しかし本人は処方は希望しない、これでダメならそれが宿命、受け入れる準備はできているとはっきりと。
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今日の夕方、NHKのニュースでコメントしました。伝えたかったのは、5類化で医療やケアの現場の負担は大きく変わらない、対応医療機関が増えるかどうかはわからない、自己隔離しない人は増える、感染拡大が抑制されなければ厳しい状況が生じうる、これは国民に説明すべき。
www3.nhk.or.jp/news/html/2023…
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ベッドが満床でも、診察を受け入れ続ける救急外来があります。都県境を超えて搬送先を確保してくれる救急隊があります。現場の機転と創意工夫でギリギリの綱渡りで医療をつないでいます。
しかし、一部の地域では災害時に行われるトリアージ(助ける命を選別する)に準ずる状況も生じています。
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感染防御とワクチンまではやる。でもそこから先は神様が決めること。高齢者はこういうスタンスの人が少なくない。特に在宅高齢者はコロナでも入院を希望しない人のほうが多い。
一方で年寄りに無駄な医療費かけるなと他人の生きざまに圧力をかける人たち。どちらが人として尊敬できるだろうか。
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④社会が医療のツケを払っている。
医療は社会の一部です。医療の役割を定義するのは社会の側であるはずです。
日本は命が大切にされる国です。高度な手術にも超高額な抗癌剤にも健康保険が使えます。海外での心臓移植が必要な子どもには数億円の寄付が集まります。素晴らしい社会だと思います。
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発熱外来には40度前後の発熱で本当に辛そうな子も。日本でも小児死亡例が着実に増加しています。
後遺症含めた感染時のリスクを考えると、子供は大丈夫とはもはや言えないと思います。
感染した子供はどう経過するのか。
「意見」の前に「事実」をきちんと伝える責任があると思います。 twitter.com/economics_dr/s…
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褥瘡を作る高齢者は、ここ20年で激減した。
それは褥瘡の予防に関する適切な知識が周知され、実践されるようになったからだ。
誤嚥性肺炎に対する正しい理解が現場に拡がり、適切なケアが行われるようになれば、褥瘡のようにその発生率も下がっていくのかもしれない。
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経済活動を止めなくても、経済活動は止まる。
行動制限しない、というのは、感染対策しなくていい、という意味ではない。自分の頭で考えて合理的に行動せよ、ということ。
合理的な感染対策、合理的な感染時の対応、医療提供体制維持、これができて初めて「ウィズコロナ」ってことになるのだと思う。 twitter.com/IIDA_Daisuke/s…
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新規感染者が4000人に迫る今日の東京。
明日から厳格にロックダウンしたとしても、接触から発症までのタイムラグを考えれば、この指数関数的増加は少なくとも1週間は続くはず。
仮に1日の新規感染者数が4000人で踏み留まったとしても、隔離対症は14日間で5万6千人になる。
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入院を10%に抑制しても5600人。ベッドは足りない。そして残されるのは約5万人。この全員を自宅や隔離施設で確実に健康管理できるとは到底思えない。そして仮に重症化を早期に発見できても、残念ながら入院できない可能性が高い。やれるのは在宅酸素とステロイド、それでダメなら緩和医療と死亡診断。
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そんな社会だからこそ医療者も大切な命のために全力を尽くします。
命を守るための医療を守る。医療崩壊しない程度に感染拡大を抑制する。そんな方針でやってきました。
結果、ワクチン接種が行き届くまでの時間を稼ぐことができ、世界的にも人口あたり最小のコロナ死亡で経済活動を正常化させました。
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盲目的な延命治療は避けるべきです。
しかしここ20年、延命目的の胃瘻は著減、人生の最終段階に積極的治療を望まないという方も増えました。
「誰もが納得のいく人生が送れる社会」が社会保障の目的。それが胃瘻のない人生であるべきかは社会が決めることではないと思います。
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気持ちはすごくわかる。
だけど、効果のある治療法は健康保険が適用される。日本の保険制度は素晴らしく、効果があるなら原価で数千万円かかる治療もカバーされています。
高額な自費治療は、まず標準治療を試してから、というか、有効性の低い治療に時間をかけてしまうと‥ news.yahoo.co.jp/articles/672b8…
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このような状況でも「コロナのない世界」から戻っていただけないのなら、自分や家族が感染した時、あるいはコロナ以外の疾患や事故に遭遇した時に、これまで当たり前だった医療やケアが受けられない可能性があるということは受容していただくしかない。
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いま重症化しているのは2週間前の感染者。その時の東京の感染者数は7日間平均で3214人。
今日の東京の感染者は5534人。
2週間後はこの人たちが重症化する。
自然災害は予測不能だが、このコロナの転帰は確実に予想できる。コロナ重症化の津波は引くことなく、2週間後に1.5倍の高さになる。
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僕らのチームは昨年1年間で21,000件の緊急コールを受電した。東京消防庁が受ける後期高齢者の119番は年間約25万人。その8%強に相当する。
うち7,300件に往診で対応した。これは都立墨東病院への年間救急搬送件数よりもちょっと多い。
在宅医療が頑張れば、救急医療の負担を少し軽減できる。