西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

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伝承。路傍で蹄鉄を拾うとラッキーとされておるわけですが、理由がいまひとつ不明。ブランタイア・シンプソンによれば、それはスレイプニルの蹄鉄が外れたものと見なされていて、発見者はオーディンの武勇に与ることができるからとのこと。少なくとも解釈一個めっけ、という気分であります。
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雑。ただいまチェック中のヴィクトリア朝の夢占い本の記述。「軍艦の大砲の夢を見る女性は海軍軍人を恋人にするでしょう。その大砲が発射されるなら求婚される兆し。片舷一斉発射なら成婚間違いなし」とのこと。broadside fire を夢に見る乙女、なかなかのものです。写真はHMSドレッドノート。
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暦。11月18日(或は17日)はドイツの神秘主義者ヤーコプ・ベーメの命日です。この日の朝、ベーメには不思議な音楽が聞こえていたとのこと。お昼過ぎ、家人に「今何時か」と尋ねて「三時です」と言われ、「まだ早いか。あと三時間ほどだ」と言い、午後六時に息を引き取ったと伝えられています。
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雑。17世紀中頃、英国でも流行った「つけぼくろ」は突然変異を起こして巨大化したというのであります。星や月はともかく、額を横切る二頭立て馬車は何事か、と。黒絹やベルベットを適当に切って貼りつけてるうちにエスカレートしたのでしょう。人体は小宇宙なのであります。
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一応、つけぼくろの位置にも暗号的意味合いがあったらしく、密会の場所や日時を読み取ることができたとのこと。このあたりは後年、庶民レベルにまで降りてきて花言葉やエチケットと合体し、「フラーテーション」という術になるのであります。楽しそうです。
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1860年の暦本にお国柄ジョークが載ってました。  外見に関して ドイツ=巨大 英国=中庸 フランス=良好 イタリア=中肉 スペイン=不細工  飲食に関して ドイツ=鯨飲 英国=暴食 フランス=美食 イタリア=大食 スペイン=欠食  どうもスペインでオチをつける傾向があるようです。
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"Pain, pain, go to Spain" 「いたいのいたいのスペインに飛んでけ」と子供のおまじないレベルでスペインに災厄を送りつけてきた英国であります。面白いのであります。
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ヴァリエーションで ”Brain, brain, go to Spain" 「おまえの脳みそスペインに行っちゃえ」というのもありました。脳みそだけスペインに飛ばされるのです。頭が悪くなれという呪詛なのでしょう。なんか凄いです。
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雑。「死」を制止する「時」の図。時の老人も死神なのですが、こちらは寿命満期で刈り取りにくるタイプ。一方の槍を持つ骸骨は突発的事故的死なのであります。「いまだ時至らず」と引き留めています。現場の連携が悪いのは上司の「運命」がいまひとついいかげんだからなんだそうです。
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雑。私事。なまじ意味が通るために見逃してしまう誤変換が怖いのであります。最近やらかしたのが「殿下の放蕩」「多摩市の叫び」。さいわい世に放たれるまえに捕獲できましたが、自分で始末書を書く気分になります。
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#槇えびし #魔女をまもる 『魔女をまもる。』。アグリッパがこれだけ生き生きと描かれた例が過去にあったかどうか。喧嘩上等の人は嫌いじゃないです。おすすめです。  古人いわく善意が力を持つとき地獄が広がるとのこと。food for thought のたねは尽きないのであります。
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雑。「人間の妻に逃げられた人魚男」が子供たちを連れて波打ち際で「帰ってきて」と訴える図。妻は教会にこもって耳を塞いでいるという悲痛な状況。どちらに肩入れするのも難しいのであります。ご存じアーノルドの "Forsaken Merman"から、絵はスプーナー。
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人と妖精のあいだに生まれるエレメンタルハーフは美貌と才能に恵まれますが、両界への適応がむずかしく、苦難が多いとのこと。ややこしいのであります。
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雑。勢いで人魚関連を調べるわけですが、やはりアンデルセン関連が豊穣の海であります。原作のおかげで触手に襲われる姫の絵が多いのはともかく、エレメンタルと魂の問題は最後までついてまわるようです。
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雑。11月29日夜の吸血鬼シーズンインを控えて、かれらの体内時計はどうなってるのかといったどうでもいい疑問が生じたのであります。朝日のなかで微笑んでとはいかないわけですから、暦で日没時間を調べて目覚まし時計をセットするのか。誰かが日没ですよと棺桶をノックするのか。さて。
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吸血鬼のシーズンインと頭上棺桶大乱闘の件はご質問が多いので。テレザ・ストライレスコの『カルパチアからピンドスまで』(1906)という東欧紀行の一節から。農具を使って「死ねこら」「すでに死んどるわボケ」とどつきあうみたいです。台詞はこちらによる補足ですのであしからず。
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雑。11月27日は奇人ウィンスタンリーの命日です。この人は機械仕掛けが好きなお金持ちで、趣味でからくり幽霊屋敷を作っていたのですが、あるとき私財を投じてコーンウォール沖の危険なエディストン岩礁に灯台を建設。1703年11月27日の大嵐の日に灯台をメンテナンスしていて灯台ごと行方不明にーー
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私情。灯台守こそ隠者系オカルティストの理想の姿かと。薔薇十字ガジェットに「永遠に燃え続けるランプ」がありますし、絶海に面して孤立しつつ公共のお役に立てるのです。勘違いした恐竜に求愛されたりトリフィドに襲われたりするのは日々のアクセントということで。
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雑。ギフトブックというチャリティー目的で出版される豪華本があります。名誉編集長に王族を迎え、有名作家や画家に無償奉仕をもとめ、収益を寄付するのです。ここに珍品が集まることが多いのであります。図は1915年の傷病兵支援ギフトブックから「盲目の兵士」と「魔女」の絵。なぜこの絵を?
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暦。そもそもクリスマス・ストーリーはゴースト・ストーリーとほぼ同義。この季節、夢のなかで教会に赴いて亡者のミサに参加したり、野外で幽霊集会に紛れ込む物語が多くなります。対抗策にはヒイラギの葉がよいとのこと。トゲトゲが悪しきものを追い払うそうです。
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#StAndrewsDay 11月30日はスコットランドの聖アンドリューの祝祭日。ちなみに薔薇十字の伝統はスコットランドで保持されたという伝承もあり、魔術関係者には自称ハイランダーがうじゃうじゃと。当館は手元にあるスコットランド製品を集めてありがたやと手を合わせております。
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#違うんだよ母ちゃん選手権会場 母「あれが飲みたいの。燃えてどんちゃん」 姉「・・・モエ・エ・シャンドン?」 母「それそれ、燃えてどんちゃん」 実際にあった会話です。
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#違うんだよ母ちゃん選手権会場 発行年、製作会社、印刷所、紙質、手触り、原画参照元など、ひとつひとつ入手して丁寧に確認するのが研究の第一歩でございます。
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雑。さて12月。この季節、強風をもたらす精霊は「ふいご」を手にするのであります。この道具は火おこしにも使われるため、火事を連想させる不吉さも持ち合わせています。暖房と強風は危いカップルということで。絵はチャールズ・ロビンソン、イヴリン・シャープ『風見鶏物語』から。
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雑。ファミリー・バイブルといいまして、一家に代々伝わる立派な聖書。誰々がいつ出生して結婚して亡くなったと家系図の役目も果たします。性格の悪い妖精美女などは男をたぶらかすにあたって、この聖書から自分の出生のページを破って持ってこいと要求するとのこと。言われた通りにするとーー