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ちなみに同誌1932年5月号には「人形のお祭り」と題してまさに日米人形交流を描く短編が掲載されます。宣教師の両親とともに日本に住む少女リリー・メイが仲良しの日本少女チェリーブロッサムと人形遊びをしていて人形交換を思いつくというもの。このあたりは実際の出来事を反映しているのでしょう。
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雑。17世紀初頭に貴族の屋敷で使われていた「洗濯物記録器」(とでもいうのか)。洗濯物の名前と数字を記した紙のうえに半透明の板を張り、その上に穴のあいた木製円盤をねじ止めしたもの。洗濯物を洗い場に送り出す際になにがいくつとダイヤルで記録し、ちゃんと戻ってきたら0に戻す仕組みーー
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鳥。妖怪じみた巨大フクロウの伝承を見ることがありますが、意外に実体を伴ったのかもしれません。オーストラリアのオニアオバズクを英国に持ち込んだ例はあったようです。絵はジョン・グールドが描くオニアオバズク。エサはコアラ。
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続・シー・サーペント。19世紀初頭の時点でこの謎の生物の正体はウバザメであろうと推測されていました。図は1809年に博物学者エヴァラード・ホームが発表したウバザメ研究論文から。腐敗するとこうなるという説明図が興味深いのであります。
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季節。19世紀のロンドン。今頃は書店のウィンドウに幾多の児童書が飾られたとものの本にあります。思いますに金箔押し装丁はゆらめく灯火のもとにあって本領を発揮するのでしょう。クリスマスのご褒美本がきらめくのも当然なのであります。ナーサリーマジックなり、と。
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雑。トマス・タッサによれば男子の一生は猿、獅子、狐にしてロバとのこと。  21歳までは猿の如く遊び  40歳までの獅子の如き日々はすぐに終わり  63歳までは狐の如く狡猾に過ごし  その後は驢馬の如く老いる 四種類の動物が描かれている寓意画は複数のレイヤーを有しておるようです。
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#薔薇の日 こちらはシーブルックが紹介した「ガートルード・スタインの世界一すてきな魔法円」。ごちゃごちゃとシジルや記号をちりばめるばかりが術式にあらず、と。
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イースター。ベルギーのワンコのお家から正体不明の卵デコレーションの写真が送られてきました。ずいぶん昔から伝わっているそうで、台座はガラス製とのこと。ダチョウかなんかの卵なんでしょう。ナチュラルなまま飾るのも面白うございます。
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家のなかで起きる事故はすべて「猫のせい」。なら猫がここまでやるんかいという戯画がこちら。クルックシャンクの筆の冴えること冴えること。
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雑。20世紀初頭の魔女術紹介本にて発見。「日本の魔女オニババ」。国芳の煽情的な絵も加わり、もうなにがなにやら。鬼婆はゴブリンとして紹介されることもあります。妖怪変化の類の翻訳は難しいという一例。
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ランプに関する伝承 ・油切れでランプが消えるとアンラッキー ・すでにランプが灯してある部屋に別のランプを持ち込むとアンラッキー ・ランプのほやが割れるとアンラッキー ・吹き消す際の息の数がそれまでついた嘘の数 ラッキー関係がほとんど見当たらないのも興味深いところであります。
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続、『そうしてみたい物語』。日常のさまざまな場面での児童的因果応報を描く教訓ものですが、わかりやすすぎて面白い。老人の荷物を運んでやる少年は街中の美女美少女の熱い視線を集めるのであります。ケイト・ディールの絵柄もあって、なにやら別の話がはじまりそうでいけません。
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雑。黒猫が雑誌の表紙に登場するのはほぼほぼ10月号すなわちハロウィン特集号であります。空中では黒猫はベリーラッキーとされていて、黒猫系マスコットは一次大戦中の戦闘機乗りたちのマストアイテムだったそうです。1930年代ともなると魔女も空挺降下。#スパウォー
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聖土曜日。冥府に降って過去の義人を地獄より救い出すキリストの図。伝承によりますとこのときキリストは地獄の扉を蹴破ったそうで、救世主のキックが披露された唯一の例かと。なお扉はその後修復され、新たな錠が取り付けられておるようです。以後、地獄の鍵もキリストの持ち物に。
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雑。魔法使いの衣装という題目で服飾史の書物を渉猟するも東方の三博士くらいしか見当たらず。かわりにタロットの参考にできそうな図版がずらずらと。書物を持つのはアングロサクソンの王妃。かたや東ローマ帝国のエイレーネ皇后。美麗なり、と。ともにハーバート・ノリスの服飾本から。
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ーーやがて年月がたって人々はエイキンドラムとの契約条件を忘れ、親切心からかれに衣服を作って贈ってしまいます。すると禁忌条項が発動し、エイキンドラムはどこかに行ってしまったというお話。名前持ちのブラウニーは珍しいため、多くの人が語るお話であります。 Aiken Drum 。
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雑。Dunce's stool 。かつて英米の学校では劣等生に三角帽をかぶせて特別の椅子に座らせる懲罰があり、女子には醜いお面をかぶせていたとのこと。1950年代に廃れたそうですが、さぞ怨念がこもった備品であろうと推測するのであります。学校の怪談向けに。
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雑。昔の子供の遊びというか占いというか。ボタンがたくさんついている服を見ると「金持ち、貧乏、乞食か泥棒、医者か弁護士、商人か酋長」といった感じで数えていって最後に当たったものが将来の姿というゲーム。選択肢のバリエーションを増やすことでたちの悪い呪詛にもなりえるのでありますーー
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雑。乳牛の乳の出が悪くなると「呪われた」とするのが英国の代表的伝承でありますが、もうひとつ「夜中にハリネズミが盗み飲みしている」という見解があります。動物学的には否定されても伝承として根強いとのこと。ヴァンピリズム的関心の対象となり得るでしょうか、意見が分かれそうです。
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雑。チェンバースによれば英国の医師業は18世紀までは結構な荒っぽさで、屈強な弟子を何十人も従える暴力医者も多かったとのこと。あるいは対立する貴族のお抱え医師同士が決闘沙汰を起こしたりするわけです。その際に相手を「まじない師」「妖術使い」と罵倒するため話が複雑化するのであります。
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暦。9月3日はロンドンのバーソロミュー・フェアの開催日。かつては修道院慈善バザーとして始まったフェアが時代を経て大規模な縁日となり、その猥雑さが限度を過ぎて19世紀半ばで廃止になりました。観覧車や移動動物園はもとより、あやしげな見世物小屋も勢揃い。これもまた魔術伝統の生息地なり、と。
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暦。イースター期間中に産まれたタマゴには不思議な力が宿っているという発想があり、コミュニティーで分け合って食していたのだそうです。そのうち現物ではなくタマゴを描いた絵を配るようになり、郵便制度の拡充とともにグリーティングカードとして拡散したとのこと。ともあれ春の栄養補給なり、と。
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雑。ウォルシュの『奇習』(1897) によれば、現行形式のクリスマスカードは1862年に登場したとのこと。それまでは歳末助け合い寄付の返礼として渡されていた手書きのお礼状が、郵便制度の発達とともに進化してヒイラギやロビンの絵が入った印刷物になったのだそうです。その後は百花繚乱。
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雑。1月7日は「ディスタフデイ」。クリスマスシーズンが終わり、女性の仕事始めの日。その象徴として採用されたのがディスタフ「紡ぎ棒」であります。羊毛などの素材から糸を紡ぎ出す道具ですが、西洋では貴婦人から農民の娘までが行う作業にして趣味であったとのこと。心が落ち着くのだそうですーー
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暦。6月4日は英国国王ジョージ三世の誕生日。かつては盛大に花火を打ち上げる日でもあり、19世紀初頭のロンドンはこの日に硝煙の匂いに包まれたとのこと。とりわけ1820年代には玩具花火「ファラオの魔法の大蛇」が発明され、大いに人気を博したそうです。こちらでいう「蛇玉」「へび花火」でしょう。