西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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雑。ホームズやヒギンズのような独身の英国紳士は「オールド・バチェラー」と称されますが、デナム論考によりますと法的には50歳3か月3日を過ぎて未婚の場合に適用される称号(?)とのこと。この妙な区切りの根拠も不明だそうです。図像は『ピグマリオン』(1938)からヒギンズとピカリング大佐。
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長子相続が基本だった英国富裕層の場合、次男三男はスペアであって、繁殖を期待されていないという部分もありましょう。次男三男は相続から外されるものの、家族年金を貰って一生食うには困らない。家に縛られずに好きな人生を送れるわけで、奇怪な研究や冒険をやらかすのはだいたいこの人たち。
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雑。雨(rain) とか、痛み(pain)とか、悪いことはすべてスペインに行け、というのが英国児童の基本教理であります。Rain, rain, go to Spain 。スペインの雨は主に平野で降り続いて不作を招くまでがワンセットです。面白きかな、と。絵はグリーナウェイ。
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#スパウォー 以前も紹介しました二次大戦中の防弾聖書。一次大戦中は普通の聖書が弾丸を防ぐ話が伝えられ、実物が英国に戻され教会で展示されたりしました。人気が高くて、どうやら人為的に作成された品もあった模様。弾丸がとまった箇所の記述も重要とのことで、ヨブ記あたりで止めるのが理想とか。
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#猫の日 2月22日は猫の日とのこと。猫の瞳は潮の満ち引き、あるいは月の満ち欠けと連動すると昔から言われておりますが、瞳が丸いときがかわいい、いや細いときのほうが猫らしくてよいという議論も盛ん。結論が出ないとわかっている話題でえんえんお茶を飲むのも英国人の特技であります。
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#猫の日  黒猫をラッキーシンボルとする文化圏も多いのであります。一次大戦中、お守りの黒猫ぬいぐるみを失くした戦闘機乗りが、出撃命令を拒否してパリまで新しいぬいぐるみを買いにいくというエピソードが『スーパーナチュラル・ウォー』(4月下旬刊行予定)に。エースたちは縁起を担ぐのです。
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#猫の日 古来より魔法ネコの名前として伝わる「グリマルキン」 Grimalkin 。その正体に関しては諸説ありますが、毛並みはブルーグレイであろうとされています。非業の死を遂げた猫の女王説に始まり、猫国の宰相とか長靴猫の本名とか、みなさん言いたい放題。楽しそうです。
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さて2月29日。伝承によりますと、四年に一度のこの日ばかりは女性が男性に結婚を申し込んでよい日とのこと。申し込まれた男性は、断るのであれば女性に上等の手袋を渡さねばならないとされていて、いろいろ物入りであります。聖ブリジッドが広めた風習だそうですが、文献的バックアップはいまひとつ。
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ときどき妙なものを見つけて読みふけってしまうのは悪い癖と自覚しております。1913年刊行、マクリーン・サヴェージの『かえすカタナ』はダイミョーの若様レンノスケの冒険もの。悪漢バロン・マツヤマの奸計にはまり、負傷して記憶を失い山中をさまよう若きプリンスの運命やいかに。なんかすごいです。
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雑。英国の伝承。夜、からの揺りかごを揺らしていると目に見えないものが宿る。  重くなるのでわかるんだそうです。だからやるな、ととらえるか。そんなものでもいいから、ととらえるか。恐ろしく、やがて悲しい話が始まりそうです。
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雑。「ケーキを一つ食べると煉獄の魂がひとつ救われる」という魅力的な文言がありますが、この場合のケーキは聖金曜日のホットクロスバンや万霊節前後のソウルケーキを指しており、平時のスイーツ暴食を勧めておるわけではないとのこと。図は恒例のダンピーからhットクロスバン配給の図。
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ハロウィンで亡者どもが「お菓子をくれなきゃいたずらする」とわめいておるのは、救済用のソウルケーキを求めているわけです。現代ではそのあたりの事情が失伝していて、どんなお菓子でもOKとなっているそうです。ソウルケーキが地方によって成分も製法も異なっていたことも失伝の一因かと。
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#コロナばっかりで気が滅入るから本テロしようぜ 19世紀末、金箔押し装丁の傑作、イエイツの『秘密の薔薇』。
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#コロナばっかりで気が滅入るから本テロしようぜ 英国の学校では12月末の終業時に優秀生徒を表彰し、ご褒美本を与える習慣がありました。選ばれる書物はとびきりの良書ばかり。緑色のはジェイムソン夫人の『シェイクスピアのヒロインたち』アニング・ベル挿画本。青いのはマクドナルドの『北風』。
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雑。船舶のマスコットとして猫を搭乗させる伝承。その理由はというと、キャンベルの説によれば結局は魔女除けとのこと。そもそも海上の嵐は魔女のしわざと考えられていて、猫がいる船舶はいわば友軍識別信号を出しているのだとか。もちろん諸説あります。
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季節の挨拶。 ふとりたおした猫もいいのですが、育ちすぎたワンコというのもなかなか。 かわいいのであります。鬼瓦系の魔除けということで、昔の写真を一枚。 #育ちすぎたワンコ
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雑。「3月の29日、30日、31日は4月から借りたもの」という妙な伝承があります。マーチ君は28日に3頭の羊を発見したのですが、つかまえたくても日にちが足りない。そこでエイプリルさんに頼んで三日ほど融通してもらいます。この三日間は支配権があいまいなので常に悪天候に見舞われるとのこと。
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ドイツではイースター前夜に白ウサギの大群が野原のあちこちにエッグを隠してまわるとのこと。その様子を決して見に行ってはいけないとされていて、当然見に行く子供がいて、ウサギに見つかって呪われるのであります。悪い子は黒ウサギに連れていかれる説もあり。絵はウィラード・ボンティー・
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ドイツ南部シュワーベン地方では、子供たちはイースター週間中は影絵遊びでウサギを作ることが禁止されているとのこと。それは「月に対する罪悪だから」とよくわからない理由が伝わっております。謎めく禁忌はなんとも魅力的ではあります。
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雑。港や船舶に関する伝承を調べておりますと、ウサギが敬遠されている傾向を発見。とりわけ海上にては決して rab**t と発音してはいけない、やむを得ない場合は「あの毛の生えた耳の長いの」といった婉曲表現を用いるべし、と。商売仇の船にウサギの皮を張り付ける呪詛も見つかりました。
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さて今年も4月23日すなわち「ドラゴンの日」が近づいてまいりました。一般には聖ジョージ祝祭日だったりしますが、そこはそれ。大多数のドラゴンは書物のなかに棲息していますから、書物の日でもある23日にみなさんのお気に入りのドラゴンを紹介してください。 #ドラゴンの日
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#ドラゴンの日 グリム童話にはよくわからないドラゴンも登場。お姫様をさらったのはいいものの、海上の岩礁でただ二人してのんびりしてるだけというドラゴンさま。結局退治されてしまいますが、なにがしたかったのか。お姫様もどこか他人事ふうでいい味出してます。絵はアニング・ベルとラッカム。
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雑。そういえば西洋系にもアマビエさまに似た感じの不可思議がおりました。なんとかの賑わいで紹介しておきましょうか。浜辺にたたずむのは「海の老人」と称される変化。ボート乗りを脅しているのはマン島沿岸のバケモノ。怪魚系、でいいのでしょうか。
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さて #ドラゴンの日 当日。 そもそも聖ジョージのドラゴン退治は出来レースではないかと疑惑を持たれておったのです。ドラゴンにとどめを刺さず、街まで連れてきて「改宗しないと再び野に放つ」と脅したりするからです。そのあたりをユーモラスに描いた佳作がグレアムの『やる気のないドラゴン』。
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雑。19世紀中頃の書物に見る女子用体操「ワンド調練」。ワンドは基本的に魔法杖を指しますので、いろいろ妄想が捗ります。魔法学校のカリキュラムによいかもしれません。術以前に打撃重視。