西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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暦。元来ロンドンではハロウィンよりも5日夜のガイフォークス・ナイトのほうが重要視されておったのです。子供たちが主体となってガイ人形を市中引き回しし、募金で買った花火を仕込んで火あぶりにするのが楽しいのであります。絵は毎年おなじみのフローレンス・メイソン。
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市中引き回しの際はこんな感じです。そのときどきの有名政治家等をガイ人形に仕立てる場合も多いのであります。ドナルド・トランプのガイ人形はここ数年目白押し。
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#デブと言わずにデブを表現する 「ふとりたおした猫のような」 婉曲表現になってないような気もしますが。
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暦。サンタクロースが現在の姿形になったのは何時頃か、とよく議論されております。1912年の子供読本のサンタはでっかいバスケットを背負ってなにやらネズミと談合中。暖炉脇の不審人物は1840年の雑誌に見るサンタ(活動日は大晦日)。どうにも怪しげでいけません。
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聖ニコラスが「悔い改めた泥棒」の守護聖人とされる点を鑑みると、ここに描かれているのはサンタその人ではなく「OB組」ではなかろうか、と思ってしまいます。聖ニコラスの下にかつての怪盗や大泥棒が勢揃いして、厳重な警備網をかいくぐって玩具を配っていく話も面白そうです。
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雑。ティンカーベルの画像を探すもディズニー以外のものとなると意外と見つからないのであります。舞台上では光の明滅で表現されるため、具体的な姿を与えないほうがよいとの判断があったのかもしれません。図は1911年のウッドウォードによるティンカーベル。ちゃんと鐘を修理しております。
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雑。ティンカーベルを探すと当然ながら多数のピーターに遭遇します。赤いのはウッドウォード画、黄色いのはルーシー・アトウェル画。ディズニーに慣れすぎた目には実に新鮮でありましょう。なおピーターパンといえばクリスマス後の妖精劇「パントー」の定番ですがーー
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雑。「魔女の予言にびびる長靴をはいた猫」の図。あの話のどこにそんな場面がと思いますが、これは1860年代(推定)のパントマイム楽譜集から。クリスマスのパントーはあらゆるファンタジーの詰め合わせセットですから、なんでもありなのです。その場その場で楽しければOK。
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こちらは以前も紹介した1875年のパントマイム・シンデレラから「バッタ軍団に襲われる女王蜂」の図。バタフライ王国とハニービー王国の確執をさらに煽る悪の秘密結社グラスホッパー団。蝶の王子が結婚を急ぐ背景には複雑な妖精的国際情勢が。巻き込まれたシンデレラの運命やいかに。なんかすごいです。
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暦。晩秋から初冬にかけて到来するジャック・フロストとフロスト・クイーン。ジャックはまだしも、野外でクイーンに遭遇すると生命の危機であります。「寒いですか?」と質問され、「寒いです」と答えると「ならば寒くないようにしてあげましょう」とのお言葉。やばいです。
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フロスト・キングも「暖かいか?」と質問してきます。解答例はラングの『黄色の童話集』をご覧ください。出会ったところでそれと気づかず終わるのがジャックの妹、ベッティー・スノウ。企画倒れの冬娘は影が薄いのであります。
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雑。1859年刊行のカーギル・ブラウ『科学童話』は子供たちに正しい科学知識を授けるためのよくある学習童話ものですが、挿絵のほうはなかなか啓蒙できずに旧来のシンボリズム満載で楽しいのであります。ご存知アルケミカル天井ワニと栄光の手。子供の心にはこちらのほうが残りそうです。
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雑。季節の使者ジャック・フロスト。この季節、夜ともなると子供部屋の窓辺にやってきて覗き込むのであります。中に入りたいのか、子供を連れ出したいのか、そのあたりは伝承によって異なります。ひたすら暗くて長い冬の夜。絵はパジェット・フレデリクス。
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暦。11月9日は伝統的にロンドンのロードメイヤーズ・ショウの日(現行は週末に移動)。シティーの職種組合から選ばれる市長がド派手なパレードを行います。組合ごとにシンボリズムが異なり、多くの術式が隠されているのでオカルト的にも興味深い行事ですが、今年はコロナで中止が決定。残念なり、と。
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暦。クリスマスはいろいろな「三大」「三つ組」がつきものですが、植物でいえばヤドリギ、ヒイラギ、そしてこのアイヴィー。その常緑の生命力の強さで縁起がよいのであります。恋愛関係の花言葉では「死んでも離れない」とのこと。からみつくツタ類はゆるやかに動くトリフィドでありましょうか。
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暦。11月11日は第一次世界大戦の停戦記念日。戦時中に出回った絵葉書の類が非常に興味深いのであります。当館では幸運お守り系を集めておりますが、それ以外に目につくのが「子供ミリタリー」とでも称するのか女児に軍服やナース服を着せるジャンル。どのあたりに需要があったのか?
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絵葉書ついでにほぼ同時期(大正10年頃)の日本で見られた女性テーマの絵葉書。「活動の女」「バアの女」だそうです。なんかお洒落です。もうオカルトは関係ないのですが、せっかく見つけた資料ですので勢いで。
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暦。11月11日はまた #独身の日 とのこと。  英国異能紳士はおおむね独身。ホームズ、ヒギンズ、ドリトル先生と多士済々。だいたい富裕層の次男三男あたりで相続から外されるかわりに家族年金が貰える身分。好き放題の人生を送って異能持ちになるのであります。身の回りの世話は執事とメイドに。
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家も持ちたくないとなれば、クラブで寝泊まりしたり、えんえんと旅行していたり。そして最後はカントリーサイドに引っ込んで "with a dog and few good books" 「犬とお気に入りの本数冊」の日々に入るのであります。このときに選ばれる書物で人柄がわかるとのこと。さようか、と。
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家族年金持ちの独身紳士は学者になって金にならない研究に打ち込むのがベストというか王道というか。次によいのが軍人あるいは聖職者。爵位と領地は長男に任せて気ままな人生を送るというパターンでしたが、二次大戦を境に難しくなったようです。
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暦。#独身の日  ヴィクトリア朝のいいとこのお嬢様方も当然ながら家族年金持ちであります。ただし往々にして「結婚後は夫の扶養下に入るもの」として年金が打ち切られたりします。それを知らずに求婚し事情を知って逃げていく男、真実の愛に気づく娘、というのがお約束のロマンス展開ーー
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雑。英国では産業革命のおかげで旧来の荘園領主層とは異質の富裕層が出現しておるわけです。図の青年グレアム・ロバートソンの父親は商社の共同経営者として財をなし、7万ポンド近く貯金したところで引退して結婚(当時51歳)、一人息子が18歳のときに他界。当時イートン校に通っていた息子はーー
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さて #13日の金曜日 。何度も申しておりますが、トリスカイデフォビア「13恐怖症」はもっぱら英国の病だったのですが、一次大戦を期に世界中に広まったとのこと。それまでフランスなどでは長寿を表す数字として幸運絵葉書の定番テーマですらありました。きれいなお姉さんが13を手ににっこりと。
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金曜日は13と一緒になってはじめて不吉になるのでしょう。13番目のユダ、キリストの処刑日が金曜という組み合わせです。他の伝承たとえば「曜日の子供たち」では「金曜生まれは優しい子」なのであります。前後の木曜の「行ったっきり」土曜の「生きるのに必死」に較べるとかわいいもんです。
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故事。11月14日は英国史上最長寿者トマス・パー(1483?-1635)の命日です。その152年の生涯は80歳で初婚、102歳で不倫、120歳で再婚となかなかのスロースターター。エリクサーを所持していたとの噂も絶えません。パー翁の名を冠するウィスキーがあるのもむべなるかな。