初版道(@signbonbon)さんの人気ツイート(古い順)

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神田神保町名物T書店主の神回答(全て実話) ①「芥川龍之介とかの本はありますか?」「とかの本はない。」 ②「司馬遼太郎の本はありますか?」「嫌いだから扱わない。」 ③「太宰治の『人間失格』はありますか?」「三省堂にある。」 ④「ガラスケースの本を見せて下さい。」「100万円。」
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多少なりとも貴重な(高額な)本の所蔵者が亡くなった時、遺族が一番気をつけなければならないのは、友人を名乗って書斎に入りこもうとする人間です。ほぼ確実に何冊も本が消えます。過去に数多くの研究者・コレクターの家がこの被害に遭いました。中でも最も憎むべきなのは、「弟子」と称する輩です。
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昔、某テレビ局から「 金魚を一匹突き殺す」で有名な「金魚」を謎解きに使うドラマのため、北原白秋『トンボの眼玉』の貸出し依頼が。復刻本で誤魔化さない態度に感心し初版函欠本を貸しました。放映を見たら、主人公が本を180度開脚するもこれは想定内。しかし本に書込みされたのは想定外でした。
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今は昔、ある学生に「ら抜き言葉は使わない方がいいよ」と言ったら、「でも太宰治も使っていますよ」と「道化の華」の一節を指摘されました。太宰で返してくるとは憎いですね(画像は『晩年』より当該箇所)。
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書斎で笑顔の芥川龍之介。これだけ嬉しそうな表情は見たことがありません。本のタイトルは読めないけれど、洋書が多いようです。
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芥川龍之介が「龍之助」と3回間違えられてキレた珍しい葉書(全集未掲載)です。「わたしは龍之介です 龍之助ぞやありません。」「三本の手紙が三本とも龍之助はひどい。」とあります。
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芥川龍之介の自殺翌日(昭和2年7月25日)の『東京朝日新聞』夕刊。24日は日曜日なので、25日朝刊が第一報でした。各種文学アルバム掲載の夕刊とは、紙面が異なる珍しい版です(26日付)。三島由紀夫を除き、作家の死亡記事で最大でしょう。
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水着姿の谷崎潤一郎。あまり目にしない写真です。撮影者は存じません。
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新婚時代の谷崎潤一郎と2人目の妻丁未子。この写真を目にされたことがある方は少ないでしょう。美貌の妻との結婚生活は、長くは続きませんでした。
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太宰治を運ぶ霊柩車のヴィンテージ・プリント。前が太宰用で、後ろが山崎富栄用です。昭和23年6月19日12時40分頃、料亭千草で検視を終えた太宰の遺体は堀ノ内、富栄の遺体は田無の火葬場へ。2階左側の部屋が太宰の仕事場でした。 #桜桃忌
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知人の老コレクターが亡くなられました。遺言状に「宮沢賢治とともに天国に行きたいから『春と修羅』を棺に入れてほしいけれど、初版本を燃やすわけにはいかないので復刻本を入れるように」とあったそうです。泣きました。
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天皇陛下が退位されたら、かつて「お供も警護もなしに1日を過ごせたら何をなさりたいですか」と問われ「透明人間になって、学生時代よく通った神田や神保町の古本屋さんに行き、もういちど本の立ち読みをしてみたいですね」とお答えになった皇后さまが、神保町を散策できる日も来るかもしれませんね。
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夏目漱石(左)と芥川龍之介(右)の書斎。よく似た佇まいが、師を敬慕する芥川の思いを伝えている気がします。
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留年した学生に「あの夏目漱石だって、落第して進級できなかったことがあるんだよ」と言って励ますのは結構ですが、漱石がその後一念発起して、卒業まで首席を通したことも伝えるべきだと思います。
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芥川龍之介の葬儀における泉鏡花の弔辞とその下書きです。夥しい修正が、年下ながらも心から敬愛する芥川への別れの言葉に、鏡花が心血を注いだことを物語っています。「生前手を取りて親しかりし時だに、その容を見るに飽かず、その声を聞くをたらずとせし」まさに恋人の死を悼むが如しです。
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芥川龍之介の法要(昭和9年7月24日) 1列目左から菊池寛・徳田秋聲、1人おいて佐藤春夫・内田百閒、1人おいて長男比呂志・文夫人。3列目左から2人目三好達治・堀辰雄です。場所は芥川馴染みの田端自笑軒。遺徳を偲ぶ人々が集まりましたが、萩原朔太郎と室生犀星の不在が惜しまれます。
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104年前の今日、志賀直哉が武者小路実篤に贈った第一小説集『留女』の初版本です。志賀は発行前に届いた少部数の1冊を、妻房子の郷里福井にいた無二の親友に寄贈。翌大正2年1月3日に受け取った実篤は、翌日「早速二つ読んだ、君に逢ひたくなつた。ゆつくり話がしたい」と手紙を書いています。
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太宰治くらい行状が批判される作家も少ないですが、「谷崎も大学除籍だし、啄木も借金まみれだし、芥川も妻以外の女性がいたし、有島も心中しています」と擁護する人には、「全部当てはまるのは太宰だけ」などと混ぜ返さないで、「小説家は小説の魅力がすべてだから気にしないで」と言ってほしいです。
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本日1月17日の夜は、尾崎紅葉「金色夜叉」の名場面「僕は今月今夜を忘れん〜僕の涙で必ず月は曇らして見せるから」の「今夜」です。そこで「金色夜叉」の自筆原稿・前編初版署名本とその口絵・同じ場面の鏑木清方肉筆画をアップします。雅号「十千万」での献呈で、本書の署名本は他に存じません。
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変な格好をしている佐藤春夫(昭和2年)。全く意味不明です。
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徳田秋聲は泉鏡花の没後、文豪の初期の作には幼稚なものも多いが、鏡花は例外で、「しかも其の天分は老年に迨んでも涸渇しなかつたのである。この点から言へば確かに天才だと言へる。」と讃えました(「天才泉鏡花」)。一度は絶交した同門の秋聲に褒められたことが、泉下の鏡花は嬉しかったでしょう。
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書斎で振り向く芥川龍之介。狂気を孕んだ目だと感じてしまうのは、彼の悲劇を知る者の先入観でしょうか。
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「猫の日」の画像はやはりこちら。夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』上中下編初版本の表紙・カバー・扉・挿絵・カットなど猫尽くしです(上編は8版から中段左の異装カバーとなります)。 #猫の日
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講演会場での芥川龍之介(大正12年)。演題は「プロレタリア文芸」でした。両手が格好いいですね。
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世の中は偏見に満ち溢れているもので、夏目漱石が好きと言って真面だと思われ、谷崎潤一郎が好きと言って変態と疑われ、太宰治が好きと言って軟弱だと批判され、三島由紀夫が好きと言って右翼と誤解を受けてきました。しかし泉鏡花が好きと言っても人はまず無反応です。多分よく知らないのでしょうね。