初版道(@signbonbon)さんの人気ツイート(古い順)

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今日は梶井基次郎の命日です。『檸檬』から『のんきな患者』まで、彼の実質的な作家活動はわずか7年で、完成した小説は20編にすぎません。しかし梶井の命の炎は儚く消えたけれど、残された作品は今もなお眩いばかりの輝きを放ち続けています。梶井基次郎は永遠に日本近代文学の至宝です。
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中国人バイヤーから芥川龍之介の代表作の自筆原稿を譲ってほしいと連絡があり、提示されたのは超高額でした。中国で人気の高い日本の近代作家と言えば、以前より芥川の名前も挙がっていたけれど、自筆原稿の需要があるとは驚きです。ちなみにお断りしました。
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中原中也の誕生日にあたり、誰も言及したことがないであろう細かすぎる情報をひとつ。『山羊の歌』の署名本を見ると、ほぼ全ての本で献呈署名の対抗ページに文字が映っています(画像参照)。これは明らかに墨が乾く前に本を閉じたからで、もしかしたら中也は少しせっかちだったのかもしれませんね。
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今日は中島敦の誕生日です。谷崎潤一郎や芥川龍之介に負けず、敦の学校の成績は抜群でした。京城中学校(現ソウル)では開校以来の秀才と言われたそうで、今の東大より遥かに難関の旧制一高にも飛び入学しています。小学校での2回の転校や父母(義母2人)との不和も敦の天分を損なうことはなかったのです。
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夏目漱石が芥川龍之介に送った名言「むやみに焦ってはいけません。ただ牛のように図々しく進んでいくのが大事です」の書かれた手紙の映像も登場。芥川は師の言葉に従うことができませんでした。 芥川龍之介生誕130年 旅の軌跡たどる企画展 甲府|NHK 首都圏のニュース www3.nhk.or.jp/shutoken-news/…
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菊池寛が第四次『新思潮』の編集後記に書いた文章です。芥川龍之介の小説を、田山花袋が「何処が面白いのか分らぬ」と批評したのに対して、「僕達が田山氏の作品を読んで何処が面白いのか分らぬと全く同じだ」と反論。本音なのでしょうが、親友への批判に黙っていられない菊池の男気もまた感じます。
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芥川龍之介は小学生の時、「可愛いと思ふもの」と「美しいと思ふもの」を「象」と「雲」と答えたら、「雲などはどこが美しい?象も唯大きいばかりぢやないか」と先生が×印が付けました。正解がない問題こそ、教師は子供の自由な発想を否定しないでほしいものです。先生は忘れても、子供は覚えています。
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明治大正時代の作家に関心がある方へ『明治大正文豪研究』(昭和11年、新潮社)をお奨めします。『新潮』掲載の「研究座談会」をまとめた本で、同時代の評価がよくわかります。発言が面白いのは断然徳田秋声。特に紅葉・漱石・芥川に対するコメントは、賛否両論あるでしょうが実に興味深いです。
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太宰治が青森中学時代に主宰した超稀覯雑誌『蜃気楼』12冊揃いが山梨県立文学館に収蔵、公開されます。他に現存確認は日本近代文学館の2冊のみ。なかなか終の棲家が決まらず、行方不明のリスク回避のため一時は自分で買おうかと思ったけれど、担当者の熱意が実を結びました。太宰ファンは必見です!
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太宰治の墓前にいます(お供え物は『桜桃』初版本)。桜桃忌に来たのは久しぶりですが、日曜日ということもあってか既に混雑。もちろん、向かいにある没後100年の森鷗外の墓にも手を合わせました。尊敬する鷗外を喧騒に巻き込んで、太宰は恐縮しているでしょう。#桜桃忌
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谷崎潤一郎は泉鏡花の文学を「しばしば異常な物や事柄が扱はれているにも拘はらず、そこには何等病的な感じがない。それは時として神秘で、怪奇で、縹渺としてはゐるけれども、本質に於いて、明るく、花やかで、優美で、天真爛漫でさへある」、そしてその世界は純粋に「日本的」だと。全く同感です。
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今日は森鷗外の命日、鷗外忌です。芥川龍之介は夏目漱石を敬慕し、太宰治は芥川を敬愛していましたが、二人とも鷗外に対する尊敬の念はそれに劣らないものでした。他人への評価が厳しい永井荷風・日夏耿之介も鷗外信奉者。没後100年という節目の年に、この大文豪にもっと光が当たることを望みます。
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明日の夕方、近代文学に関する重大発見のニュースが各メディアで流れるので、関心のある方はどうぞお楽しみに。
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森鷗外「渋江抽斎」自筆原稿の一部見つかる sankei.com/article/202207… @Sankei_newsより
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森鷗外の最高傑作と評する人も多い(私もその一人)史伝『渋江抽斎』の自筆原稿の一部が発見されました。没後100年での出現はまさに奇跡。数多くの推敲の跡もうかがえます。文京区から依頼を受け、鑑定書と評価書を書くことができて光栄でした。10月に同区立森鷗外記念館で特別公開予定です。
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文豪 森鴎外の直筆原稿の一部 新たに見つかる | NHK www3.nhk.or.jp/news/html/2022…
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記者会見に参加した知人によると、今日の最大のサプライズは『渋江抽斎』の原稿の出現ではなく、「森林太郎って誰ですか?」と囲み取材で学芸員に質問をした新聞記者がいたことだったそうです。 twitter.com/signbonbon/sta…
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森鷗外『渋江抽斎』の自筆原稿発見に関する「朝日新聞」朝刊の記事です(画像掲載許可取得済)。簡単な来歴や文京区の購入の経緯・金額なども記されています。
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「森林太郎って誰ですか?」という記者の質問に学芸員は一瞬絶句したものの、「鷗外の原稿の多くは本名で書かれています。また永井荷風は鴎外全集ではなく森林太郎全集にしたかったそうです」と。見事な回答ですが、彼は荷風を知っていたのでしょうか。ちなみに彼の新聞に記事は掲載されませんでした。 twitter.com/signbonbon/sta…
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芥川龍之介の若手研究者のフォロワーさんが素晴らしい仕事をされました。「漱石や芥川、太宰などは研究され尽くしている」などという言葉がいかに妄言であるか明らかです。 芥川龍之介の取材手帳を復元 1921年、大阪毎日新聞の特派員時代 | 毎日新聞 mainichi.jp/articles/20220…
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芥川龍之介の家の手伝いをしていた森梅子によれば、芥川は死の前日の7月23日、「三年ぶり」という客2人と自宅で夕食を共にしたそうです(10時半頃帰る)。芥川が酒を飲み「大変元気にお話し遊ばされ」たという2人は名乗り出ておらず、いまだに特定できません。最後の晩餐での会話の内容が気になります。
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今日は芥川龍之介の命日です。今年の東京は、桜桃忌も河童忌も晴天となりました。ちなみに昭和2年7月24日も日曜日でした。 twitter.com/signbonbon/sta…
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今日は芥川龍之介の命日「河童忌」です。芥川は解剖されておらず、死因は永遠の謎。多量の睡眠薬の服用説が一般的ですが、衰弱した彼に飲むことができたのか。だが青酸カリ説は入手経路の問題があり(諸説あるも実証不可能)、夫人の証言とも矛盾します。ちなみに芥川の死亡診断書は見つかっていません。
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さいたま文学館の開館25周年記念特別展「永井荷風」(9月17日~11月27日)の監修をします。複製・復刻の展示は全てNGという提案にOKが出たので引き受けました。伝説の発禁本『ふらんす物語』の5冊展示(過去最多は2冊)や新出自筆資料、「文豪とアルケミスト」とのコラボもあります。どうぞお楽しみに。
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さいたま文学館特別展「永井荷風」関連イベント「対談&ビンゴ大会<初版本>」(10月16日14時、無料)のお知らせ 山中剛史さんと初版本に関するお話をします。ビンゴ大会は参加者全員に文豪の初版本(署名本も)をプレゼント。申込は電話(048-789-1515)で今日から8月31日まで。定員を超えた場合は抽選です。