西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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ーー「恥も外聞もないのね。そんな人は嫌いだわ」と消えてしまうという。自分の手で聖書の記録を消してしまった男は天地に安らえる場所がなく、地をさまよう悪霊の類になるんだそうです。面白い(というと語弊がありますが)伝承です。
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雑。アメリカの児童向け読本(1887)に見るドルイドの生贄図。ずいぶんと煽情的ですが、「キリスト教以前」の野蛮さを強調する意図もあるようです。オークの枝に頭蓋骨が挿してあるのもなかなかのホラー。文章は比較的冷静な記述となっています。
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雑。道具の妖精化は教育現場でよく目撃されます。エルドリッジ・ハンレー『片目の妖精たち』(1924)は縫い針妖精がお裁縫を教えてくれるファンタジー。作中でさまざまなステッチが紹介されます。手足が生えた縫い針はナナフシみたいで、好き嫌いが分かれそうです。
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季節。ベルギーからツリー飾りつけの写真が届きました。よく見るとネコもいます。かの国は現在ロックダウン中ながら、花屋さんは営業中。各種クリスマス行事はほとんど中止。家庭でこじんまりと祝えとド・クロー首相からお達しがあったそうです。原則として、家族でないかぎり集会は三人までとのこと。
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暦。12月5日(6日)は聖ニコラス祝祭日。オランダやフランドルでは聖ニコラスは黒人の従者を伴って到来。良い子には聖人がプレゼントを、悪い子は従者が袋に詰め込んでスペインに連れていくとのこと。クリスマスとなまはげが同時進行しております。グローヴァーの『サンボネットベビーズ』から。
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クリスマスの伝承 ・ぶらさげた靴下に曲げた釘を入れておくとラッキー ・24日の真夜中(0時)になると牛がしゃべる ・当日に野外で洗濯物を干すとアンラッキー ・イブには幽霊はまったく出ない ・イブには狼男の一団が酒蔵を襲う 図は一次大戦時の煙草の広告。塹壕のサンタクロース。 #スパウォー
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#これが私の代表作 写真に関していえば明らかにこれ。1985年ロンドンにて撮影。いまだこれを超える猫に会ったことがございません。現像も自分でやった思い出の一枚。いわゆる「ふとりたおした猫」。さんざん使いまわしております。
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暦。クリスマスの飾りつけの様子がまた届きました。玄関先の盾持ちライオンはわかりやすい魔除け。常緑のリースは悪しきを弾き、善きものを通すのであります。ロックダウン中でもクリスマス準備は粛々と進行しているようです。
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ヤドリギの伝承 ・ヤドリギの枝4本は聖なるイチイの樹まる一本の値打ち ・オークに生えるヤドリギが一番値打ちがある。 ・女子はヤドリギの下の椅子に腰かけた男から手袋を巻き上げてよい。 ・ヤドリギの下にわざと立ったあげくに無視される男は以後12か月不運に見舞われる 季節の話題ということで。
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心得。ローヴェットによれば、マントルピース上に並ぶ物品はその家にとってのラッキーチャーム類である場合が多く、重要な観察対象なのだそうです。漠然とした供物としての意義も込められるとか。暖炉系のカルチャーは圏外の人間には難しゅうございますが、見逃さずにいたいものです。
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雑。やはりローヴェットによれば、古代遺跡から出土する玩具の類は玩具にあらず、供物なのだそうです。ただし神々は子供を通じて供物で遊ぶため、玩具にはちがいないとのこと。良い玩具は神を動かすのであります。図は古代ギリシャの玩具木馬。
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季節。エイモス・ウェルズによれば、初雪のなかにたたずむ人は心の風景を周囲に映し出すとのこと。白い息と雪のかけらがいろいろな形に見えるのでしょう。お空の雲を観照する要領だそうです。wishing snow 願い雪と称されています。絵はいつもの雪の妖精の図。ただ眺めるだけ、触ると消えます。
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雑。1887年刊行の児童書に見る吸血蝙蝠。夜間に人家に侵入し、寝ている人の足の親指に噛みついて血を吸う。その際に翼を用いて睡眠持続効果を有する風を送るとされるが、そのあたりは伝聞とのこと。ハンガリーの吸血鬼の説明もついてます。悪魔、悪霊の類が親指を狙うのはよく見られる伝承なーー
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吸血鬼の足の親指狙いに関して再掲。あまりないこととは思いますが、悪霊や吸血鬼を殴る際は親指を握りこむほうがよいかもしれません。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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暦。12月13日はシラクサの殉教聖女ルチアの祝日。お盆に載せた眼球には諸説あって、拷問で失った説もあれば、「きみの瞳が忘れられない」とすがりつく男にこれでも拝んどけとくりぬいて渡したという説も。ともあれ眼球関係全般の守護聖女さまです。眼球系の魔物もこの時期が特異日となりましょう。
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RT。スウェーデンの聖ルチア祭は一種独特で、光の聖女さまを強調すべく選ばれた少女が頭に複数の蝋燭を載せて着火します。懐中電灯でもよいらしいのですが、こちらは八つ墓村とか連想してしまいます。
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暦。12月14日は討ち入りの日。47 Ronin の物語は英国でも結構有名でありまして、ronin も "wave-man" と訳されたり。主君を持たないウォリヤーと定義されるため、モモタローも「ヤング・ローニン」と表記されたりします。ずぼらな文化伝播はファンタジーの土壌なのでありましょう。絵はゴブル。
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展開。海外の挿絵にみるピーチプリンスたち。遊蕩する若侍風のやつ、棍棒持った不審なおっさん、実に多様性に富むのであります。キビダンゴも説明が面倒になるとライスケーキで片づけられてしまいます。
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翻訳。モモタローの「猿」も monkey にするか ape にするかでえらい差です。南米のタマリン風になったり、オランウータンが登場したり。ピーチプリンスがオランウータン連れてデモンアイランドを襲うのであります。武器も刺付き棍棒。
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さらにピーチプリンス。三獣士のキジはウィンストン版の画が一番かっこいいと思います。空中からの射撃はなかなか効果的でしょう。なおこのキジさん、物語中では女性というか母親の設定。子供のためにキビダンゴを貰った恩に報いるべく参戦であります。
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雑。サークル状のキノコばかりが妖精リングにあらず。スコットランド西岸のジュラ島には「白妖精の湖」があり、スイレンの妖精リングが浮かんでいるとのこと。もちろん夜になると水系の妖精たちが出没するわけです。下手に使づくと危険でしょう。ラファエル・タック社の絵葉書から。
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「白妖精の湖」から3マイル離れた場所にある「黄色妖精の湖」。白スイレンに囲まれる黄色スイレンが美しいとのこと。常識的に考えればリング内の水に魔力が宿るのでしょうが、採取しようとするといろいろありそうです。
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雑。チェンバースによれば、文人政治家サー・ウィリアム・テンプル(1628-99) は自分の心臓を銀の小箱に入れて庭園日時計の下に埋めよと遺言したとのこと。遺言はその通りに執行され、当の日時計も現存しているそうです。この種の日時計はいろいろなおまじないの舞台にもってこいでありましょう。
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雑。シクラメンをいただきました。その護符効果はプリニウスのお墨付き。いわく「この花の咲くところ、悪しき呪いの効果なし」だそうです。一家に一鉢、家内安全。